「海 (ドビュッシー)」の版間の差分

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(追加)
の、3つの部分で構成される。
 
=== I.海の夜明けから真昼まで ===
序奏部では、PPPによる神秘的な導入に続き、6小節目、「2度上行し下降する」音程と、「十六分音符+付点八分音符」のリズムを持った第一の[[循環形式|循環主題]]が提示される。まもなくして、12小節目、コーラングレと弱音器付きトランペットのユニゾンによって、緩やかな「三連符+ニ+二連符」のリズムを持つ第二の循環主題が提示される。この二つの循環主題の持つ特徴は、その後、楽曲を展開させるに必要なさまざまな音型を派生させ、楽曲展開の種子となる。これらが提示されるのが序奏部であるが、ニ長調あるいはロ短調をあらわす記号が記されているものの、[[調性]]は曖昧である。主部では、木管、ホルンによる33小節目からの主題を軸とした前半と、4部に分かれたチェロによって奏される動的な主題を軸とした後半を経て、海の様相の変化を鮮やかに描きだす。コーダは、132小節目、第二の循環主題から派生したコラール風の音型によって始まり、第一の循環主題から派生した旋法風の音型と、主部の第1主題とが同時に奏される圧倒的なクライマックスを築いて終わる。
 
=== II.波の戯れ ===
8小節の短い導入に続き、9小節目、この楽章中最も重要な、全音音階的で細やかな動機がコーラングレによって提示される。この主題から派生した36小節目からのトリルを伴った弦楽器の奏する動機、それらがひと段落した後、ハープのグリッサンドを経て、50小節目、ホルンによって奏される経過句が、62小節目からのコーラングレによる動機を派生させる。しかし、同時にこの3つの動機は、主題提示的というよりは、同時に移行部として曲想やリズムの変化を生成する働きをもつ。こうしたこの楽章の性格を、[[ピエール・ブーレーズ]]は「絶えず更新される形式」と呼んだ。
 
=== III.風と海との対話 ===
冒頭、風の動きを表すかのような低弦による動機が示された後、その動機を経ながら9~309 - 30小節目にかけて循環主題に関連した音型が断片的に現れる。31小節目では、トランペットによって第二の循環主題が2度明確に繰り返される。46小節目には、海原を表すかのような動機が木管群により提示され、これら二つの動機と二つの循環主題とが相互作用を繰り返し、前半の猛烈なクライマックスを形作る。それらが一段落した133小節目、一楽章コーダの冒頭に現れたコラール風の動機が現れ、25小節目に現れた第一の循環主題から派生した動機と対話し、158小節目には46小節目で現れた動機がフルートとオーボエのユニゾンによって奏される。それがクレッシェンドされ盛り上がりを見せると、212小節目には冒頭の速いテンポに回帰し、循環主題と動機とが再び相互作用を繰り返していく。259小節目、再びコラール風の動機に導かれたあとは、二つの循環主題、冒頭の動機とが同時に奏される、疾風怒濤たるクライマックスを形成し、変二音のユニゾンによって全曲を締めくくる。
 
=== 演奏時間 ===
234

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