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'''格文法'''(かくぶんぽう case grammar)[[1968年]]に[[言語学者]][[チャールズ・フィルモア]]によって提唱された[[文法]][[理論]]。格文法は、[[動詞]](さらには[[形容詞]][[名詞]])とその深層格(動作主・[[場所]][[道具]]のような意味役割)との[[組み合わせ]]から成るものとして[[]][[分析]]しようとする理論である。
 
フィルモアによれば、動詞はそれぞれいくつかの深層格を選択し、それらは格フレームを成す。格フレームはその動詞の意味的[[結合価]]の重要な側面を記述するものである。格フレームには、例えば一つの深層格は一文に一つしか現れないなどの制約がある。格には義務的なものと随意的なものがあり、義務的格を削除すると非文法的になる。例えば Mary gave the apples はこの意味で非文法的である。
 
格文法の根幹をなす仮説は、[[主語]]や[[目的語]]のような文法役割は深層格に依存して決まるということである。フィルモアは1968年の[[論文]]で、主語の選択に関する普遍的規則として次のような階層を提案している:
 
:動作主 (Agent) > 道具 (Instrument) > 対象 (Object)
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[[1970年代]]から[[1980年代]]にかけて、格文法はフィルモア自身の手によって[[フレーム意味論]]へと発展した。
 
== 深層格 ==
全ての言語に共通した、文意を表現する格。深層格推定法が確立した諸言語は中間言語方式の翻訳システムを構築することができる。
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== 日本語表層格 ==
[[日本語]]の表層格は以下のものをとる。
*ガ格 - 「~が」という形式で文に現れる。
*ヲ格 - 「~を」という形式で文に現れる。