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'''硬骨魚類'''(こうこつぎょるい)は、現在大きく2種類の定義で用いられる、[[脊椎動物]]の中のグループである。
 
* '''A''' : 古典的には、階層分類における"[[魚類]]"の分類群([[タクソン]])のひとつで、一般的には便宜上こちらを指すことが多い。
* '''B''' : 近年の系統学や分岐分類学的立場からすると、硬骨魚類(Osteichthyes)はある単系統群([[クレード]])に与えられた名称であり、'''[[哺乳類]]や[[鳥類|鳥]]のような動物もすべて硬骨魚類に含まれる。'''
 
こうした定義上の混乱は、生物学における分類体系が常に更新されたり、用途や思想・学説によって最適な体系が異なるために頻繁に生じるものである。特に近年は[[分子系統学]]や分岐分類の躍進が著しく、形態のみに基づいた伝統的な分類体系が次々に更新されているが、一般には広まりにくく、また伝統的な分類の方が直感的で理解しやすいため、便宜上どちらの分類体系も用いられているのが現状である。''詳細は[[生物の分類]]を参照のこと。''
'''B'''近年の系統学や分岐分類学的立場からすると、硬骨魚類(Osteichthyes)はある単系統群([[クレード]])に与えられた名称であり、
'''[[哺乳類]]や[[鳥類|鳥]]のような動物もすべて硬骨魚類に含まれる。'''
 
{{Main|生物の分類}}
こうした定義上の混乱は、生物学における分類体系が常に更新されたり、用途や思想・学説によって最適な体系が異なるために頻繁に生じるものである。特に近年は[[分子系統学]]や分岐分類の躍進が著しく、形態のみに基づいた伝統的な分類体系が次々に更新されているが、一般には広まりにくく、また伝統的な分類の方が直感的で理解しやすいため、便宜上どちらの分類体系も用いられているのが現状である。''詳細は[[生物の分類]]を参照のこと。''
 
== 特徴 ==
[[サメ]]や[[エイ]](板鰓亜綱)、ギンザメ(前頭亜綱)など、骨格がすべて[[軟骨]]でできている軟骨魚類に対して、硬骨魚類の多くは、骨格の大部分が、硬骨と呼ばれる硬い骨からなる(ただし、[[チョウザメ]]類のように、軟骨の割合が大きいものもいる)。硬骨には、軟骨の骨化した軟骨性硬骨、結合組織や外皮に由来する膜骨などがある。<br/>
 
==特徴==
[[サメ]]や[[エイ]](板鰓亜綱)、ギンザメ(前頭亜綱)など、骨格がすべて[[軟骨]]でできている軟骨魚類に対して、硬骨魚類の多くは、骨格の大部分が、硬骨と呼ばれる硬い骨からなる(ただし、[[チョウザメ]]類のように、軟骨の割合が大きいものもいる)。硬骨には、軟骨の骨化した軟骨性硬骨、結合組織や外皮に由来する膜骨などがある。<br/>
骨格のほかにも、硬骨魚類は、楯鱗をもたない、[[肺]]やそこから派生した[[浮き袋]]をもつといった特徴によっても、軟骨魚類から区別される。肺を獲得した初期の硬骨魚類の祖先は淡水棲であったとみられ、海棲の硬骨魚類はここから二次的に海洋に進出したものである。
 
== A, 伝統的分類に基づく硬骨魚類 ==
軟骨魚類・硬骨魚類は、古くは魚綱の下位の軟骨魚亜綱・硬骨魚亜綱としたが、今では魚類を魚上綱として、軟骨魚綱と硬骨魚綱の2綱に分けることが多い。なお魚類に[[無顎類]]([[ヤツメウナギ]]や[[ヌタウナギ]]等)を含めるかどうかは、研究者によって意見が分かれる
 
生物の進化上は、硬骨魚類は軟骨魚類から、軟骨魚類は無顎類から分岐した。また、両生綱、爬虫綱、鳥綱、哺乳綱は、硬骨魚類から分岐した。下図参照
==A, 伝統的分類に基づく硬骨魚類==
軟骨魚類・硬骨魚類は、古くは魚綱の下位の軟骨魚亜綱・硬骨魚亜綱としたが、今では魚類を魚上綱として、軟骨魚綱と硬骨魚綱の2綱に分けることが多い。
なお魚類に[[無顎類]]([[ヤツメウナギ]]や[[ヌタウナギ]]等)を含めるかどうかは、研究者によって意見が分かれる。
 
生物の進化上は、硬骨魚類は軟骨魚類から、軟骨魚類は無顎類から分岐した。
また、両生綱、爬虫綱、鳥綱、哺乳綱は、硬骨魚類から分岐した。下図参照。
 
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=== 分類概略 ===
硬骨魚類は、[[肺魚亜綱]]、総鰭亜綱、腕鰭亜綱、[[条鰭亜綱]]の4亜綱に分類される。このうち、肺魚亜綱にはケラトドゥス目とレピドシレン目、総鰭亜綱にはシーラカンス目、腕鰭亜綱にはポリプテルス目だけしか現生目がない
 
このうち、肺魚亜綱にはケラトドゥス目とレピドシレン目、総鰭亜綱にはシーラカンス目、腕鰭亜綱にはポリプテルス目だけしか現生目がない。<br/>
条鰭亜綱は、軟質下綱と新鰭下綱の2下綱に分けられるが、軟質下綱は軟骨上綱チョウザメ目のみが現生である。現在最も繁栄している魚類のグループは、条鰭亜綱の新鰭下綱であり、通常私たちの目にふれる“魚”は、ほとんどがこのグループであると言ってよい。<br/>
 
新鰭下綱は、さらに全骨類と[[真骨類]]とに分かれるが、現生する全骨類の魚類はガー目(レピセステウス目)とアミア目のみであり、それ以外のすべての新鰭下綱の魚類は、真骨類に属する。
 
=== 分類樹 ===
 
* '''[[条鰭亜綱]] [[w:Actinopterygii|Actinopterygii]]'''
** [[軟質下綱]] [[w:Chondrostei|Chondrostei]]
** [[新鰭下綱]] [[w:Neopterygii|Neopterygii]]
* '''[[肺魚亜綱]] [[w:Dipnoi|Dipnoi]]'''
** [[セラトダス目]] Ceratodontiformes
** [[レピドシレン目]] Lepidosirenina
* '''[[総鰭亜綱]] Crosspterygii'''
** [[シーラカンス目]] Coelacanthiformes
* '''[[腕鰭亜綱]] Brachiopterygii'''
** [[ポリプテルス目]] Polypteriformes
 
<BR clear=all>
 
== B, 分岐分類に基づく硬骨魚類 ==
[[分岐学]]は、全ての形質を極力同様に重みづけした上で分岐図を作成し、その各分岐点を分類群として定義する手法である。このため、硬骨魚類の系統が分岐して以降、その子孫は全て硬骨魚類であって、例えば哺乳類が恣意的に硬骨魚から外されることはない
このため、硬骨魚類の系統が分岐して以降、その子孫は全て硬骨魚類であって、例えば哺乳類が恣意的に硬骨魚から外されることはない。
 
=== 系統樹 ===
[[脊索動物]]の系統の概略を以下に示す。太字部は全て硬骨魚類ということになる
太字部は全て硬骨魚類ということになる。
 
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<!-- == 脚注 ==
 
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== 参考文献 ==
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== 関連項目 ==
{{CommonsWikispecies|Category:Osteichthyes}}
{{Commonscat|Osteichthyes}}
* [[魚類]]
* [[軟骨魚綱]]
 
== 外部リンク ==
[[Category:魚類|こうこつきよこう]]
{{fish-stub}}
 
{{Fish-stub}}
 
{{デフォルトソート:こうこつきよこう}}
[[Category:魚類|こうこつきよこう]]
 
[[als:Knochenfische]]