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1行目: '''MSX-DOS'''（エム・エス・エックス・ドス）とは[[MSX]]規格向けに開発された[[CP/M]]上位互換の[[DOS (OS)]]であり、る。MSX-DOS1とMSX-DOS2が存在する。 == 概要 == MSX-DOSは、[[アスキー (企業)\|アスキー]]とMicrosoft、国内家電各社などを中心として1984年に策定されたホームコンピューターの統一規格「MSX」のシステム環境、OS（オペレーティングシステム）環境としてMSX-BASICと共に開発された。 OSとしては、当時80系(（[[インテル]] [[Intel 8080\|8080]]系~~)CPU~~）CPUを搭載したコンピュータで広く利用されていた米[[デジタルリサーチ\|Digital Research]]社開発のCP/M80との上位互換性を確保したクローンOSの一種である。構造的には、CP/M 1.4相当の機能に加え当時すでに普及が始まっていた86系~~(Intel~~（Intel [[8086]]系)）コンピュータ向けの[[MS-DOS]]のVersion 1.25で用いられていたFAT12と[[互換性]]を持つファイルシステムを採用した。フロントエンドとなるCOMMAND.COMコマンドインタプリタはCP/MにおけるCCPの代わりにMS-DOS環境で標準的に用いられていたCOMMAND.COM環境を移植したサブセットといえるものである。ただがし、MSX-DOSとMS-DOSはシステムコールやバイナリには互換性の無いまったく別個のOSである。 MSX-DOSは、[[CP/M]]との[[システムコール]]([[Basic Input/Output System\|BIOS]])および[[バイナリ]]互換を持っている。FAT12とほぼ同一のファイルシステムを採用しているが、[[MSX]]の[[半角]][[平仮名]]（1[[バイト (情報)\|バイト]]の平仮名[[文字]]）などをサポートするために8bit透過性が確保されているなどの特色もある。 15行目: == MSX用のMSX-DOS == [[フロッピーディスク]][[ドライブ]]や[[パーソナルコンピュータ\|パーソナルコンピューター]]本体、[[アプリケーションソフトウェア]]に付属して配布され、た。使用には最低64KBのメインメモリが必要。MSX-DOSだけが個別に[[販売]]されることはなかった（。ただし開発環境などが同梱されたMSX-DOS Toolsというパッケージは存在した~~）。使用には最低64KBのメインメモリが必要~~。 BIOSと拡張されたシステムコールは併せてBDOSと呼ばれ、ディスクドライブのインターフェースカートリッジの[[Read Only Memory\|ROM]]に内蔵されているものを呼び出して実行している。このためDISK-BASICからもBDOSの実行ができる。またDOSのままMSXのROM-BIOSやスロットの使用もできる。システムファイルはMSXDOS.SYSとCOMMAND.COM、およびAUTOEXEC.BATであり、MS-DOSに存在するCONFIG.SYSや[[デバイスドライバ]]を記述するコマンドなどはない。MSXの特徴として、その柔軟かつ強力なBIOSシステムによって拡張機器にはBIOSが搭載されており、接続すると自動的にBIOSが組み込まれるため、[[デバイスドライバ\|デバイスドライバー]]等の組み込みは構造上必要なかった。現在までに存在したほぼ唯一の、本来の意味での真のプラグ＆プレイを実現できていた環境と言われる所以である。構造的な特徴としては、MSXの強力なBIOSシステムおよびそれらを共有するMSX-BASIC環境との間に、次のような親和性の高さがある。コマンドプロンプトから互いの[[環境]]を行き来することが可能。 DOSとBASICの双方で単一のファイルフォーマット（FAT12ファイルシステム）を使用。これにより MS-DOS を使用したパソコンと、同じフロッピー・ディスクでデータをやり取りできる。<br />※ただし、MS-DOS で作成されたディスクのサブディレクトリは認識できるが（DIR コマンド等で表示可能）、アクセスは不可能である。したがって MS-DOS とデータをやり取りする場合は、ルート・ディレクトリにファイルを置く必要がある。なお、[[MSX DISK-BASIC]]~~において~~でもファイルシステムにはFAT12を採用。 MSX-DOS上のアプリケーションからBIOSを、MSX-BASIC環境からMSX-DOSのBDOSを利用可能。 CP/M用のアセンブラ(M80)やコンパイラ等を用いてコーディングする際にもMSX用のBDOSやBIOSをシームレスに利用可能。これにより、当時の8bitコンピュータ用のDOS環境としては破格の機能と柔軟性を確保した上で、豊富なCP/Mのアプリケーションやデータおよび知見なども活かすことが可能~~で、ホームコンピューターとしてはおいしい所の総取り的な環境~~であったる。ファイルの時刻の管理はパソコンの本体にカレンダー時計機能があればそれを利用し、なければ起動時に日付を入力するようになっている。 MSX-DOSは4台までのフロッピーディスクのほか[[ハードディスクドライブ]]などにも対応。ただしファイルシステムが[[FAT12]]相当であるため、ドライブ1パーティションあたりの容量は最大32MBまでという限界がある。また[[ドライブレター]]もワークエリアの容量の関係上、A:からH:までの最大8台分に限定され、MSX-DOSおよびMSX DISK-BASICで取り扱い可能なストレージの最大容量は32MB×8の256MBとなっている。なお、当時の[[PC/AT]]や[[PC-9801]]などの一般的なMS-DOS環境に対応したESDIやSASIのHDDの容量は20～80MB程度であり、発売当時としてはこれだけの容量を管理できれば十分~~であっ~~と言えた。 == MSX用以外のMSX-DOS == 39行目: == MSX-DOS2 == '''MSX-DOS2'''（エム・エス・エックス・ドス・ツー）は[[1988年]]に[[MSX2]]用にアスキーが開発し、OS単体(（ディスク+カートリッジ)）で販売したものである。因みに商品名は『日本語MSX-DOS2』 MSX-DOS2では、ファイルシステムにMS-DOS Version 2.11とほぼ同等の仕様の階層[[ディレクトリ]]や[[ファイル (コンピュータ)\|ファイル]]の特殊[[属性]]機能、[[環境変数]]と[[パス]]、[[リダイレクト]]や[[パイプ]]などが追加されたほか、日本語表示(全角文字、漢字ROM)への対応や、マッパーRAM（[[Expanded Memory Specification\|EMS]]に似た切り替え機構を備えた大容量[[Random Access Memory\|RAM]]）の管理ルーチンと、これを使用した[[RAM DISK]]の機能が備え付けられた。COMMAND.COMなどのヘルプ機能も充実した。同時に、MSX DISK-BASICの拡張もなされた。ファイルシステムはFAT12のまま~~であった~~だが、後年ユーザー有志の手によるパッチを当てることによりFAT16のアクセスも一応可能となった。専用の[[ロムカセット\|ROMカートリッジ]]は、拡張されたBIOS/BDOSがROMに収められている。ま動作するために最低128KBのマッパーRAMが要求され、作業領域として32KBのRAMをマッパーRAMから確保する。そのため、内蔵増設RAMがあるものとないものの2つの版（[[バージョン]]）がある。 ~~これは、動作するために最低128KBのマッパーRAMが要求されるからであった（作業領域として32KBのRAMをマッパーRAMから確保する）。~~ なお、MSX-DOS2のROMカートリッジの内容は[[MSX\|MSX turboR]]では本体に内蔵された。 59 ⟶ 58行目: == MSX-DOS以外のMSX用DOS == MSXにではMSX-DOS以外にも以下のOSが動作する(。開発年順)に列記する。 CP/M S-OS SWORD UZIX Contiki == 関連項目 ==

「MSX-DOS」の版間の差分