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'''骨髄移植'''(こつずいいしょく、{{lang-en-short|Bone marrow transplantation, BMT}})は、[[白血病]]や[[再生不良性貧血]]などの血液難病の患者に、提供者([[ドナー]])の正常な[[骨髄]]細胞を[[静脈]]内に注入して[[移植 (医療)|移植]]する[[治療]]である。骨髄移植に用いられる[[造血幹細胞]]は、末梢血からの回収PBSCTや臍帯血など、骨髄以外にも入手方法が多様化しているので、[[造血幹細胞移植]]と総称される。
[[Image:Bone marrow biopsy.jpg|350px|right|thumb|ドナーからの骨髄液採取、[[腸骨]]からの採取である。ただし写真はアメリカにおける事例である。通常は[[全身麻酔]]で行われる]]
 
[[免疫不全疾患]]、[[遺伝子異常]]による[[代謝異常疾患]]の患者に試みられる事もある。
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== 手術手順 ==
移植に先立って、患者の造血組織及び腫瘍化した細胞を根絶するため、致死量を超える大量の抗がん剤投与及び放射線照射が行われる。これを前処置といい、患者の造血機能を完全に破壊する為、その後必ず移植を行わないと患者は[[死亡]]してしまう。その上で、ドナーの骨髄液(造血幹細胞)を静脈から注入する。移植といっても、外科手術的操作は行わない。順調にいけば2週間ほどで輸注したドナーの造血幹細胞が生着し正常な血液を造り出すようになる。重度のGVHDが起これば生命に関わるが、適度であれば残存する腫瘍細胞をも攻撃し再発の可能性は低くなるので、免疫抑制の加減が重要である。全てが順調であれば移植後3ヶ月ほどで退院可能となる。が、移植自体が成功しても、病気の再発、または合併症で生命の危険にさらされる場合も多い。また、現在では患者の造血機能を完全に破壊しなくてもドナーの造血幹細胞が拒絶されないだけの免疫抑制をかければ移植された造血幹細胞は生着することが分かってきたので、いわゆる「'''ミニ移植'''」も行われるようになり、従来移植適応ではなかった患者にも移植が行われるようになってきている。
 
== 移植による血液型の変化 ==
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*自分の骨髄細胞を[[筋肉注射]]することで、[[閉塞性動脈硬化症]]の治療が行われている。骨髄中の血管内皮幹細胞の分化や血管新生ホルモン([[VEGF]]など)の産生が関与すると考えられ、[[心筋梗塞]]や[[脳梗塞]]への応用も考えられている。
*放射線[[被曝]]をした被曝患者への、現在とりうる最も有効な治療法でもある。もともと、骨髄移植は放射線障害への対処のために発案されたものである。
*非常に合併症や後遺障害のリスクが高い治療法であるので、[[クオリティ・オブ・ライフ|QOL]]に配慮した[[インフォームド・コンセント]]が重要である。
 
== 関連項目 ==