「リーク電流」の版間の差分

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Shigeru23 (会話 | 投稿記録)
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=== 原因 ===
リーク電流の最も大きな原因は[[量子力学]]で言う[[トンネル効果]]である。[[電気伝導体]]と[[絶縁体]]は巨視的サイズでは電流の流れに関して明らかに異なる挙動を示すが、原子の大きさの微視的サイズで見れば、本来電流が流れない絶縁体も量子論的効果によって電気が多少は流れるようになる。これは、電気伝導性物質内の[[自由電子]]の存在確率が微小範囲内で広がりを持つために、わずかながら周囲の絶縁体内へも染み出してしまうことで起きる。この存在確率は伝導性物質から離れるにしたがって減少するので、ある程度以上の厚みのある絶縁体ならば量子論的効果によってその外まで電気が流れる現象は起きないが、原子数個や数十個といったごく薄い絶縁体であれば自由電子の広がりが絶縁を越えて、外部の別の電気伝導性物質まで到達し、絶縁体越しの両者間に電流が流れることがある。この現象が微細な半導体素子内でで起きると、電子回路内での無用な電流の漏れとなって現われる。これがリーク電流である。電子が漏れ出す確率、言い替えればリーク電流の大きさは、伝導体間の距離が減少してゆくにつれて、つまり[[集積回路]]の微細化が進み、伝導体と伝導体が近づくに従って[[指数関数]]的に増大する<ref>例えば、デジタル半導体用のプロセスルールが65nmのゲート絶縁膜の厚みは2.0nm程度であって、シリコン原子の結晶配列の間隔が約0.2nmであることから、原子10個分程度の厚みであることがわかる。</ref><ref group="出典">佐野昌著、『帰路に立つ半導体産業』、日刊工業新聞社、2009年10月15日初版第2刷、ISBN 9784526061998</ref>。また、このような量子論的なリーク電流とは別に、絶縁膜が不良等で極度に薄いために膜の材質そのものが本来持つ抵抗値に従ってリーク電流が生じる場合もある。
 
=== 結果 ===