「冷却材喪失事故」の版間の差分

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'''冷却材喪失事故'''(loss-of-coolant accident、LOCA)は[[原子炉]]の事故の一形態。適切な対応がとられなかった場合、冷却材喪失事故は炉心の損傷をもたらす場合がある。原子炉の[[非常用炉心冷却装置]] (emergency core cooling system, ECCS) は、いずれも冷却材喪失事故への対処専用に設けられている。
 
==経過==
原子炉は内部で熱を発生させる。これを排熱し電力へ変換するため、[[冷却材]]を使ったシステムが使われる。この冷却材の流れが滞ったり全く失われた場合、原子炉の非常停止システムが[[核分裂反応|核分裂]]の[[連鎖反応]]を停止させることになっている。しかし、(その後も)[[放射性崩壊]]によって核燃料はかなりの熱を発生させ続ける。最大出力からシャットダウンした原子炉が生み出す{{仮リンク|崩壊熱|en|decay heat}}は、その時点で温度にして(最大出力の)約 5-65–6% に匹敵する<ref>{{cite web |title=DOE fundamentals handbook - Decay heat, Nuclear physics and reactor theory, vol. 2, module 4, p. 61 |url=http://www.hss.doe.gov/nuclearsafety/ns/techstds/standard/hdbk1019/h1019v2.pdf#page=125 |format=PDF|date= |work= |publisher= |accessdate=2 August 2009}}</ref>。非常用炉心冷却装置の独立した複数の冷却系がいずれも本来の機能を喪失した場合、この熱は燃料の温度を上昇させ、最後には炉を損傷させるだろう。
 
* 水が存在した場合、沸騰してパイプから噴出する場合がある。(このため[[原子力発電所]]は、圧力を利用した{{仮リンク|逃がし弁|en|relief valve}}と予備の冷却水を用意している。)
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* 原子炉によっては、そうした特殊な状況でメルトダウンを起こさないような設計、すなわち外部からの制御が無くとも非常時に自動シャットダウンできるような "passive nuclear safety" ([[:en:passive nuclear safety|en]]) が施されているものがある。例えば{{仮リンク|ペブルベット炉|en|pebble bed reactor}}は燃料の極端な一時的温度変化に対応できる。また[[CANDU炉]]は比較的低温・低圧の大量の水を二箇所に備えている。一方は重水の減速材、もう一方は軽水で満たされた被い付きのタンクで、それぞれ吸熱剤として作用する。
 
==対策==
原子炉は運転時、冷却材喪失や冷却システムに発生した[[ボイド]] (void) に応じ、(例えば水の沸騰などによって)外部からの制御が無くとも出力を増減させうる。これは[[ボイド係数]]を使って評価できる。近年の[[原子力発電所]]はボイド係数が負であり、すなわち水が蒸気になった途端に出力は低下する。ただしロシアの[[黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉]]とカナダの[[CANDU炉]]は例外である。一方、[[沸騰水型原子炉]]は炉容器の内部で蒸気の泡が発生する。
 
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{{Reflist}}
 
{{デフォルトソート:れいきやくすいそうしつしこ}}
[[Category:原子炉]]
[[Category:原子力事故]]