「きかんしゃ やえもん」の版間の差分

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『'''きかんしゃ やえもん'''』は、[[日本]]の[[絵本]]。作者は[[阿川弘之]](文)と[[岡部冬彦]](絵)。[[擬人化]]された古い[[蒸気機関車]]を主人公とする作品で、[[1959年]]に[[岩波書店]]より刊行された。小学校の[[国語 (教科)|国語]][[教科書]]に掲載されたり、[[影絵]]劇化、[[アニメ映画]]化されるなど、広く知られたロングセラーであり、2007年9月までに累計122万冊が売れ<ref>[[トーハン]]『ミリオンぶっく』2008年度版。</ref>、刊行から半世紀を経た2010年現在でも新品で入手可能である。
 
== ストーリー ==
{{ネタバレ}}
とある支線が通じる田舎の小さな機関庫に、「やえもん」という名の蒸気機関車がいた。やえもんは年寄り機関車で、今日も同じくらい年寄りの小さな客車を引いて、町の大きな駅との間を、行ったり来たりしている。ある日、町の駅に着いたやえもんは、電気機関車などに「びんぼうぎしゃ」と馬鹿にされ、「自分はまだまだ走れるのに」と、腹を立てたまま帰路についた。ところが、あまり腹を立てたために煙突から火の粉が吹き出し、それが線路わきの田んぼのわらに燃え移って、火事になってしまう。幸いすぐ消し止められたが、火事を起こしたやえもんに、まわりに住む人々はすっかり怒ってしまった。鉄道の職員たちはかばってくれたものの、人々の怒りはおさまらず、やえもんは走ることができなくなり、とうとう鉄くずにされることになってしまう。そんな時、運良く通りかかった博物館の人に引き取られ、交通博物館で保存されることとなった。
 
== 刊行の経緯 ==
1950年代当時、岩波書店は児童文学作品を刊行していたが、その多くは外国の作品であった。「岩波の児童書は翻訳ばかり」というイメージを払拭するために日本の絵本が企画され、その一つとして本作が生まれた<ref name="nakagawa">中川あゆみ「きかんしゃやえもん」([[大阪府立国際児童文学館]]ウェブサイト 「日本の子どもの本100選 1945年~1978〜1978年」)[http://www.iiclo.or.jp/100books/1946/htm/frame096.htm]</ref>。しかし、当時の岩波の児童書は他の出版社と比べて高価だったために、価格低減の工夫として多色刷りと二色刷を交互に使用したり、表紙見返しまで本文が記載されるといった造本がおこなわれた<ref name="nakagawa"/>。このうち表紙見返しへの印刷については、2001年の改版に際して通常の造本に改められている<ref name="nakagawa"/>。
 
== 内容に関して ==
*やえもんのモデルは[[国鉄150形蒸気機関車]](1号機関車)であるとされているが、作中では[[国鉄400形蒸気機関車]]に近い形状に描かれている。作画を担当した岡部は生前「物語のシチュエーションから熟考し、絵本のやえもんは明治の中頃イギリス製のSL蒸気機関車をお手本にして日本で作り、[[鹿島参宮鉄道]]などで使われていたものを、更にデフォルメして描いた」と証言していたことが伝えられている<ref>竹迫祐子「絵本、むかしも、いまも… 第37回」『子どもの本だより』([[徳間書店]])2003年7-8月号[http://www.hico.jp/ronnbunn/takesako/ehon37.htm]。厳密にこれに該当する機関車は存在しないが、400形の派生形の1つである870形(イギリスよりの輸入機)の1両が鹿島参宮鉄道で使用されたほか、同じく派生形の800形は[[参宮鉄道]]が[[汽車製造]]に発注して国内で製造されており、400形がデザイン上のモデルである可能性は高いと考えられる。</ref>。
*なお1号機関車が事情を知る元鉄道記者の青木槐三ら関係者の尽力により、最終的に当時の鉄道博物館(のちの[[交通博物館]])で保存されることとなったのは事実であるが、その過程の「煙害によって運行できなくなった」という下りと、「鉄くずにされる寸前に」という部分は本作のオリジナルである。150形は保存されることになった1930年当時、[[島原鉄道]]の1形機関車として現役で使用されており、同社社長の[[植木元太郎]]は[[鉄道省]](当時の国鉄および鉄道博物館の運営母体)の[[国鉄400形蒸気機関車|600形蒸気機関車]]656号機と交換することを条件に省への譲渡へ応じたほどである。
*本作に描かれている鉄道情景には、執筆された1959年当時の[[日本国有鉄道|国鉄]]の状況が反映されている。[[国鉄EF58形電気機関車|EF58形]]や[[国鉄EH10形電気機関車|EH10形]]、[[国鉄DD13形ディーゼル機関車|DD13形]]などといった機関車が明確にそれとわかる姿で描かれている。また、緑色の流線だけで描写されている特急列車は、車体を青緑色に塗装したことから「青大将」と呼ばれた当時の特急[[つばめ (列車)|「つばめ」・「はと」]]をモチーフにしていると考えられる。一方、[[レールバス]]は車体の色からオリジナルに近い[[デザイン]]に見えるが、窓配置などから恐らく[[国鉄キハ01系気動車|キハ02形]]をモデルにしたと思われる。
 
== 影絵劇版 ==
[[1970年]]、[[劇団かかし座]]により初演<ref>「[http://www.kakashiza.co.jp/pages/pages1/rekisi2.html 劇団かかし座の歴史]」 劇団かかし座</ref>。語りは[[熊倉一雄]]<ref>「[http://www.kakashiza.co.jp/pages/eizou/yaemon.html きかんしゃやえもん]」 劇団かかし座</ref>。本作でのやえもんの姿は原作絵本とは異なり、北海道の[[幌内鉄道]]が導入したことで知られる[[国鉄7100形蒸気機関車]]に近い。
 
なお、後述のアニメ版とは異なり、物語中のセリフも含め、内容的なアレンジはほとんど無く、原作に忠実な形で映像化されている。
 
== アニメ版 ==
=== 東映まんがまつり ===
[[SLブーム]]だった[[1974年]]に、主人公を[[国鉄D51形蒸気機関車|D51形]]に変更し、脇役に[[新幹線0系電車|新幹線]]を据えるなど、大幅にアレンジした形でアニメ映画化された。
*カー助 - [[二又一成]]
:やえもんに住み着きマウやスーの友達のカラス。
*ディム - [[石井康嗣]]
:やえもんをいじめる悪いやつ
*フック - [[前田剛]]
:クレーン列車 お調子モノ
 
*ナレーション - [[土井美加]]
 
== 外部リンク ==
* [http://www.anime-matsuri.com/ とびだす!3D東映アニメまつり公式サイト]
* [http://www.toei-video.co.jp/DVD/sp21/cg.html CG東映アニメまつりDVD告知]
 
== 出典・脚注 ==
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