「サンス・パレイル (戦艦)」の版間の差分

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'''サンス・パレイル''' ('''HMS Sans Pareil''') は、[[ヴィクトリア朝]]時代の[[イギリス海軍]]の[[戦艦]]。2隻のみの[[ヴィクトリア級戦艦]]の2番艦。名前は[[フランス革命戦争]]時代にフランスから捕獲した[[戦列艦]]の艦名に拠る。
 
== 概要 ==
本艦の設計要素を決定するにあたり、海軍本部が要求したのは、主砲の露砲塔([[バーベット]])装備から[[砲塔]](ターレット)装備への復帰であった。サンス・パレイルは姉妹艦ヴィクトリアよりわずかに遅れて竣工したため、イギリス史上最後の、主砲塔を1基しか持たない戦艦となった。
 
可能な限り[[口径]]の大きい主砲を装備したいという要望と、先行する[[アドミラル級戦艦]]のほとんどに装備された343 mm(13.5インチ)砲のウールウィッチ工廠での生産の遅れが、主砲口径の選択に影響した。同じ理由から、アドミラル級の最後の戦艦[[ベンボウ (装甲・初代)|ベンボウ]]は同級の他の艦よりも大きな口径の砲を(バーベット式に)装備した。大口径砲の採用と、ターレットがバーベットより重いという事実から、海軍本部の要求する[[排水量]]の範囲内では、(ベンボウのように)2門の砲を前部と後部に分けて配置することは不可能となった。その結果、2門とも一つの砲塔に納められ、上構の前方に置かれることとなった。後方への火力不足に対しては、軽度の装甲を施した254 mm(10インチ)砲1門が上構の後部に装備された。この主砲は、500ポンドの重量の砲弾を毎秒620 m(2,040フィート)の初速で発射することが可能であり、理論上、1,000ヤード(910 m)の距離から518 mm(20.4インチ)の鉄板を撃ち抜くことができた。
 
一方、エルズウィック工廠での413mm(16.25インチ)砲の製作にも遅れが生じており、実際、アドミラル級とサンス・パレイルの起工から完成までの期間は、ほとんど同じだった。