「コスモポリタニズム」の版間の差分

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'''コスモポリタニズム'''(cosmopolitanism)全世界の人々を自分の同胞ととらえる思想。'''世界市民主義'''・'''世界主義'''とも呼ばれる。コスモポリタニズムに賛同する人々を'''コスモポリタン'''と呼ぶ。
 
== 概要 ==
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現在この構想に最も沿っていると考えられる組織は[[欧州連合|EU]]だが、EUはあくまでヨーロッパ圏内の統合を目指すものとされており、今後EUがヨーロッパ圏を越えて他地域まで拡張するかどうかは未知数である。さし当たってトルコの加盟が一つの試金石になると推測される。もう一つの著名な準世界国家はアメリカであり、事実上世界政治に最も実行力を持つ政府である。しかしアメリカは伝統的には[[モンロー主義]]に代表される内向き・[[地域主義]]志向が強く、第一次世界大戦でモンロー主義から脱却した後も孤立主義的行動をしばしば採っている。
 
過去において最もコスモポリタニズムを指向した国家は[[ソビエト連邦]]であろうともいわれる。[[ロシア革命]]を起こした[[ボリシェヴィキ]]は、ロシア革命を[[世界革命論|世界革命]]の発端として考えていた。しかし、ソ連が期待していた西欧諸国での革命は起こらず、ソ連も[[ヨシフ・スターリン|スターリン]]が実権を握った後は[[一国社会主義論|一国社会主義]]に傾き、コスモポリタニズム的な[[永続革命論]]を唱えた[[レフ・トロツキー|トロツキー]]は追放された。
 
[[帝国主義]]もある意味では世界国家を目指す動きであるともいえる。帝国主義はしばしば普遍的理想を掲げるが、その統合のやり方が「世界の人々を同胞として捉える」のではなく、特定の国家や民族が絶対的優位に立つ統合であるため、通常コスモポリタニズムとは呼ばない。