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'''アルス・スブティリオル'''(Ars subtilior)は、[[中世西洋音楽]]で[[14世紀]]後半から[[15世紀]]初頭に見られたフランスおよび北イタリアの歌曲様式である。
 
アルス・スブティリオルとは、「より繊細な技法」を意味し、[[ギヨーム・ド・マショー]]らの[[アルス・ノーヴァ]]の様式を徹底的に発展、洗練させたもので、複雑で難解な様相を持つ音楽である。その多くは、奇妙な雰囲気が漂う不思議な音楽である。この様式が生まれたのは、フランスでは[[教会大分裂]]([[シスマ]])の頃、様々な権力の対立が見られ、[[オスマン帝国]]の侵入、[[黒死病]]の大流行など、多くの社会不安があるという時代であった。音楽史上、これ以上に複雑な音楽が見られた時期は20世紀までなかったことから、「14世紀の[[前衛音楽]]」「14世紀の[[アヴァンギャルド]]」とも呼ばれる。アルス・スブティリオールの音楽は、一部の音楽家たちの探求と実験に終わり、次にくる[[ルネサンス音楽]]に直接引き継がれることはなかったが、その難解な音楽体系からベースラインの必要性を喚起し、その後[[ギヨーム・デュファイ]]らにより根音を含む4声体のスタイルが導き出されることとなった。またその複雑な音楽が生まれた背景には記譜法の発展があり、楽曲を構築する上で譜面が重要なツールとして台頭してきたという点でも特筆すべき時代である。
 
代表的な作曲家には、[[マッテオ・ダ・ペルージャ]]、[[ジャコブ・ド・サンレーシュ]]、[[アントネッロ・デ・カゼルタ]]、[[フィリップス・ダ・カゼルタ]]、[[ヨハンネス・チコーニア]]、[[ソラージュ]]、[[ヤーコポ・ダ・ボローニャ]]、[[ロレンツォ・ダ・フィレンツェ]]、[[マルティヌス・ファブリ]]がいる。 [[シャンティー写本]](Codex Chantilly)が有名である。
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== 後世への影響 ==
アルス・スブティリオールの音楽は、一部の音楽家たちの探求と実験に終わり、次にくる[[ルネサンス音楽]]に直接引き継がれることはなかったが、その難解な音楽体系からベースラインの必要性を喚起し、その後[[ギヨーム・デュファイ]]らにより根音を含む4声体のスタイルが導き出されることとなった。またその複雑な音楽が生まれた背景には記譜法の発展があり、楽曲を構築する上で譜面が重要なツールとして台頭してきたという点でも特筆すべき時代である。
また、この時代のリズムの可能性を現代フランスの作曲家[[ブリス・ポゼ]]は、現代の記譜法で蘇らせる試みをいくつかの作品で行っている。その結果、楽譜は真っ黒である。
 
[[Category:中世西洋音楽|あるす すふていりおる]]