「イヴ」の版間の差分

ヘブライ・アラビア語を英語版からコピペ、サーペント→蛇、他
(ヘブライ・アラビア語を英語版からコピペ、サーペント→蛇、他)
|children = [[カイン]]<br />[[アベル]]<br />[[セト]]<br />その他
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'''イヴ'''(Eve、ヘブライ語:{{lang-he|חַוָּה}} Ḥawwāhアラビア語:{{lang-ar|حواء}})は、[[ヘブライ旧約聖書]]に登場すと、[[神]]が創造した2番目の人間で、最初の女性である。[[ユダヤ教]]、[[キリスト教]]、[[イスラム教]]で重要な人物とされている。夫は[[アダム]]で、神はアダムの[[肋骨]]からイヴを作った。彼女は[[サーペント]]の誘惑に負け、神の命令に逆らって[[知恵の木]]の[[禁断の実]]をアダムとともに食べてしまった。その結果、彼女達は[[エデンの園]]を追放され、[[原罪]]を受けた。
 
==名前と起源==
6世紀に、東方からヨーロッパに伝わったイスラエルの書物『[[ベン・シラのアルファベット]]』によると、イヴではなく[[リリス]]がアダムと同時に同じ塵から作られ、アダムの最初の妻となったとされている。さらにリリスは平等を要求し、性交時にアダムの下になることを拒否したと記述されている。アダムが彼女を自分の下にしようとすると、彼女はエデンから空に逃亡し、そこで悪魔と性交して妊娠し、1日に100人以上の子を産んだ。神は3人の天使を遣わせ、天使は彼女がアダムの元に帰ることを拒否すれば子供を殺すと脅した。しかしリリスは拒否したため、神はアダムの肋骨からイヴを作り、アダムの後妻とした。
 
[[ファイル:BibliaPauperum.jpg|thumb|upright|left|イヴとサーペントを描いた聖書の挿絵]]
[[解剖学]]的に男女の肋骨の数は同じ24本である。この事実は1524年に[[フラマン人]]の解剖学者[[アンドレアス・ヴェサリウス]]によって指摘され、創世記の記述と矛盾するために大きな議論を巻き起こした。
 
この話のモチーフとして、女神[[ニンフルサグ]]が[[ディルムン]]の中に野菜や果物が繁るエディヌという美しい庭園を造ったとする[[メソポタミア神話|シュメール神話]]を起源としているという主張もある<ref>Kramer, Samuel Noah: "History Begins at Sumer: Thirty-Nine "Firsts" in Recorded History" (1956)
</ref>。ニンフルサグは夫の[[エンキ (メソポタミア神話)|エンキ]]に野生動物の制御と庭園の手入れを担当させたが、エンキは庭園と手伝いの[[アルリム]]について知りたがった。アルリムは7つの植物を選んでエンキに差し出し、エンキはそれらを食べた。このことでニンフルサグが激怒し、彼女はエンキを病気にした。エンキは肋骨に痛みを感じたが、シュメール語で"ti"は「肋骨」と「生命」の両方を意味する。別の神がニンフルサグをなだめ、怒りは収まった。ニンフルサグはエンキを治療するためにニンティという女神を作った。"Nin"は「女」という意味で、"Ninti"は「肋骨の女」または「生命の女」という意味である。ニンフルサグは全ての生物の母として知られ、イヴと同じ位置を占める。この話はアダムの肋骨からのイヴの創造の話と重なっているが、「肋骨」と「生命」が同じ単語で表されるのはシュメール語
 
===誘惑、堕落、園からの追放===
[[ファイル:France Paris Notre-Dame-Adam and Eve.jpg|thumb|right|200px|アダムとイヴとサーペントを描いた[[ノートルダム聖堂]]の入り口にあるレリーフ]]
サーペントは女性に、木の果実を食べても死なないことを告げた。「あなたが食べると、あなたの目は開き、善悪を知って神のようになれる。」<ref>[http://etext.virginia.edu/etcbin/toccer-new2?id=RsvGene.sgm&images=images/modeng&data=/texts/english/modeng/parsed&tag=public&part=3&division=div1 Genesis 3]</ref>それで女性は食べ、男性にも渡し、男性も食べた。「すると2人の目は開き、彼らは自分が裸であることを知った。彼らはいちじくの葉を縫って体につけた。」男性と女性は神から隠れ、男性は果実を渡したことで女性を非難し、女性はサーペントを非難した。神はサーペントを呪い、「おまえの一生の毎日、腹で進め、塵を食べろ。」と言った。女性には子供を産むこととそれに伴う痛みの罰を与えて男性に服従させ、「おまえの望みはおまえの夫のものだ。そして彼はおまえを支配する。」と言った<ref>This (Gen.3:17) is the point at which Adam is first used as a proper name.</ref>。そしてアダムには人生を通した労働の罰を与え、「顔に汗をかくことで、地面に戻るまでパンを食べることが出来る。」と言った。男は妻をイヴと名付けた<ref>Hebrew Havva, "life".</ref>。「なぜなら彼女は全ての生物の母だからだ。」
 
「見よ。」と神は言った。「男性は善悪を知る我々の1人のようになった。」神は2人をエデンの園から追放し、「彼が[[生命の樹|命の木]]にも手を伸ばして食べ、永遠の生命を得るといけないから。」エデンの園の門は[[智天使]]と[[炎の剣]]によって閉ざされた。
『[[ミドラーシュ]]』や 『ベン・シラのアルファベット』では、この女性はアダムの下の位置での性交を嫌がり逃げたため、アダムは孤独になってしまったとされている。この最初の女性の名前は『ミドラーシュ』ではリリスとされ、他では夜の悪魔として描かれる。
 
''liyliyth ''という単語は、[[欽定訳聖書]]の[[イザヤ書]]34章14節でも翻訳されているように、[[アメリカオオコノハズク]]も意味するが、『[[タルムード]]』で述べられる悪魔の実体と同じものだとする解釈もある。
 
『タルムード』では、アダムはイヴと130年間離れており、その間、彼の[[射精]]は「悪鬼や悪魔」を産みだしたとされる。別の箇所では、リリスは悪鬼や悪魔の母親であるとされている。悪魔は[[割礼]]前の生まれた男児を犠牲にしたということから、新生児の首のお守りの[[アミュレット]]をかける伝統が生まれた。『ミドラーシュ』で記述されるリリスとその性欲は、シュメール神話の悪魔''ki-sikil-lil-la-ke''と対比され、名前の''lil-la-ke''の部分は、「女性の夜の悪魔」を意味する''lilitu''が崩れたものだとされる。
 
===キリスト教===
キリスト教ではイヴはしばしば性的誘惑の例として用いられるが、ユダヤ教ではこの役割はリリスが担っているため、見られない特徴である。さらにイヴを誘惑したサーペントは[[サタン]]と解釈されることが多いが、『[[モーセ五書]]』では触れられていない。この主題を扱った書物は、ギリシア、ローマ、スラボニア、シリア、アルメニア、アラビア等にある。それらは間違いなくユダヤ教にまで遡っているが、現在に伝わる形では全体がキリスト教化されている。最も古く、ほとんどの部分がユダヤ教に基づくのは''Primary Adam Literature''である。その他に、''Conflict of Adam and Eve with Satan''<ref>translated from the Ethiopic (1882) by Malan. This was first translated by Dillmann (''Das christl. Adambuch des Morgenlandes'', 1853), and the Ethiopic book first edited by Trump (''Abh. d. Münch. Akad.'' xv., 1870-1881)</ref>やシリア語の''Cave of Treasures''<ref>''Die Schatzhöhle'' translated by Carl Bezold from three Syriac MSS. in 1883 and subsequently edited in Syriac in 1888</ref>がある。
 
イヴはアダムに生命の木の実を食べるよう唆したため、初期の[[教父]]は彼女やそれに続く女性を最初の罪人とし、特に堕罪はイヴの罪によるものとした。彼女はまた「悪魔の槍」、「不道徳の道」、「サソリの針」、「嘘の娘」、「地獄の監視員」、「平和の敵」、「最も危険な野獣」等とも呼ばれた。2世紀初頭に[[テルトゥリアヌス]]は女性の聴衆に対し、「お前は悪魔の門だ。」と言ったと言い、続けて全ての女性はキリストの死に対する責任があるからだと説明したという<ref>[http://www.tertullian.org/anf/anf04/anf04-06.htm Tertullian, "De Cultu Feminarum", Book I Chapter I, ''Modesty in Apparel Becoming to Women in Memory of the Introduction of Sin Through a Woman'' (in "The Ante-Nicene Fathers")]</ref>。このように、イヴは世界に悪魔を放った[[ギリシア神話]]の[[パンドラ]]と同等と見なされている。
[[エレーヌ・ペイゲルス]]によると、[[アウグスティヌス]]は、人間を原罪に繋がる堕罪に永遠に怯える者と捉える自身の独特の見方を、イヴの罪のせいにしたと伝えられる。
 
キリスト教絵画におけるイヴは、その大部分がアダムを誘惑する女として描かれるが、ルネッサンス期にはさらに、エデンの園のサーペントもイヴと同じ女性の顔を持って描かれることがしばしばあった。
 
1人の男性に1人の女性が与えられるアダムとイヴの話では、[[一夫一婦制]]が示唆されているという主張もある。
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