「トロンボーン」の版間の差分

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m fmt、Tボーン
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===音域による分類===
*;ピッコロトロンボーン
*;:ピッコロトロンボーンは、テナートロンボーンより2オクターブ高い調節を持ち、管長はピッコロトランペットと同じである。非常に珍しい楽器で、使われる機会はめったにない。
*;ソプラノトロンボーン
*;:ソプラノトロンボーンは、テナートロンボーンよりも1オクターブ高い調性を持ち、変ロ調のトランペットと同じである。そのため、トロンボーンというよりはスライド式のトランペットといった趣だが別の楽器である。スライドトランペットに比べると[[マウスピース (楽器)|マウスピース]]やベルが大きく、音色もより太く暖かい。現代ではあまり使われない。
*;アルトトロンボーン
*;:アルトトロンボーンは、テナートロンボーンよりも小ぶりで、標準的には4度高い調性を持つE♭管である。5度高いF管、さらにはD管の楽器も存在する。1つの追加のバルブを持つものもある。
*;テナートロンボーン
*;:テナートロンボーンは、最も単純なトロンボーンであり、単に「トロンボーン」と言えばこの楽器を指すことが多い。(各部位の名称は画像参照)
*;テナーバストロンボーン
*;:テナーバストロンボーンは、テナートロンボーンに1つの追加のバルブを持たせた楽器のひとつの通称であり、一般的にはテナートロンボーンとして扱われる。
*;[[バストロンボーン]]
*;:バストロンボーンは、テナーやテナーバスのそれらよりもやや大ぶりな楽器であり、より太い管とより大きな朝顔を持ち、1つまたは2つの追加のバルブを備える。調性は同じである。
*;コントラバストロンボーン
*;:コントラバストロンボーンは、テナーやテナーバス、バスのそれらよりも3度から5度低い調性を持った楽器で、長いスライドを操作するためのハンドルを備える。また、二重のスライドを持つ1オクターブ低い変ロ調の楽器を指すこともある。混乱を避けるために、前者は時に「F管バストロンボーン」と呼ばれる。現代ではあまり使われない。
*;:これに非常に近い楽器として、スライドの替わりに3つ~5つのバルブを備えた「チンバッソ」(Cimbasso)と呼ばれるF管の特殊なものも存在する。
 
===機構による分類===
*;バルブトロンボーン
*;:バルブトロンボーンは、音程を変えるための機構として、スライドではなく現代の他の金管楽器と同様に3つのバルブを備えたものである。このバルブは現代ではピストン式が多いが、ロータリー式のものも存在する。その他の外見は一般的なトロンボーンに近い。スライド式の楽器と同様に色々な音域のものがある。19世紀前半の金管楽器のバルブ機構の発明に合わせて誕生したため、19世紀のクラシック音楽作品ではロッシーニ、ヴェルディなどイタリアの作曲家のほかブラームス、ブルックナーらの作品にもこの楽器を想定して書かれたと思われるものは多い。19世紀中盤・後半以降から省みられなくなったが、その後ジャズなどポピュラー音楽の世界でも使われるようになり、クラシック界でも20世紀終盤以降は再び使用が試みられるようになった。他に特殊な楽器としては、アドルフ・サックスが考案したもので6つのバルブを持つ楽器もかつて存在し、これは各バルブがスライドの各ポジションに対応しているもので、トロンボーンの名は持つが全く別のものに見える。
[[画像:Puzon3.jpg|バルブトロンボーン写真]]
 
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===特殊なトロンボーン===
*;チンバッソ
*;:イタリアの[[バルブ・トロンボーン]]の系を引きずるが、音域は[[コントラバス・トロンボーン]]や[[チューバ]]と同じで主として[[ヴェルデイ]]や[[プッチーニ]]の[[イタリア・オペラ]]でチューバの代わりとしてお馴染みである。[[ロータリー・ヴァルヴ]]でTrombone・BassoやTrombone・Contrabassoと書いてあっても普通はこのイタリアのチンバッソを用いる。ドイツの[[コントラバス・チューバ]]は強奏でもなかなか綺麗に割れないため、イタリアオペラでのカトリック的な悪魔的表現に適さないので代わりに使われたのだろうと言う説がある。
*;スーパーボーン
*;:ピストンとスライドの両方を備えた特殊なトロンボーン。通常左手でピストン、右手でスライドを操作する。トランペット奏者のメイナード・ファーガスンが考案した。
*;マーチングトロンボーン
*;:外見はトロンボーンというよりは大型の[[コルネット]]、あるいは前方に構える[[ユーフォニアム]]の様である。スライドではなくバルブを備え、マーチングや屋外のパレードなどで使用される。
 
===歴史上のトロンボーン類縁楽器===
*;サックバット
[[Image:Saqueboute.jpg|thumb|サックバット]]
*;:テナートロンボーンと酷似しているが全体にベルが小さく、ベルの開き方も比較的ゆるやかである。現代のトロンボーンよりずっと軽量で、大きな音は望めないが柔らかな音色を持ち、小編成の合奏や合唱とのアンサンブルに向く。
*;ビュサン
*;:ベル自体が龍の頭をかたどった形をしている。19世紀に考案され、フランスやベルギーで使われた。
 
==歴史==
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==トロンボーンのために書かれた音楽作品の例==
*ワーゲンザイル アルトトロンボーン[[協奏曲]](現存する最古のトロンボーン協奏曲だと考えられている。)
*:現存する最古のF・ダヴィッド (Ferdinand David) トロンボーン協奏曲だと考えられている。 変ホ長調
*:A・ギルマン (Alexandre Guilmant) 小協奏曲作品88(元はオルガン曲からの編曲作品だが、主要なレパートリーとして普及している。
*F.ダヴィッド(Ferdinand David)トロンボーン協奏曲 変ホ長調
*A.ギルマン(Alexandre Guilmant)小協奏曲作品88
*:元はオルガン曲からの編曲作品だが、主要なレパートリーとして普及している。
*[[パウル・ヒンデミット|ヒンデミット]] トロンボーンのための[[ソナタ]]
*[[ニコライ・リムスキー=コルサコフ|リムスキー=コルサコフ]] トロンボーンと[[吹奏楽]]のための協奏曲
*E・ブロッホ トロンボーンと[[管弦楽]]のための[[交響曲]]
*J.デメイ トロンボーン[[協奏曲]]「Tボーンコンチェルト」
*B.アッペルモント トロンボーン[[協奏曲]]「カラーズ」
*吉松隆 トロンボーン[[協奏曲]]「オリオン・マシーン」