「貧乏神」の版間の差分

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{{Otheruses|[[日本]][[]]|[[落語]]|貧乏神 (落語)}}
'''貧乏神'''(びんぼうがみ)は、取りついた人間やその家族を[[貧困]]にする[[神]]。[[日本]]各地の[[昔話]]、[[随筆]]、[[落語]]などに名が見られる<ref name="youkaijiten">{{Cite book|和書|author=[[村上健司]]編著|title=妖怪事典|year=2000|publisher=[[毎日新聞社]]|isbn=978-4-620-31428-0|pages=292-293頁}}</ref>。
 
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== 古典 ==
===兎園小説===
* [[曲亭馬琴]]らによる[[江戸時代]]の奇談集『[[兎園会|兎園小説]]』により「窮鬼(きゅうき)」
 
{{Indent|[[文政]]4年([[1821年]])、江戸番町に年中災い続きの家があり、その武家に仕える男があるときに用事で草加へ出かけ、1人の僧と知り合った。男が僧に、どこから来たのかと尋ねると、今まで男の仕えていた屋敷にいたとのことだった。男はその僧を屋敷で見たことがないと告げると、僧は笑いながら「あの家には病人が続出しているが、すべて貧乏神である私の仕業だ。あの家は貧窮極まった状態なので、ほかの家へ行く。今後、あなたの主人の運は上を向く」と言って姿を消した。その言葉通り、その後、男の仕える家は次第に運が向いてきたという<ref>{{Cite book|和書|author=[[曲亭馬琴]]他|editor=[[柴田宵曲]]編|year=1961|title=随筆辞典|publisher=[[東京堂出版|東京堂]]|volume=第4巻|pages=137-139頁|chapter=[[兎園会|兎園小説]]}}</ref>。}}
 
* ===譚海===
[[津村淙庵]]の随筆『譚海』
 
{{Indent|昔ある者が家で昼寝していると、ぼろぼろの服の老人が座敷に入って来る夢を見て、それ以来何をやってもうまくいかなくなった。4年後、夢の中にあの老人が現れ、家を去ることを告げ、貧乏神を送る儀式として「少しの焼き飯と焼き[[味噌]]を作り、おしき(薄い板の四方を折り曲げて縁にした角盆)に乗せ、裏口から持ち出し川へ流す」、今後貧乏神を招かないための手段として「貧乏神は味噌が好きなので、決して焼き味噌を作らない。また生味噌を食べるのはさらに良くないことで、食べると味噌を焼くための火すら燃やせなくなる」と教えた。その通りにして以来、家は窮迫することがなくなったという<ref>{{Cite book|和書|author=[[津村淙庵]]|title=随筆辞典|volume=第4巻|pages=374-375頁|chapter=譚海}}</ref>。}}
 
* ===日本永代蔵===
[[井原西鶴]]『[[日本永代蔵]]』により「祈る印の神の折敷」
 
{{Indent|嫌われ者の貧乏神を祭った男が、七草の夜に亭主の枕元にゆるぎ出た貧乏神から「お膳の前に座って食べたのは初めてだ」と大感激されて、そのお礼に金持ちにしてもらったという話である。また、かつて[[江戸]]の[[小石川]]で、年中貧乏暮しをしていた旗本が年越しの日、これまでずっと貧乏だったが特に悪いことも無かったのは貧乏神の加護によるものだとし、酒や米などを供えて貧乏神を祀り、多少は貧窮を免れて福を分けてもらうよう言ったところ、多少はその利益があったという<ref name="youkaijiten"/>。}}
 
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{{DEFAULTSORT:ひんほうかみ}}
[[Category:日本の妖怪]]
[[Category:日本の神]]
[[Category:時間と運命の神]]
[[Category:貧困]]
 
[[en:Binbōgami]]