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'''海上公試'''(かいじょうこうし)とは、[[船舶]][[建造]]の最終段階で行う[[性能]][[試験]]のこと。[[改装]][[工事]]などで性能に変化があった時も行われる。船舶が全てにおいて所定の性能を有するか否かを確認する、いわば最終テストである。'''海上公[[試運転]]'''、'''公試運転'''、または単に'''公試'''とも呼ばれる。一般[[商船]]の場合は通常数日で終了するが、大型[[艦艇]]の場合は数ヶ月に渡り延べ30日以上の海上公試を行う場合もある。その後最終[[艤装]]や仕上げ[[塗装]]を行い就役となる。
 
海上公試は、船の性能を調べる'''艦船公試'''と搭載[[兵器]]の性能を調べる'''武器公試'''([[軍艦]]などの場合)に大別される。
 
== 艦船公試 ==
艦船公試では、旋回試験、[[速度|速力]]試験、クラッシュ・ストップ・アスターン試験、その他各種[[計器]]のテストなどが行われる。
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=== 旋回試験 ===
旋回性能、[[保針]]性能を調べる。
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=== 速力試験 ===
[[エンジン]]出力を段階的に変化させその時の船の速度を計測する試験。一定の距離を[[]]を切らずに直線で通過し速度を計測する。[[]][[潮流]]の影響を排除するため同一区間を数往復しその[[平均::をとる。[[1960年代]]までは1[[海里]]の間隔で設置された[[航路標識|標柱]][[東京湾]]口の[[館山市|館山]]沖など)の間を直進してその通過時間から速力を求めていた。[[海上交通]]の混雑が激しい現在では任意の地点で直線航行し、航跡記録から速力を求める方式が主流となっている。
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==== [[大日本帝国海軍|日本海軍]] ====
東京湾口にある館山沖標柱間、[[宿毛]]湾外沖ノ島標柱間などで2往復して記録をとる。通常は4/10全力、6/10全力、8/10全力、10/10全力、[[過負荷]]全力を2日程度に分けて行った。
-->
=== クラッシュ・ストップ・アスターン試験 ===
エンジンを全速前進から停止、[[中立#機械|中立]]、全速後進とし、船を急停止させるテスト。エンジン壊れることを覚悟で急停止しなければならない場面を想定してのテストなのでクラッシュ~の名が付いている。ちなみにアスターンは後進、船尾、船尾方向の、と言う意味で、後進を指す
 
== 武器公試 ==
例)日本海軍では「兵装公試」と呼び、以下の項目があった。
* [[大砲|砲熕]]兵装公試:砲熕公試
* 発煙兵装公試:発煙器公試、
* [[光学機器|光学]]兵装公試:[[潜望鏡]]公試、[[測距儀]]公試、他
* [[魚雷]]兵装公試:発射管公試、空気[[圧縮機|圧縮ポンプ]]公試
* [[機雷]]兵装公試:機雷敷設装置公試、妨掃具敷設公試
* [[掃海]]兵装公試:大掃海具曳航装置公試、防雷具敷設装置公試
* 対[[水艦|潜]]兵装公試:[[対潜迫撃砲|投射機]]公試、他
* [[水中]]測的兵装公試:探信儀公試、[[ソナー|水中聴音機]]公試
* [[航海]]兵装公試:[[羅針儀]]公試、航跡自画装置公試
* [[無線]]兵装公試:[[送信機]]公試、[[受信機]]公試、他
* [[電気]]兵装公試:[[発電機]]公試、[[探照燈]]公試、他
* [[航空]]兵装公試:[[カタパルト|射出機]]公試、[[飛行機]]([[艦載機]])[[航空母艦#着艦装置|着艦装置]]公試
 
== 参考文献 ==
* 日本造船学会『昭和造船史 第1巻』([[原書房]]、1981年)
 
== 外部リンク ==