「素朴実在論」の版間の差分

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「本当の実在はあちら側の世界にあり、こちらの世界はみかけにすぎず摸造だ 」とするこのプラトニズムの世界観は、一方では現在の[[スピリチュアリズム]]の考えともつながっている。またその一方で、このプラトニズムが結果として数理的に自然を把握しようとする西洋の[[科学]]をもたらすことになった、と指摘する科学史家もいる。(<small>[[カール・ポパー]]が提示した「数理的な《世界3》が実在し、我々の世界はその《世界3》が投影されたものだ」という考え方も、このプラトニズムの系譜に属すると指摘されてもいる。なおポパーの《世界3》という考え方は[[ロジャー・ペンローズ]]も支持している。</small>)
 
また西欧哲学においては、我々が感じている内容を[[現象]]と呼び、それについて考察してきた。[[デイヴィッド・ヒューム|ヒューム]]は懐疑的にとらえ、我々が感覚器でとらえていることは客観性とは繋がり得ないと見なした。[[イマヌエル・カント|カント]]は、現象は《物自体》と対比され、現象というのは物自体と主観との共同作業によって構成されるものだとし、人は現象が構成される以前の《物自体》を認識することはできない、とした。[[エトムント・フッサール|フッサール]]は[[現象学]]を創始した。
 
素朴実在論を改変・改良した考え方としては他に、「世界は現に存在しているが、しかしその世界は必ずしもそのすべての点において私たちに見えているとおりのものとは限らない」とする批判的実在論がある<ref>ルック・チオンピ『基盤としての情動: フラクタル感情論理の構想』</ref>