「パピルス」の版間の差分

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en:Cyperus papyrus 2011年4月12日 (火) 22:53 参考に若干加筆、分割提案
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{{otheruses|パピルス}}
{{分割|カミガヤツリ|date=2011年4月}}
[[Image:Plato-Alcibiades.jpg|thumb|280px|[[プラトン]]の著作を記した写本<!--時代不祥。小文字なのでだいぶ後だと思う-->]]
'''パピルス'''(Papyrus)は、[[カヤツリグサ科]]の植物である。の1種、また、こはその植物の地上茎の内部組織(髄)から作られる、[[古代エジプト]]で使用された文字の筆記媒体のことも指し(区別のためそれぞれ、'''パピルス草'''・'''パピルス紙'''とも呼ばれる)「紙」を意味する[[英語]]の「paper」や[[フランス語]]の「papier」などは、「papyrus」に由来する。ただし、パピルス紙は一度分散した繊維を絡み合わせ膠着させてシート状に成形したものではないため、正確には[[紙]]ではない。
 
== 植物のパピルス ==
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| 属 = [[カヤツリグサ属]] ''[[:w:Cyperus|Cyperus]]''
| 種 = '''パピルス''' ''C. papyrus''
| 学名 = ''Cyperus papyrus'' {{AU|L.}}
| 和名 = カミガヤツリ、カミイ
| 英名 = Papyrus sedge/[[:en:Cyperus papyrus|Cyperus papyrus]]
}}
 
'''パピルス'''(和名:'''カミガヤツリ'''、'''カミイ'''、学名:''[[:en:Cyperus papyrus|Cyperus papyrus]]'' L.)は、[[カヤツリグサ科]][[カヤツリグサ属]]の多年生の草本。アフリカ奥地の湖や河畔の浅い緩やかな流れの中に繁茂し、4-5mほどの高さになる。茎の断面は三角形で、最大6cmほどの太さになる。通常、[[球根|根茎]]([[地下茎]])によって増殖する
 
=== 歴史分布 ===
パピルスは中央アフリカのナイル源流付近の原産である。現在でも、[[コンゴ]]、[[ウガンダ]]、[[スーダン]]、[[エチオピア]]、[[シチリア島]]、[[歴史的シリア|シリア地方]]のそれぞれ一部地域にてパピルスの自生が確認されている。
 
=== 特徴 ===
アフリカ奥地の湖や河畔の浅い緩やかな流れの中に繁茂し、4-5mほどの高さになる。茎の断面は三角形で、最大6cmほどの太さになる。通常、[[塊茎]]([[地下茎]])によって増殖するが、晩夏に緑がかった茶色の花房をつけ、ナッツのような形をした茶色い果実も形成する。
 
熱帯や亜熱帯の地域に生育しており、乾燥した砂漠から湿度の高い熱帯雨林にまで広く適応することができる。通常、一年中気温が20-30度で、pHが6.0-8.5程度の環境に生育している。
 
=== 歴史、人間とのかかわり ===
[[エジプト]]には、洪水の際に上流から[[ナイル川デルタ]]地帯に流れてきた株が自生していた。それを人手をかけて栽培し、記録のための媒体はもちろん儀式祭礼用品や履き物のような生活雑貨、綱、舟の帆や舟そのものの材料として、また若い茎や根を食料としても利用していたものである。そのためエジプトの[[キリスト教]]化や、中国からの製紙法の渡来により需要が少なくなるとともに、自然にナイル下流部からは消滅した。現在、エジプトにおいてパピルスは観賞用として栽培されている。
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またパピルスは土壌中の窒素やリンを吸収する能力が高く、富栄養化したため池などの水質浄化に利用することができるとされている<ref>水田一枝 , 阿部薫 , 尾崎保夫 (1998) 「有用植物による汚水中の窒素・リンの浄化機能およびその遮光による影響」日本作物學會紀事 67(4), 568-572 [http://ci.nii.ac.jp/els/110001726550.pdf?id=ART0001865485&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1303657135&cp= pdf]</ref>。
5世紀ごろのメキシコではイチジクの木の樹皮を使用した原始的な紙が使われていたといわれている。
 
== 筆記媒体のパピルス ==
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* [[パピルス学]]
* [[トール・ヘイエルダール]](人類学者。パピルスの舟「ラー号」で大西洋を横断した)
 
== 脚注 ==
<references />
 
== 外部リンク ==