「ヨウ化カリウム」の版間の差分

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=== 原子力災害時の放射線障害予防薬として ===
{{main|ヨウ素剤}}
非放射性のヨウ素を[[カリウム]]塩にしたもの(要するにヨウ化カリウム)を「安定ヨウ素」製剤として用いる。
動物の[[甲状腺]]は、[[甲状腺ホルモン]]を合成する際にヨウ素を必要とするため、原子力災害時等の放射性ヨウ素を吸入した場合は、気管支や肺または、咽頭部を経て消化管から吸収され、その10~30%程度が24時間以内に甲状腺に有機化された形で蓄積される。放射性ヨウ素はβ崩壊により[[内部被曝]]を起こしやすく、[[甲状腺癌]]、[[甲状腺機能低下症]]等の晩発的な障害のリスクが高まる<ref>[http://ci.nii.ac.jp/naid/110006226868 セミパラチンスクの甲状腺腫瘍に対して実施したBRAF遺伝子変異検索]長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 81(特集号), 363-366, 2006-09</ref>。そのため、非放射性ヨウ素製剤である本剤を予防的に内服して甲状腺内のヨウ素を安定同位体で満たし、以後のヨウ素の取り込みを阻害することで放射線障害の予防が可能である。この効果は本剤の服用から1日程度持続し、後から取り込まれた「過剰な」ヨウ素は速やかに尿中に排出される。
また、放射性ヨウ素の吸入後であっても、8時間以内であれば約40%,24時間以内であれば7%程度の取り込み阻害効果が認められるとされる<ref>[http://ci.nii.ac.jp/naid/110001138753 ヨードの甲状腺局所循環動態に及ぼす影響] 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 79(特集号), 294-296, 2004-09</ref><ref>{{PDFlink|[http://www.nsc.go.jp/bousai/page3/houkoku02.pdf 原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について]}} 平成14 年4 月 原子力安全委員会原子力施設等防災専門部会</ref>。
 
本剤に副作用は少ないが、ヨウ素への過敏症や、甲状腺機能異常を副作用として惹起する可能性があるため、一般人の判断での服用は極力避けるべきである。
 
== 脚注 ==