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'''カメ
== 分布 ==
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== 形態 ==
[[胚発生|発生]]時に肋骨が外側に広がり[[肩帯]]を取り込む<ref name="fn3">安川雄一郎 「オオアタマガメの分類と自然史」『クリーパー』第45号、クリーパー社、2008年、24-28頁。</ref>。そのため四足動物では本目のみ肋骨(甲羅)の内側に肩帯がある<ref name="fn1"/><ref name="
角質甲板には以下のような通称がある<ref name="fn1"/><ref name="
* 背甲(はいこう) - 背面にある甲羅。
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** 肛甲板(こうこうばん、anal) - 腹甲のうち、一番尾に近い位置にある左右に1枚ずつある甲板。
現生種では歯がなく、顎は角質の鞘(嘴)で覆われる<ref name="fn1"/><ref name="
多くの種は頸部を曲げることで頭部を甲羅に収納できるが、頸部を甲羅に収納することができない種もいる<ref name="fn3"/>。主に肺呼吸を行うが、肺は大型であるものの胴体が甲羅で覆われているため胸筋や腹筋を使って肺を膨らませて呼吸できない<ref name="
陸棲種では皮膚が大型の鱗で覆われ<ref name="
卵はウミガメ科、カミツキガメ科、スッポン科では球形、ドロガメ科やヌマガメ科では楕円形で、他科では種によって異なる<ref name="fn1"/>。主にウミガメ科、カミツキガメ科、ヨコクビガメ科は皮革状の柔らかい殻、主にドロガメ科、スッポン科、ヘビクビガメ科では鶏卵状の硬い殻で被われ、他科では種によって異なる<ref name="fn1"/>。
== 分類 ==
以前は爬虫綱でも初期に分化した分類群である[[無弓亜綱]]に含まれると考えられていた<ref name="
2011年現在で最古とされるカメは約2億2000万年前の地層から化石が発見された[[オドントケリス]]とされる<ref name="
=== 現生種 ===
現生種は約300種とされる<ref name="
[[潜頸亜目]] [[w:Cryptodira|Cryptodira]]
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== 生態 ==
淡水域、[[海|海洋]]、[[砂漠]]、[[草原]]、[[森林]]などの様々な環境に生息する<ref name="
食性は植物食、動物食などと幅広く種によって異なる<ref name="
繁殖形態は卵生。主に陸上に産卵するが<ref name="fn1"/>、浅い水中に産卵(発生は水没していない状態で進む)する種もいる<ref name="
長寿記録として[[1766年]]にフランスの探検家[[マルク=ジョゼフ・マリオン・デュフレーヌ|マリオン・ド・フレネ]]によって[[セーシェル]]から[[モーリシャス]]に持ち込まれ、[[1918年]]に死亡した[[アルダブラゾウガメ]](名前:マリオン
[[ロバート・クライブ]]に飼育され2006年にアリポーア動物園で死亡した1750年生まれとされるアルダブラゾウガメ(名前:[[アドワイチャ]])の255年、1773年か1777年に[[ジェームズ・クック]]が[[トンガ]]の女王に送り1966年に死亡した[[ホウシャガメ]](名前:トゥイ・マリリア)の189-193年の飼育記録がある<ref name="fn4"/>。しかし前者はロバート・クライブが最後にインドにいた1767年から1875年にアリポーア動物園が開園するまでの関する記録がないこと、1875年にセーシ
== 人間との関係 ==
生息地では食用とされることもある。[[キスイガメ]]の種小名''terapin''および英名は[[アルゴンキン語族]]の「食用ガメ」を指す語句に由来する<ref name="
[[タイマイ]]の甲板は[[鼈甲]]の原料とされた。
開発による生息地の破壊、水質汚染、食用やペット用などの乱獲などにより生息数が減少している種もいる<ref name="fn1"/>。
英語圏ではウミガメ上科はturtle、リクガメ科はtortoiseで、淡水棲種を指す1語はなくfreshwater turtleと呼称される<ref name="
ペットとして世界で広く飼育されており、希少種は高額で取引されることも少なくない。[[ワシントン条約]]により[[ウミガメ]]全種とオサガメ、[[ガラパゴスゾウガメ]]、ホウシャガメ、[[ヘサキリクガメ]]、[[メキシコゴファーガメ]]、ホシヤブガメ、[[バタグールガメ]]、[[ハミルトンガメ]]、ミツウネヤマガメ、テクタセタガガメ、ワモンモレニアガメ、[[ヌマハコガメ]]、インドスッポン、[[インドハコスッポン]]、メキシコスッポン、[[クジャクスッポン]]、[[クロスッポン]]、[[クビカシゲガメ]]は野生個体の商取引が禁止されている。
日本には[[ニホンイシガメ]]が在来種として分布しているほか、18世紀末頃に[[クサガメ]]が<ref name=Kusagame>{{Cite web|url=http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/30030.html|title=クサガメ|accessdate=2011-05-17|author=独立行政法人 国立環境研究所}}</ref>、20世紀中頃に[[ミシシッピアカミミガメ]]が移入され分布している<ref name=red-eared-slider>{{Cite web|url=http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/30050.html|title=ミシシッピアカミミガメ|accessdate=2011-05-17|author=独立行政法人 国立環境研究所}}</ref>。また、ニホンイシガメとクサガメの交雑種の[[ウンキュウ]]が生じており、遺伝子汚染や生息地や餌の競合が懸念されているが<ref name=Kusagame />、一方でニホンイシガメやクサガメの幼体([[ゼニガメ]])やミシシッピアカミミガメの幼体(ミドリガメ)などがペットとして流通している。日本固有種の保護のため、[[特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律|外来生物法]]により[[カミツキガメ]]が特定外来生物に、アカミミガメ、[[ワニガメ]]などが[[要注意外来生物]]に指定されている<ref name=nies_DB>{{Cite web|url=http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/toc3_reptiles.html|title=爬虫類|accessdate=2011-05-17|author=独立行政法人 国立環境研究所}}</ref>。
飼育にあたっては、大きさ(甲長)に対して体重が重いため同じ爬虫類でペット用に主に流通する[[有鱗目 (爬虫類)|有鱗目]]と比べて大型のケージが必要になる。夏場は頻繁に動き回り代謝も高いが、気温、水温が低くなると[[変温動物]]のため体温も低下し、10~12度以下でほぼ冬眠状態となる。陸棲種は活動しやすいよう底面積を重視した大型のケージと体温を維持するためのホットスポットの設置が望ましい。カメは社会性を持たず単独行動を基本とする習性があり、繁殖を目的する場合を除いては個体同士の接触には事故やストレスが発生しないよう注意が必要である。
{{未検証|date=2011年1月|section=1}}
初期人類の研究では、出土するカメの骨が人類の活動が活発になるにつれて小さくなる(大型の個体群、種が食べつくされるため)ことが知られており、重要な指標となる。[[不思議の国のアリス]]で[[ウミガメ]]のスープ<ref group="脚注">実際に登場するのは偽海亀。ウミガメが乱獲で希少となったため、牛肉を使って偽海亀スープが作られたことに基づく。</ref>が出るように、美食としての価値もある。
地域や民族によっては信仰の対象とされ、日本でも「鶴は千年、亀は万年」という[[ことわざ]]があるように寿命の長い動物であることから[[長寿]]の象徴とされていた。他の地域でも同様の象徴とされた例が存在し、それから転じて粘り強さや[[努力]]の象徴とされたものもあり、ヨーロッパにおいても[[イソップ寓話]]の『[[ウサギとカメ]]』がある。神格化されたカメでは、中国の[[玄武]]などが代表的である。また、古代中国では[[神託]]の儀式としてカメの甲羅を用いた[[卜占]](亀甲占い)が行われており、[[史記]]に神聖な亀について一書があるほど尊重されていた。
一方、動きの遅いものの象徴として使われることもままある。この認識は洋の東西を問わずあるようで、例えば[[メルセデス・ベンツ]]・[[ウニモグ]]の副変速機[[シフトレバーの配置|シフトレバー]]には([[識字率]]が低い発展途上国での使用を想定して)[[ウサギ]]とカメの絵が描かれている。
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== 画像 ==
<gallery>
ファイル:Pig-Nosed_Turtle_Carettochelys_insculpta_Diving_2260px.jpg|[[スッポンモドキ]]<br />''Carettochelys insculpta''<br />(スッポンモドキ科)
ファイル:Green_turtle_swimming_in_Kona_May_2010.jpg|[[アオウミガメ]]<br />''Chelonia mydas''<br />(ウミガメ科)
ファイル:Matamata turtle 2048x1536.jpg|[[マタマタ]]<br />''Chelus fimbriatus''<br />(ヘビクビガメ科)
ファイル:Snapping_turtle_1_md.jpg|[[カミツキガメ]]<br />''Chelydrta serpentina''<br />(カミツキガメ科)
ファイル:TortueLuth_Leatherback.jpg|[[オサガメ]]<br />''Dermochelys coriacea''(オサガメ科)
ファイル:Emys_orbicularis Tajba.jpg|[[ヨーロッパヌマガメ]]<br />''Emys orbicularis''<br />(ヌマガメ科)
ファイル:Stavenn_Geoemyda_spengleri.jpg|[[スペングラーヤマガメ]]<br />''Geoemyda spengleri''<br />(イシガメ科)
ファイル:Pelomedusa_subrufa.JPG|[[ヌマヨコクビガメ]]<br />''Pelomedusa subrufa''<br />(ヨコクビガメ科)
ファイル:Platysternon_megalocephalum.jpg|[[オオアタマガメ]]<br />''Platysternon megalocephalum''<br />(オオアタマガメ科)
ファイル:Odontochelys BW.jpg|[[オドントケリス]]<br />''Odontochelys semitestacea''
</gallery>
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{{Reflist}}
* 疋田努 『爬虫類の進化』[[東京大学出版会]]、2002年、ISBN 4-13-060179-2。
* 平山廉 著、小田隆 復元画 『図解雑学:恐竜の謎』 [[ナツメ社]]、ISBN 4-8163-3306-1。
* 平山廉 『カメのきた道 : 甲羅に秘められた2億年の生命進化』 [[NHKブックス]]、ISBN 978-4-14-091095-5。
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* [[爬虫類]]
* [[蓑亀]]
* [[ガメラ]]
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