「ウサギ」の版間の差分

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== 生態 ==
[[草原]]や半砂漠地帯、雪原、森林、湿原などに生息する。[[ノウサギ]]は穴での生活はしないが、[[アナウサギ]]は地中に複雑な巣穴を掘って生活する。縄張り意識は、比較的強く、顎下に臭いを出す臭腺を持ち、その部位をこすりつける事で、テリトリーを主張する。臭いは人間には解らない程度の微弱なものである。
 
食性は植物食で、[[草本|草]]や木の葉、樹皮、果実などを食べる。一部の野生種は昆虫なども食べるという。
 
繁殖形態は[[胎生]]。[[ネコ]]などと同じく、交尾により排卵が誘発される交尾排卵動物(ウサギのみが交尾排卵動物であると誤解している人は多いが、近年の研究ではサルなど従来は周期排卵と考えられてきた動物でも、周期排卵だけでなく交尾排卵もすることが確認されている)。妊娠期間は最長が[[ユキウサギ]]の約50日で、多くの種は30 - 40日。一度の出産で1~6頭(ないしそれ以上)を出産する。

ウサギの繁殖期は春であり、そこからイギリスでは三月うさぎ(狂ったようになる)ということわざが生まれたが、繁殖期に狂ったような行動をとるのはなにもウサギに限ったことではない。どの動物も、繁殖にあたっては通常と異なる行動(すなわち狂った行動)をとる。イギリスのことわざで狂態を示すためにウサギが使われたのは、身近な動物であったことと、一部のキリスト教的価値観によるものであり(ウサギはキリスト教以前の信仰と深く結びついていた)、特にウサギがメスオスを問わず他の動物より著しく生殖に狂うからなどという事実はない。web上に雄うさぎは、うさぎに類似したぬいぐるみ等でも、交尾行動を行ったり、射精をすることもできるなどと書かれていることがあるが、しかし、こうしたことはイヌ、サル、動物園で飼育されるほとんどの動物に見られることであり、ウサギの特性とはなんの関係もない。鳥や魚なども模型や疑似餌に寄ってきて求愛や交尾行動を行う。

ウサギは多産である(一度の出産で多数の仔を生む)が、増えすぎとなるには、気候が合って餌が豊富で、天敵がいないという環境が必要で、そのような環境であれば他の生物であっても増えすぎは起こる。現代では野良ネコや野犬やカラスや外来魚が増えすぎたりする問題はいやというほど生じており、毒蛇退治に持ち込まれたマングースが野生化したり、中世にはネズミが水路を埋め尽くすほど繁殖したりと、世界にはさまざまに繁殖力の強さを示した動物が存在している。その中で見ると、ウサギの繁殖力は高くない。よく勘違いしている人がいるが、生物が多産であることと、繁殖力が高いことと生殖能力が高いことは同義ではない。
 
天敵は[[キツネ]]をはじめ[[オオカミ]]、[[コヨーテ]]、[[ジャッカル]]、[[イタチ]]、[[野犬]]、[[マングース]]、野良[[ネコ]]などの肉食獣、[[タカ]]、[[ミミズク]]などの[[猛禽類]]、ハンティングをする[[人間]]。
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種類にもよるが、時速60~80kmで走ることができるという。犬などはレース用に特化した種類でも最大で時速60~70kmといわれている。
 
縄張り意識は、比較的強く、顎下に臭いを出す臭腺を持ち、その部位をこすりつける事で、テリトリーを主張する。ペットうさぎにおいても、家具や家電製品等に顎をこすりつける行動が見られる。臭いは人間には解らない程度の微弱なものである。
 
声帯を持たないため滅多に鳴く事はないが、代わりに非言語コミュニケーションは時々見られる。代表的なものはスタンピングである。発達した後脚を利用したもので、後脚を地面に強く打ち付ける。天敵が接近した時に、スタンピングをする事で仲間に警戒を促すのが主であるが、いらいらや不安など不快な感情を持つときもこの行動を起こすことがある。
 
デリケートな生き物でもあり、ペット飼育などではストレスを感じるとたためか稀に自分の体毛を毟り取る行動が見られることがあるが、ほかのペット動物でもありうることである。
 
雄うさぎは、雌の膣内でなくても射精は可能で、想像で射精することもあり得る。生き物でなくとも、うさぎに類似したぬいぐるみ等でも、交尾行動を行ったり、射精をすることもできる。
 
うさぎの唾液には、衛生状態を保つ成分が含まれている。顔を前脚で覆うように撫でたり、女性が髪を洗うように耳を撫でる可愛らしい仕草を時々みかけるが、これは前脚に予め付着させておいた自らの唾液を、目的の部位全体に行き渡らせる事で、衛生状態を保っている。