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{{otheruseslist|在庫分析手法の''' ABC分析 '''|Activity Based Costing|活動基準原価計算|}}
''' ABC分析 '''(えいびいしいぶんせき)とは「重点分析」とも呼ばれ[[在庫管理]]などで資産原材料、製品(商品)等の管理に使われる手法である。在庫の資産としての価値などの評価(重要度)別に段階的な管理手順を適用する。この手法は[[品質管理]]における[[パレート分析]]に類似している。
 
製造業などで何千・何万とある原材料・製品を管理運用するうえで、管理工数的にも資産運用上もより効率的に管理するために原材料・仕掛り・製品をそれぞれの所要金額の大小でクラス分けする。 その際考慮するのは単価ではなく、単価x数量の金額である。言い換えると高額の物でも殆ど動きがないものより、低価格でも大量に動く材料のほうが重要度が高いということである。
=分類の方法=
製造業などで何千・何万とある原材料・製品を管理運用するうえで、管理工数的にも資産運用上もより効率的に管理するために原材料・仕掛り・製品をそれぞれの所要金額の大小でクラス分けし、それぞれに異なった管理手順を適応する。 その際考慮するのは単価ではなく、単価x数量の金額である。言い換えると高額の物でも殆ど動きがないものより、低価格でも大量に動く材料のほうが重要度が高いということである。
この金額を大きいほうから並べていくと最初の10~20%の点数で所要金額の80~90%を占める、逆に金額の低いほうは点数こそ多いがその総金額が全体に占める割合は僅かである。
: A 重要管理品目、B 中程度管理品目、C 一般管理品目 に仕分けをする為の分類である。
 
=運用例=
以下の表に一実例を示す。(某工場における4051品目の購入金額)
[[File:ABC class.jpg|600px|発注例4051品目]]
: 上記の表の各ABCの長方形の横幅が点数、高さが総金額である。
 
{| class="wikitable" style="text-align:center"
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|-
|}
クラスの分割には決まったしきい値は無いが概ね、A 10%、B 20%、C 70%のような割合で分類される。 点数のすくないAクラスを分析管理することが対金額効果が高い。<br>
 
例として調達業務にこのABCクラスを適用すると、Cクラスは管理工数のあまり掛からない定量・定点発注で発注量および定点在庫を1ヶ月分の所要数量とすれば85%の点数は月一度の発注のみとなり、また安全在庫も最低1ヶ月分あるのでほぼケアフリー、管理工数が大幅に削減される。それでも在庫金額は月の全所要金額の10~20%。 逆にA・Bクラスの材料は工数をかけ安全在庫も切り詰め、細かく管理・調達することで在庫も抑え欠品も防ぐことが出来る。 全体で管理工数を削減し有効に分配が出来る。<br> このように管理対象が膨大な数にのぼる場合に有効な分析手法である。 なお同様にABCと略して呼ばれる[[活動基準原価計算]](Activity Based Costing)は全く別物である。
==段階的管理方法==
例として調達業務にこのABCクラスを適用すると、Cクラスは管理工数のあまり掛からない定量・定点発注で発注量および定点在庫を1ヶ月分の所要数量とすれば85%の点数は月一度の発注のみとなり、また安全在庫も最低1ヶ月分あるのでほぼケアフリー、管理工数が大幅に削減される。それでも在庫金額は月の全所要金額の10~20%。 逆にA・Bクラスの材料は工数をかけ安全在庫も切り詰め、細かく管理・調達することで在庫も抑え欠品も防ぐことが出来る。 全体で管理工数を削減し有効に分配が出来る。<br> このように管理対象が膨大な数にのぼる場合にな分析手率の良い管理方法である。 なお同様にABCと略して呼ばれる[[活動基準原価計算]](Activity Based Costing)は全く別物である。
 
=ABC分析の他分野への応用=
ビジネスの分野に限らず、膨大なデータを分析する際にこのクラス分けの方法は有効である。 例えば、ABCクラス分けを世界の統計に適用すると<ref>[https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/index.html CIA World Factbook 2009] CIAの[[ザ・ワールド・ファクトブック]]</ref>、
 
{| class="wikitable" style="text-align:center"
|-
! クラス !! 国の数 !! 国土 !! 人口 !! GDP PPP
|-
| A || 6% (14ヶ国) || 46% || 56% || 70%
|-
| B || 12% (28ヶ国) || 23% || 25% || 19%
|-
| C || 82% (185ヶ国) || 31% || 19% || 11%
|-
| 合計 || 100% (227ヶ国) || 100% || 100% || 100%
|}
となり、上位2割弱の国々で、各項目の全体の7~9割を占めている。
 
=その他=
なお同様にABCと略して呼ばれる[[活動基準原価計算]](Activity Based Costing)は全く別物である。
 
==関連項目==
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*[[在庫管理]]
 
==脚注==
{{reflist}}
==外部リンク==
*[http://help.sap.com/saphelp_erp2005/helpdata/ja/7b/325f42157911d2953700a0c930328a/content.htm SAPライブラリー ABC分析]