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[[Image:蝦蟇・鉄拐仙人図 曾我蕭白.jpg|[[蝦蟇仙人|蝦蟇]]・鉄拐仙人図 [[曾我蕭白]]筆|thumb|350px]]
'''仙人'''(せんにん)は、[[中国]]の[[道教]]において、主に高い山の上や仙島、天上など仙郷にて暮らし、仙術をあやつり、[[不老不死]]を得た人を指す。羽人、僊人ともいう。[[道教]]の不滅の真理である、道(タオ)を体現した人とされる。(中国の)東海に蓬莱、方丈、瀛洲の三つの仙人の島([[三島]])があるともいう。仙人がいる、あるいはそこにいけば仙人同様になれる聖地を故事になぞらえ[[桃源郷]]と呼ぶこともある([[桃花源記]])。
 
仙人の伝記集として[[前漢]]末には[[劉向]]<ref>劉向が作ったというのは仮託であり、実際には[[後漢]]以降に成立したものと見られている</ref>の『[[列仙伝]]』、[[東晋]]には[[葛洪]]の『[[神仙伝]]』が記され、『[[封神演義]]』『[[八仙#八仙東遊記|八仙東遊記]]』など古典小説や戯曲にもよく登場する。ヨーロッパの[[隠者]]に類似する。また、仙人になるための修行である仙道=不老不死を追求する技術ということから、シルクロードを通じ、ヨーロッパの錬金術と相互に影響しあった部分もある。
 
== 概要 ==
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: 不老不死などの霊効をもつ[[霊薬]]「[[仙丹]](金丹)」をねる煉丹術(中国での[[錬金術]])がある。これは[[錬金術]]そのもので[[水銀]](丹)を原料とする。このため、仙道の求道者、乃至不老不死の探求者、[[唐]]の皇帝などが仙薬を服用して[[水銀中毒]]になる、などの事例も多かった。{{main|錬丹術}}
; 煉丹術(錬丹術 内丹術)
: 鉱物を原料に金丹を練って服用する外丹に対し、自己の体内に存する精・[[気]]・神を薬物として自己の身中に丹を生成する煉丹術を内丹という。道教研究者によれば、内丹説は[[隋]]代の蘇元朗に始まるという。外丹術が盛行した[[唐]]代には内丹術と外丹術は並存しており、当時の書物である『上洞心経丹訣』などは内丹と外丹を双修すべきことを説いているが、外丹術は[[宋 (王朝)|宋]]代には下火になっていった。一方、内丹術は唐末[[五代十国時代|五代]]に隆盛し、五代の成立と言われる『鍾呂伝道集』や『霊宝畢法』の出現をもってひとつの完成形が示され、[[北宋]]に著された『悟真篇』によって大成して、[[南宋]]以降にさらに発展していった。北宋の張伯端のように、出家を否定し道教教団とは関わりのないところで修行し弟子に伝える修煉の士もいたが、出家主義をとる[[全真教]]に取り入れられた内丹術は[[道観]]のなかで「口伝」によって受け継がれてきた。現在では種々の修法があり、およそ700の流派があるともいわれる。北京・[[白雲観]]を大本山とする全真教の龍門派からは[[明]]末に伍冲虚、[[清]]代には伍冲虚の教えを受けた柳華陽を輩出、この両者は、本来は「口訣」を旨とした「修法」の概要を書物に著した。その丹法は伍柳派と称され、多くの一般賛同者を外部に得、政治家や軍人、[[文人]]などの在家修行者を増やした。現代に伝わる内丹術のひとつの形式は、武息・文息という吐納([[呼吸法]]により体内の[[丹田]]に[[気]]を練ることを基本とする。{{main|内丹術}}
; 房中術
: 男女で[[気]]を巡らす術。体を接触させることは絶対条件というわけではない。{{main|房中術}}
; 導引術
: 現代では気功法という。各種体操とそれにともなう吐納([[呼吸法]]により体内の[[気]]を巡らせる。
; 調息
: 長く大きく呼吸をし息を長くとめる。
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* [[笑府]]
* [[水滸伝]]
* {{Cite book|和書|author=[[大形徹]] |year=1992 |title=不老不死  仙人の誕生と神仙術』大形徹 |publisher=講談社 |series=講談社現代新書 1108 講談社 1992年 ISBN 978-|isbn=4-06-149108-3}}
 
==フィクションの仙人==