「世界崩壊の序曲」の版間の差分

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『[[ポセイドン・アドベンチャー]]』(1972)や『[[タワーリング・インフェルノ]]』(1974)のアーウィン・アレンが制作したパニック映画である。原作は、ドキュメンタリーを多数執筆しているゴードン・トーマスとマックス・モーガン・ウィッツの『世界最後の日』( "The Day the World Ended" )で、[[1902年]]の[[マルティニーク]]の[[プレー山]]大噴火を題材にしたものであった。これを、『[[戦場にかける橋]]』(1957)で[[アカデミー脚色賞]]を受賞したカール・フォアマンと、『[[夜の大捜査線]]』(1967)で同賞を受賞し『タワーリング・インフェルノ』も手がけたスターリング・シリファントが、舞台を現代の南太平洋の架空の島に移して脚色した。アレンは、今回は『ジェット・ローラー・コースター』(1977)のジェームズ・ゴールドストーンを監督に起用した。音楽は『[[スパイ大作戦]]』『[[燃えよドラゴン]]』、パニック映画では『[[エアポート'80]]』を手がけたラロ・シフリンであった。
 
出演は『タワーリング・インフェルノ』でも共演したポール・ニューマンとウィリアム・ホールデン、『[[大空港 (映画)|大空港]]』(1970)や『ザ・ディープ』(1977)のジャクリーン・ビセット、『[[猿の惑星|続・猿の惑星]]』(1970)や『コンコルド』(1979)のジェームズ・フランシスカス、『[[ポセイドン・アドベンチャー]]』(1972)のアーネスト・ボーグナインとレッド・バトンズ、シーラ・アレン、『ポセイドン・アドベンチャー2』のベロニカ・ハメル、『[[ヒンデンブルグ (映画)|ヒンデンブルグ]]』(1975)や『[[ロッキー (映画)|ロッキー]]』シリーズのバージェス・メレディスら、アレン作品を含め、他のパニック映画にも出演している名優を揃えたオールスター・キャストであった。
 
このように充実したスタッフとキャストを結集し、2,000万ドルの予算をかけた大作であったが、興行収入は170万ドルという惨憺たる結果に終わってしまった。このためアレンは、映画制作から撤退を余儀なくされ、本作は彼の手がけた最後の劇場映画となった。原因は、『ポセイドン・アドベンチャー』と『タワーリング・インフェルノ』を足して二で割ったようなストーリーの貧弱さや、肝心なスペクタクル・シーンの迫力の無さなどが上げられている。特にクライマックスの崩壊した橋を渡るシーンは、ひと目でスタジオ撮影とわかるほど出来栄えが悪く、[[サーカス]]の綱渡り師と紹介されていたメレディスが活躍するという予想通りの展開になるうえ、ニューマンのアクションは『タワーリング・インフェルノ』の非常階段のシーンの焼き直しという、見ごたえに乏しいものであった。批評家からは酷評され、今日にいたるまで「史上最低のパニック映画」とさえ言われることが多く、弁護する声はほとんど聞かれないという稀有な作品である。主演のニューマンさえも、後に出演したことを後悔した旨の発言を行っている。