「強制通用力」の版間の差分

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[[支払い]]の際にこれらを使用することで決済は完了し、受取人は受け取りを拒否することができないとされる。もっとも、例えばスーパー・コンビニ・個人商店等の対面販売において、客に商品を売るか売らないかは店の自由裁量なので理由の如何を問わず店は「あなたには売らない」ということができる。この場合売買契約そのものが成立していないのだから、店は貨幣を受け取る必要はなく、商品を提供する必要もない。つまり紙幣・貨幣に強制通用力があったとしても取引自体を強制することはできない。
 
飲食店での飲食後の支払いや借金の返済など義務的に支払う必要がある場合を想定すると、例えばもし支払うべき者が硬貨しか持ち合わせていなければ、計算上金額は足りていたとしても、後述の硬貨の通用制限を根拠とした受けとり側の拒否によって、支払いができないという事態が理論上生じうる。
 
かつての[[本位貨幣]](金本位制下では[[日本の金貨|金貨]])には無制限の強制通用力があった。このような本位貨幣のことを「無制限法貨」と呼ぶ。また「硬貨」という言葉は本来はこの無制限法貨であるところの本位貨幣を表すことばであった。これは経済学でハードカレンシー([[国際決済通貨]])の訳語である硬貨と同義であるために使われた言葉である。国際決済を考えた場合、[[信頼性]]の低い通貨(ソフトカレンシー:[[軟貨]])の場合、紙幣では決済が出来ないが、本位貨幣である金貨や[[銀貨]]であれば、国際間の決済にも無制限の通用力を持っていたことに由来する。