「キャッチ・アンド・リリース」の版間の差分
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'''キャッチ・アンド・リリース'''('''キャッチ&リリース'''、'''再放流''')とは、[[釣り]]で釣った魚を生かしたま
釣りの目的が[[食材]]の獲得ではなく、純粋に釣りという行為を楽しむために行われる場合、無益な[[殺生]]を避け、また[[生物資源]]の[[保護]]という観点から釣った魚をその場で水に戻すことが望ましいとされた。
逆に、[[動物虐待]]とされる事もあり、賛否がある。
釣られた魚は釣師との戦いを経て疲労しきっている。水に戻す際には両手で魚体をやさしく包むようにし、無事に泳げるかどうか確認しながらそっと放流することが礼儀である。
== キャッチ・アンド・リリースの対象となる魚 ==
釣れた魚を利用しないキャッチ・アンド・リリースを行うのは、魚でなく釣り自体を目的としたゲームフィッシングや、狙いと違う[[外道]]が釣れてそれを利用しない場合等であり、後者の場合は単に「逃がす」と言う事も多い。
[[競技]]、[[ゲーム]]性を目的とする釣りの対象魚。
# 種そのものの特性や環境によって食味が悪いとされる魚▼
#希少性が高く、保全が望まれる、または環境保護のためリリースが義務付けられている水域で釣った魚▼
#毒をもった魚▼
[[長さ]]や[[重さ]]を[[計測]]したり[[撮影]]したりした後に、リリースする事もある。
▲1に関しては、[[ブラックバス]]や[[ヘラブナ]]と言った古くよりいわゆる競技性を重視したゲームフィッシングの対象魚としてみなされている魚が当てはまる。これは概ね釣り人たちによる種の保存目的という意味合いが強い。
釣り人たちは魚を減らさないためにも、禁じられていない限りリリースする事が多い。
逆に競技として盛んに行われている[[アユ]]は食味に優れているためあまり対象とされない。▼
2に関しては、例えば上記のヘラブナはかつてより食味が悪いと言われ食するのが忌避されているためよくリリースされているという経緯がある。▼
また、都市近郊の荒んだ水域の魚もあまり好んで食用とはされない。▼
但し、[[釣り堀]]で釣った魚を逃がす事は、余りキャッチ・アンド・リリースと言わない。
また、特に最近では渓流などでマス類の保全のため「キャッチ・アンド・リリース区間」なるものを設置している場合もある。▼
▲下記のキャッチ・アンド・リリース禁止とあわせ各釣り場におけるルールは前もって把握しておくべきである。
=== 食味が悪いとされる魚 ===
4に関しては、触ると危険な[[ゴンズイ]]、[[ミノカサゴ]]、[[ハオコゼ]]。また体内に毒をもつ[[フグ]]類や[[シガテラ]]毒を持った魚が当てはまる。▼
特に触ると危険な魚が釣れてしまった場合はハリスを切って逃がした方が安全である一方、釣行時には毒魚バサミを携帯し無理のない範囲で極力針を外した上で逃がした方が道徳上望ましい。ただし、[[アイゴ]]はヒレに毒を持った魚であるが、食味が良いため特に関西ではヒレを切り落とすなど処理した上で食されることもある。▼
フグは、概ね船釣りの外道で[[ショウサイフグ]]などがつれることがあり、この場合概ねリリースされるが、一部には[[ふぐ調理師]]免許を持った船宿が専門に狙うこともあり食用の対象魚ともなる。▼
▲また、[[都市]]近郊の荒んだ水域の魚もあまり好んで食用とはされない。
=== 地域で保護している種 ===
== タグ・アンド・リリース ==▼
一部地方自治体やジャパンゲームフィッシング協会(JGFA)では魚の背びれなどにIDが振られた標識タグを打ち込んでリリースする活動を行っている。▼
これは'''タグ・アンド・リリース'''という行為で、主に回遊性のある魚([[スズキ]]、[[マグロ]]など)の回遊ルートを追跡し、水産研究に役立てるための活動である。▼
▲日本で、[[絶滅危惧種]]の[[イトウ]]や[[準絶滅危惧]]の[[イワトコナマズ]]などは、[[自治体]]や漁業[[組合]]レベルでリリースが励行されている場合もある。また、特に最近では渓流などでマス類の保全のため「キャッチ・アンド・リリース区間」なるものを設置している場合もある。
このような魚をもし釣った場合、行っている団体に捕獲魚種名、標識記号-番号、捕獲年月日、捕獲場所、大きさ(全長、叉長)捕獲方法(JGFAの場合)を報告し、なるべくリリースすることが望まれる。▼
地域と種によっては、大きい成魚は持ち帰れるが、[[体長]]等が基準以下の若魚のリリースが義務である。
また、JGFAでは一般の会員向けにタグを打たせる活動も行っている。なおJGFAの活動は農林水産省と協力して行われている。▼
内水面でも、主に漁協や研究機関の調査目的で時折行われている。この場合タグでは無く特定のヒレの一部に切れ込みを入れている場合もある(魚のヒレには痛点が無く、また一箇所切った程度なら遊泳能力に支障をきたす事はあまりない)。▼
▲特に触ると危険な魚が釣れてしまった場合は[[ハリス]]を切って逃がした方が安全である
ただし、[[アイゴ]]は[[ヒレ]]に毒を持った魚であるが、食味が良いため特に[[関西]]ではヒレを切り落とすなど処理した上で食されることもある。
▲フグは、概ね船釣りの外道で[[ショウサイフグ]]などがつれることがあり、この場合概ねリリースされるが、一部には[[ふぐ調理師]]免許を持った[[船宿]]が専門に狙うこともあり食用の対象魚ともなる。
== キャッチ・アンド・リリースの弊害 ==
[[秋田県]]、[[新潟県]]、[[滋賀県]]の[[琵琶湖]]などでは[[漁業法]]に基づく水面漁場管理委員会指示や[[条例]]などによりこれらの外来魚のキャッチ・アンド・リリースを禁止している。▼
== 規制による禁止 ==
▲[[秋田県]]、[[新潟県]]、[[滋賀県]]の[[琵琶湖]]などでは[[漁業法]]に基づく水面漁場管理委員会指示や[[条例]]などにより
:;滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例<ref>{{Cite_web|url=http://www.pref.shiga.jp/d/leisure/syozokutop/joreizenbun.pdf|title=滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例|format=PDF|accessdate=2008年11月28日}}</ref>(滋賀県条例第52号 平成14年10月22日)第18条:レジャー活動として魚類を採捕する者は、外来魚(ブルーギル、オオクチバスその他の規則で定める魚類をいう。) を採捕したときは 、 これを琵琶湖その他の水域に放流してはならない。
;新潟県
=== スイス ===
▲関連する条例の条文は以下の通りである。
[[スイス]]では、動物虐待として禁止されている<ref>[[春香クリスティーン]]「[[やりすぎコージー]]」『[[テレビ東京]]』2011年7月20日。</ref>。
▲== タグ・アンド・リリース ==
▲これは'''タグ・アンド・リリース'''という行為で、主に[[回遊]]性のある魚([[スズキ]]、[[マグロ]]など)の回遊[[ルート]]を[[追跡]]し、[[水産]]研究に役立てるための活動である。
▲このような魚をもし釣った場合、行っている団体に捕獲魚種名、標識記号-番号、捕獲年月日、捕獲場所、大きさ(全長、叉長)捕獲方法(JGFAの場合)を報告し、なるべくリリースすることが望まれる。
▲また、JGFAでは一般の会員向けにタグを打たせる活動も行っている。なおJGFAの活動は[[農林水産省]]と協力して行われている。
▲内水面でも、主に漁協や研究機関の調査目的で時折行われている。この場合タグでは無く特定のヒレの一部に切れ込みを入れている場合もある(魚のヒレには[[痛点]]が無く、また一箇所切った程度なら遊泳能力に支障をきたす事はあまりない)。
▲==== 秋田県 ====
▲秋田県では、在来種や稀少生物の保護などを理由に、[[八郎潟]]をはじめとした秋田県全域で、水面漁場管理委員会指示などにより、ブラックバス、ブルーギルなどの外来魚のキャッチ・アンド・リリースを禁止している<ref>{{Cite_web|url=http://www.pref.akita.jp/suisangy/bbhp.htm|title=ブラックバス等外来魚に対する対応について|author=秋田県農林水産部水産漁港課・秋田県内水面漁場管理委員会|accessdate=2008年11月28日}}</ref>。
{{reflist}}
▲新潟県では、水面漁場管理委員会指示により、ブラックバス、ブルーギルなどの外来魚のリリースを禁止している<ref>{{Cite_web|url=http://www.pref.niigata.lg.jp/naisuimen/1200934833646.html|title= ブラックバス(オオクチバス・コクチバス等)とブルーギルのリリースは禁止|author=新潟県|date=2008年1月22日|accessdate=2008年11月28日}}</ref>。
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▲== 脚注 ==
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