「Tert-ブチルアルコール」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
27行目:
}}
}}
'''''tert''-ブチルアルコール'''(ターシャリー[tertiary]-ブチルアルコール、''tert''-butyl alcohol)または'''2-メチル-2-プロパノール'''とは最も単純な構造の[[アルコール|三級アルコール]]で、四種存在する[[ブタノール]]の[[異性体]]の一つである。なお、おもに産業分野では「''tert''-ブタノールと称されることがあり、特許公報などでは広く用いられているが、この名称はIUPAC命名規則に反する誤った名称であり、使うべきではない。''tert''-ブチルアルコールは透明な液体で[[樟脳]]のような臭いを持ち、[[水]]、[[エタノール]]、[[ジエチルエーテル]]と均一に混和する。融点が摂氏25度をわずかに上回るので、常温で固体になるという特徴はブタノールの異性体の中でも唯一である。
 
==利用==
45行目:
 
==塩化アルキルへの変換==
''tert''-ブチルアルコールは[[塩化水素]]酸([[塩酸]])と反応して、S<sub>N</sub>1反応機構により塩化 ''tert''-ブタンチルを生成する。
 
{{clear}}
59行目:
[[Image:0-SN1-tBuOH-to-tBuCl-2D-skeletal.png|250px]]
 
''tert''-ブチルアルコールは三級アルコールの為、ステップ1では相対的に''tert''-ブチルカチオンが安定であり、ステップ2でS<sub>N</sub>1反応が進行する助けになっている。一級アルコールではそれに代わってS<sub>N</sub>2反応進行するのが通常である。すなわち、一級アルキルカチオンの反応エネルギー障壁が高い為に、この例のような反応は進行しない。そしてS<sub>N</sub>2反応は反応中間体としてカルカチオン種を経由しない。
 
==註・出典==