「メディア効果論」の版間の差分

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改名に伴う修正。宮台真司氏の見解に偏り過ぎている気がする
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{{複数の問題
| 出典の明記 = 2011-7
| 単一の出典 = 2011-7 <!-- 出典は明記されていないが、ほぼすべて宮台真司氏の見解に基づいている -->
| 観点 = 2011-7
| 観点 = 2011-7 <!-- 宮台真司氏の見解を無条件に肯定している -->
| 独自研究 = 2011-7
| 正確性 = 2011-7 <!-- 最近の研究を反映していない -->
}}
{{告知|問題提起|「環境犯罪誘因説」とは何なのか}}
'''環境犯罪誘因説'''(かんきょうはんざいゆういんせつ)とは[[道徳]]的、あるいは[[医学]]・[[栄養学]]的に好ましくない環境により、[[犯罪]]を誘発するという大衆的通念。'''強力効果論'''(きょうりょくこうかろん)ともいう。
 
'''メディア効果論'''(メディアこうかろん)とは、[[メディア]]が人々の行動や意識に及ぼす影響に関する理論。
==概要==
これらは[[英語]]では''Twinkie defense''(「[[ジャンクフード]]の食べ過ぎ」抗弁)ないし''“Don't blame me” syndrome''(「私は悪くない」症候群)とも表現され、主に周囲の環境によって自分は犯罪を犯したのだとする[[弁護]]にも利用される。
 
=== 本説とメディア規制問題と犯罪 ===
日本では、主にメディア規制論に絡んで、描写された性表現や暴力表現などの反社会的行為に関する情報に人間(特に、成年者に比べて判断能力の乏しい未成年者または精神面に問題のある成年)が接することで、犯罪を犯す危険性があるとする、メディア強力効果論が([[キー局]]・[[全国紙]]主体の)大手マスメディアによる報道や、インターネット上のコミュニティで話題になるなどしているが、本来は'''「犯罪などがしばしば発生する、[[治安]]の悪い地域に育った者が[[環境]]に影響され、犯罪行為を犯してしまう傾向がある」とする説も含まれる'''ものである。
*本項で以下“'''メディア'''”とした場合は、特に但し書きがない限り「'''暴力・性的その他反社会的な内容を含む娯楽媒体'''」(主に漫画・アニメ・ゲームなど)の意味として扱う。
 
日本では、主にメディア規制論に絡んで、描写された性表現や暴力表現などの反社会的行為に関する情報に人間(特に、成年者に比べて判断能力の乏しい未成年者または精神面に問題のある成年)が接することで、犯罪を犯す危険性があるとする、メディア強力効果論が([[キー局]]・[[全国紙]]主体の)大手マスメディアによる報道や、インターネット上のコミュニティで話題になるなどしているが、本来は'''「犯罪などがしばしば発生する、[[治安]]の悪い地域に育った者が[[環境]]に影響され、犯罪行為を犯してしまう傾向がある」とする説も含まれる'''ものである。
人間は、様々な意味で環境の影響を受けるものであるが、環境犯罪誘因説では、当人の主体性はあまり考慮されず、もっぱら環境の悪影響を被ることで、犯罪を行うとみなしている。
 
現在において同説では、強力効果論は、犯罪行為の全てが単純に環境メディアによってのみ影響されるものではなく、当人に内在する[[性格]]的な問題([[人格障害]]など)により強く関連するものとする限定効果説に基づいた[['''限定効果論]]'''および、メディアが直接の原因ではなく、その受容環境によって人は行動を起こすという[[受容文脈論]]によって否定されている。
 
:なお限定効果論でも、環境メディアの影響が全くないとはしておらず、犯罪を起こしやすい要素を持つ人が、環境メディアの影響によって犯罪に走る傾向があるともみなしている。これは当人の持つ要素の程度にも絡むが、社会全体に提供されるメディアやジャンクフードなどといった、様々な商品の内容が「どの程度までなら許容できるか」は、その社会を構成する各個人にもよるため、より微妙な扱いが求められるであろうと思われる。ただこれらの環境の影響は、限定効果論の提唱者のクラッパーがいうように、犯罪の引き金をメディアなどがひかなくともいずれ別の何かが引き金を引くためこれをもって単純にメディアなどの起因論となすことはできない
 
環境犯罪誘因説は(たとえ[[フィクション]]のできごとであれ)暴力的ないし猥褻な性的内容を含む[[メディア (媒体)|娯楽媒体]]([[映画]]・[[小説]]・[[漫画]]・[[アニメ]]・[[コンピュータゲーム|ゲーム]]など)に触れて過ごすことでそれらに影響されることで
==メディア強力効果論の概要==
環境犯罪誘因説は(たとえ[[フィクション]]のできごとであれ)暴力的ないし猥褻な性的内容を含む[[メディア (媒体)|娯楽媒体]]([[映画]]・[[小説]]・[[漫画]]・[[アニメ]]・[[コンピュータゲーム|ゲーム]]など)に触れて過ごすことでそれらに影響されることで
* 精神の未成熟な段階のうちに[[残酷ゲーム]]に触れることで、精神と人格の形成が阻害される
* 「ゲームの中ではいくらでも人が殺せる」「バレなければ(何をしても)いい」という、歪曲した思考が形成されることで現実と虚構の区別がつかなくなり、他人の生命や人権を軽視するようになる
* 結果として[[犯罪]]に対する[[罪悪感]]や[[恐怖感]]が欠如し、[[殺人罪|殺人]]や[[強盗罪|強盗]]などの[[凶悪犯罪]]を犯してしまう
* [[性欲]]の抑制や発散ができない段階のうちに性行為の描写に触れることで劣情の念を抱き、[[強姦罪|強姦]]や[[窃盗罪|下着泥棒]]などの[[性犯罪]]を犯してしまう
と考える、これらの論拠が環境犯罪誘因説の根幹をなす理論となっている{{要出典|date=2011年7月}}
 
1998年に、日本政府の「青少年と放送に関する調査研究会」が調査報告をまとめ、アメリカの公衆衛生局長官が1972年に、「暴力番組視聴は10年後の暴力傾向に影響を与える」と結論付けた事例などを報告した<ref>{{cite web|url=http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h11/press/japanese/housou/1207j11.htm#008|title=「青少年と放送に関する調査研究会」報告|date=1998年|accessyear=2009年|accessdate=12月30日|author=青少年と放送に関する調査研究会}}</ref>。
 
しかし近年では、普遍的に暴力的ないし性的な内容を含むメディアが氾濫しているとも指摘される場合があり、これに不快感を覚える者や、教育者、警察関係者、実社会での犯罪発生を懸念する者などに引用され、無批判に支持されている。「'''環境によって性格を歪めてしまう'''」のか、「'''性格が歪んでいるからメディアに傾倒し、そのような環境を形作ってしまう'''」のかは、過去の犯罪事例を見る上で、特に注意すべき点である{{要出典|date=2011年7月}}
 
*本項で以下“'''メディア'''”とした場合は、特に但し書きがない限り「'''暴力・性的その他反社会的な内容を含む娯楽媒体'''」(主に漫画・アニメ・ゲームなど)の意味として扱う。
 
===メディアの立場と規制論===
ただ同説ないし同説的な視点に絡んで、「有害な環境」と見なされるメディアに耽溺している状況が、
*犯罪を起こしかねない性格異常を引き起こす
*危険な性格異常の予兆である
のどちらであるかは一般にはあまり区別されずに、メディア排斥論に発展する傾向を含んでいる。日本では[[報道]]サイドによってもそのような論調も見られ、過去の殺傷事件や児童誘拐事件(特に女児を狙った犯罪行為)といった凶悪犯罪において、容疑者の私生活やプライバシーを取り上げる際、日頃から極端に偏った娯楽作品(特にアダルトゲーム)に傾倒していた、と全国に報道する姿勢がたびたび見られる(→[[おたく]])。
 
その一方で、[[道徳]]や[[情操教育]]などの[[教育]]の観点から「それらのメディアが児童などの目に触れる環境は好ましくないと」する規制論もあるため、その辺りを混同しないよう注意が必{{である出典|date=2011年7月}}。メディア規制反対論者の側は、本説メディア強力効果論が既に否定されているとしてメディア規制に反論するものの、中には本説による規制と、教育問題に絡む配慮を混同する向きも見受けられる{{要出典|date=2011年7月}}。(→[[メディア・リテラシー]])
 
=== ゲームと犯罪 ===
所定のメディアを未成年者に与えるかどうかに関しては、各々の家庭などにおける[[しつけ]]や[[教育]]、そして当人の自制する意志の強さにも絡むため、「成人すれば全員が同じ自制心を身につけるとは限らない」ことと、本説の否定をもって児童らにそれらメディアを与えるべきであるとはならない点にも注意されたい(→[[メディア・リテラシー]])。
犯罪的な行為や性描写を[[仮想現実|疑似体験]]することで、現実の犯罪にもつながると想定されている[[残酷ゲーム]]のように、従来の受動的なメディアに収まらない能動的なメディアの発達も、議論の対象となっている。
 
: 同説的な視点は「現実とゲーム(虚構)の区別がつかなくなる」といった言説に結びつきやすいが、仮にゲームと現実の区別がつかないのであればゲームの中で十分なはずであり、わざわざリスキーな現実の犯罪に手を染める理屈には結びつかないとする意見もみられる{{誰2|date=2011年7月}}。これには暴力的なゲームによるフラストレーション発散効果を挙げ、他の犯罪的な内容を扱ったメディアに関しても犯罪の抑止にはなっても助長することにはならないとする声すら聞かれる{{誰2|date=2011年7月}}
=== 本説とメディア規制問題 ===
その一方で[[割れ窓理論]]に代表されるような説により、実質的な犯罪的行為でも、[[落書き]]、[[ポイ捨て]]、[[路上喫煙]]のような微罪な違反行為も見逃せば、更に大きな犯罪を誘引させるとする説があるが、その[[割れ窓理論]]の実践の効果については疑問が提示されている(「[[割れ窓理論]]」参照)。しかし、[[割れ窓理論]]に基づいて、犯罪的な行為や性描写を[[仮想現実|疑似体験]]することで、現実の犯罪にもつながると想定されている[[残酷ゲーム]]のように、従来の受動的なメディアに収まらない能動的なメディアの発達も、議論の対象となっている。
 
: この辺りは「影響がある」にせよ「抑止効果がある」にせよ、どちらも所定のメディアよりの影響が客観的に証明できるだけの科学的な証拠が得られていないため、双方の水掛け論に発展している様子もうかがえる
: 同説的な視点は「現実とゲーム(虚構)の区別がつかなくなる」といった言説に結びつきやすいが、仮にゲームと現実の区別がつかないのであればゲームの中で十分なはずであり、わざわざリスキーな現実の犯罪に手を染める理屈には結びつかないとする意見もみられる。これには暴力的なゲームによるフラストレーション発散効果を挙げ、他の犯罪的な内容を扱ったメディアに関しても犯罪の抑止にはなっても助長することにはならないとする声すら聞かれる。
 
: この辺りは「影響がある」にせよ「抑止効果がある」にせよ、どちらも所定のメディアよりの影響が客観的に証明できるだけの科学的な証拠が得られないため、双方の水掛け論に発展している様子もうかがえる。
 
== メディアの青少年への悪影響論に対する社会学者からの意見 ==
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== 関連項目 ==
* [[皮下注射モデル]]
* [[おたく狩り]]
* [[パターナリズム]]
* [[青少年保護育成条例]]
* [[青少年有害社会環境対策基本法案]]
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* [[バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会]]
* [[レイティング]]
* [[環境犯罪学]]
* [[犯罪社会学]]
* [[犯罪生物学]] - [[チェーザレ・ロンブローゾ]]
* [[表現の自由]]
* [[フィギュア萌え族]]
* [[ウエスト・メンフィス3事件]]
* [[三菱銀行人質事件]]
* [[スラム]]、[[貧困]]、[[カルト]]
* [[福祉]]
* [[プルーイット・アイゴー]]
* [[割れ窓理論]]
* [[環境決定論]]
* [[模倣犯]]
* [[有害番組]] - [[一億総白痴化]]
 
{{DEFAULTSORT:めていあこうかろん}}
==外部リンク==
[[Category:社会心理学]]
*[http://www.wellba.com/sf/contents/0411.html サンフランシスコレポート38.Twinkie]
* [[環境Category:犯罪学]]
 
{{DEFAULTSORT:かんきようはんさいゆういんせつ}}
[[Category:犯罪]]
[[Category:環境]]
[[Category:社会心理学]]
[[Category:栄養学]]
[[Category:表現規制問題|*かんきようはんさいゆういんせつ]]
 
{{Socsci-stub}}
[[en:Twinkie defense]]
[[es:Defensa twinkie]]
[[he:הגנת טווינקי]]
[[zh:甜點抗辯]]