「月シリーズ」の版間の差分

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→‎第2部の惨状: # 医学は学べなくなったため、医者はおらず、民間療法に頼るしかない。やけどの際には小麦粉を塗る<ref>『月からの侵略』 135頁。</ref><ref>『月人の地球征服』 141頁
→‎特徴: 本来のタイトルは『赤旗の下で』<ref>『バルスーム』 138頁。</ref>。
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: 「3部作の主人公が交代」と言う点では『[[時間に忘れられた国]]』も同様であるし、3大シリーズでも行われている。しかし、本作の場合は、3人の主人公(ジュリアン5世、9世、20世)と、語り手のジュリアン3世を含めた4人は、一人が転生したものである。しかも、語り手は'''未来の記憶'''も有している(3人の主人公は、他の時代の記憶は持っていない)。
; 共産主義を批判
: 本作の中核を成すのが、この設定である。第2部において、地球は月人によって征服されており、灰色の時代を迎えている。これは、月人を共産主義者に見立てた手法である。本来のタイトルは『赤旗の下で』<ref>『バルスーム』 138頁。</ref>
: [[1919年]]、バローズは共産主義を嫌い([[ロシア革命]]は[[1917年]])、その批判として第2部を書いた(厚木淳は「かなり露骨な反共未来小説」と評している<ref>「訳者あとがき」『月のプリンセス』 331頁。</ref>。また、厚木は「兄弟」は「同志」、「24人衆」は「[[ボリシェヴィキ|ボルシェビキ]]」の比喩と見ている<ref>「訳者あとがき」『月のプリンセス』 332頁。</ref>)。本作は、元々第2部のみの独立した構成であったが、11の出版社から掲載を断られた(『トーンの無法者』でさえ5社であり、バローズの作品としては珍しい)。そのため、バローズはアクション性の強い第1部と第3部を付け加え3部作とし、1925年に、ようやく第2部を掲載にこぎつけた。
: バローズの研究家であるリチャード・A・ルポフは、第2部を絶賛している<ref>「訳者あとがき」『月のプリンセス』 248頁。</ref>。