「衝撃波管」の版間の差分

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隔膜が瞬間的に破られると衝撃波(圧縮波、compression wave)が発生し、高圧部から低圧部に向かって移動し、入射衝撃波として知られる、急勾配の衝撃波面を形成する。この衝撃波は低圧ガスの温度と圧力を急激に上昇させ、衝撃波と同じ方向に向かう<!--低圧-->ガスの流れを作り出す(ただしこの流速は衝撃波の移動速度よりも遅い)。 同時に、[[膨張波]](rarefaction wave, 希薄波あるいは ''expansion fan'' 膨張扇とも)が高圧ガス側へと進行していく。実験の対象である低圧側のガスと、高圧ガスとを隔てる円形の断面は接触面と呼ばれ、衝撃波面の背後を追うように急速に移動する。
 
入射衝撃波がいったん衝撃波管の端(図では右端)まで到達すると、既にある程度加熱された(元低圧)ガスに向かって反射し、いっそうの温度・圧力・密度の上昇をもたらす<ref>衝撃波管末端に付けられた[[圧力センサ]]を用いて[[オシロスコープ]]で解析すると、圧力センサ部分に衝撃波が到達してから圧力上昇がピークに達するまでの所要時間は数[[マイクロ]][[秒]](10<sup>-6</sup>秒、100万分の1秒のオーダー)程度である。</ref>。このように効果的に高温かつ高圧の反応帯を作り出すことができる。この反応は反射衝撃波を吸収する「ダンプタンク (dump tank)」を用いれば急激に冷却することができる。こうしてできた気体のサンプルは採取され、分析される<ref>衝撃波管末端に[[ガスクロマトグラフィー]]用の採取口を設け、反応生成物を採取すれば通常の方法では採取の困難な燃焼反応における中間生成物を採取できる。また、同時に併設する観察窓から[[分光学]]的手法で[[吸光度]]又は[[発光]][[強度]]をオシロスコープで追跡すれば、[[反応速度論]]的知見を得ることができる。</ref>。
 
== 応用 ==