「安全学」の版間の差分

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==概説==
従来の[[安全工学]]というのは、(個々のシステムの)ハード的対策の開発から出発しており、ソフト的な面がないがしろにされてきた<ref name="kouchiku_20_21">[http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-17-t932-1.pdf] pp.20-21</ref>。例えば安全工学は、作業者の[[労働倫理]]や[[責任]]観(責任感)、[[故意]]、[[悪意]]による[[リスク]]を(それが現実に存在しているにもかかわらず、いわば守備範囲外として、あるいは盲点のように)分析・検討の対象からはずしてしまっているが、安全学ではそうしたことも分析・検討の対象とする<ref name="kouchiku_20_21" />。
 
現代では生活環境のグローバル化や技術の巨大化などが起きており、社会の安全を確保するためには、個々のシステムの安全性だけでは不十分であり、従来の安全工学の単なる[[工学]]的なアプローチだけでは安全問題に対処することは困難になってきている<ref name="kouchiku_20_21" />。そこで、従来の安全工学の狭い枠組みを超えた、より広い立場から安全問題に対処する学問すなわち安全学の構築が必要となった、といった主旨のことが、[[日本学術会議]]の〔安全に関する緊急特別委員会〕の文書「安全学の構築に向けて」に記述されている<ref name="kouchiku_20_21" />。