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コーベットはイギリスの海軍史家、軍事学者である
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ジュリアン・コーベット(Julian Corbett, 1854年12月12日 - 1922年9月21日)はイギリスの海軍史と海軍戦略を専門としていた軍事学者であり、『海洋戦略の諸原則』の著者として知られる。

経歴

1854年に生まれ、ケンブリッジ大学で法学を学び、1879年に法廷弁護士となる。1882年に弁護士の仕事を退いてインドとアメリカの海外旅行を経て1986年からは作家として歴史小説を執筆している。1896年に16世紀のスペイン戦争を主題とした文章の編集を依頼され、その後は海軍史の研究によってその名前が知られるようになる。1898年に発表した『ドレークとチューダー朝の海軍』と『ドレークの後継者』はコーベットが歴史家としての業績が評価された初期の作品である。1899年に結婚しており、1902年にイギリスの海軍大学校の講師として教鞭をとるようになる。翌1903年にオックスフォード大学でイギリス史の講義を担当した。また研究者として活動していただけでなく、1905年には海軍本部の非公式の顧問として勤務もしている。1910年の『トラファルガーの海戦』と1911年の『海洋戦略の諸原則』は海軍の中で広く読まれ、第一次世界大戦においても海軍の嘱託として勤務した。戦後も第一次世界大戦の戦史研究に取り組み続けていたが、1922年に死去。

著作

コーベットが発表した作品には以下のものを挙げることができる。

小説
  • The Fall of Asgard. 1886
  • For God and Gold, 1887
  • Kophetua XIII, 1889
  • A Business in Great Water
論文
  • Drake and the Tudor Navy, a history of the rise of England as a naval power, 1899
  • The successors of Drake, 1900
  • England in the Mediterranean, British power within the straight (1603-1713), 1904
  • Fighting Instructions, 1530-1816.
  • England in the Seven Years War. 1907
  • Signals and Instructions, (1778-1794)
  • The Campaign of Trafalger, 1910
  • Some Principles of Maritime Strategy, 1911
    • 翻訳が戦略研究学会編『戦略論大系8 コーベット』芙蓉書房出版、2006年に収録されている。
  • The Spencer Papers (1794-1801)
  • Maritime Operations in the Russo-Japanese War 1904-05 (Originally classified secret in two volumes, published for public release in 1994).
  • Official History of the Great War Naval Operations, Vol I April 1920, vol II November 1921, but died before agreeing final corrections to vol III published in 1923 (Longman Green and Co.).

参考文献

  • 三浦一郎「コーベット」前原透監修『戦略思想家事典』芙蓉書房出版、2003年、363-368
  • 戦略研究学会編、高橋弘道編著『戦略論大系8 コーベット』芙蓉書房出版、2006年
  • D. M. Schurman, 1981. Julian S. Corbett, 1854-1922 : historian of British maritime policy from Drake to Jellicoe.