「担子菌門」の版間の差分

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担子菌類の菌糸は、[[子嚢菌門|子嚢菌]]類と同じく、はっきりとした隔壁を持ち、細胞単位に分かれている。細胞壁はキチン質である。子のう菌と異なる点は、隔壁の中央に複雑な構造が見られることである。子のう菌では、隔壁の中央には、単に穴が開いているだけであるが、担子菌の場合、この穴の周りが膨らみ、それにふたをするような帽子状の構造があるなど、複雑になっている。また、分類群によってこの部分の構造が異なることも知られている。
 
また、単独の菌糸が基質上にバラバラに広がる形の他、菌糸が互いによりあうようになった構造を作るものがある。簡単なより集まりの場合、これを菌束(きんしそく)と言う。中にはその表面が硬化し、先端部には菌糸の成長部分が並び、一見して種子植物の根のようになったものがあり、これを根状菌束という。
 
接合が行なわれる前の菌糸は一核のみを含むが、接合の後には、それぞれの細胞に2個の核がはいった状態になる。これを[[二核菌糸]]、あるいは二次菌糸という。二次菌糸には、菌糸の細胞間の部分にかすがい連結(クランプ・コネクション)というものを生じるので区別できる。これは、菌糸の成長につれ、細胞分裂が起きても、二核状態を維持するためのに生じるものである。二次菌糸の先端が成長し、核が分裂すると、一つの核の分裂面に隔壁を生じ、細胞質が分裂する。すると、片方の細胞には1つの核の分裂で生じた核1つが、もう一つの細胞には残りの核と、もう一方の核が入っていることになる。すると、これに続いてもう1つの核も分裂するが、この時、この分裂は先の隔壁のすぐそばで起こり、その分裂で生じた核は、あらためて隔壁の脇に作られる通路を通って、一つしか核の入っていない細胞に送り込まれる。その結果、細胞分裂終了後も、後で核が送り込まれた通路が、隔壁付近外側のふくらみとして確認できるのである。