「ウッドワード・ホフマン則」の版間の差分

(スプラとアンタラを追記)
[[基底状態]]のエチレンにおいては2つのπ軌道に4つのπ電子が所属している。
ウッドワード・ホフマン則によれば「反応の前後において反応に関与する[[電子]]の所属する[[分子軌道]]の対称性は保存される」から、反応前に2つの&pi;軌道にあった電子は反応後に1つの&sigma;軌道と&sigma;<sup>*</sup>軌道に所属することになる。
&pi;軌道にあった電子は&pi;<sup>*</sup>軌道より生成するもう一つの&sigma;軌道には移ることができない。これは軌道の対称性が異なっているからである。
このようにして基底状態のエチレン同士が反応した場合、&sigma;軌道と&sigma;<sup>*</sup>軌道に電子が所属した2電子励起状態の[[シクロブタン]]が生成することになる。
2電子励起状態のエネルギーは熱的に供給するには大きすぎるため、[[活性化エネルギー]]の障壁を越えられず反応は起こらない。
 
一方、片方のエチレンが1電子[[励起状態]]、もう片方のエチレンが基底状態にある場合を考える。
この場合、2つの&pi;軌道に3つの&pi;電子が、1つの&pi;<sup>*</sup>軌道に1つの&pi;電子が所属している。
反応前に2つの&pi;軌道にあった電子は反応後に1つの&sigma;軌道と&sigma;<sup>*</sup>軌道に所属することになる。
一方&pi;<sup>*</sup>軌道にあった電子はもう一つの&sigma;軌道に所属することになる。
このようにして1電子励起状態のエチレンと基底状態のエチレンが反応した場合、&sigma;軌道に3つの電子、&sigma;<sup>*</sup>軌道に1つの電子が所属した1電子励起状態の[[シクロブタン]]が生成することになる。
この励起状態分のエネルギーは最初に片方のエチレンを1電子励起状態にする(通常は光によって与えられる)エネルギーでまかなうことができる。
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