「引火点」の版間の差分

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'''引火点'''(いんかてん、{{lang-en-short|flash point)point}})とは、[[可燃性]]の[[液体]]物質]]揮発して空気と[[可燃性]]の[[混合物]]を作ることの出来ができる最低[[温度]]である。この温度で燃焼が始まるためには点火源(裸火、火花など)が必要である。また引火点ぎりぎりでは、いったん引火しても点火源がなくなれば火は消えてしまう。燃焼が継続するためにはさらに数度高い温度が必要で、これを[[燃焼点]]という。さらに高温になると点火源が無くとも自発的に燃焼が始まり、この温度を[[発火点]]という
 
引火点は、火災予防の見地から、[[燃料]]やその他の[[液体]]の危険性を表現するために用いられる。例えば[[アメリカ合衆国]]では引火点が[[華氏]]100度以下の液体を引火性({{lang|en|flammable}})、それ以上の液体を可燃性({{lang|en|combustible}})と区分する。また[[日本]]の[[消防法]]では、第4類[[危険物]](引火性液体)をその引火点に応じてさらに区分して数量規制を行っている。
この温度では、[[可燃物]]が除去された場合[[蒸気]]は燃焼しなくなる場合がある。
 
引火点より少し高い温度に[[燃焼点]]があり、この温度は蒸気が[[引火]]した後に[[燃焼]]し続ける温度と定義される。引火点と燃焼点のどちらも、燃えている液体そのものの温度とは関係がなく、通常は液体の温度より非常に高い。引火点は、液体燃料の特徴の一つとして良く例に出される。
 
引火点は、通常、燃料としては用いられない液体の特徴を説明する場合にも用いられる。[[消防法]]における[[危険物]]第4類(引火性液体)は、引火点をひとつの基準として数種類に分類されている。
 
== 仕組み ==
あらゆる可燃性の液体[[蒸気圧]]がある。これはを持っていて、液体の温度のはたらきによるもので、温度があがると蒸気圧も増加する関係にある。[[気液平衡]]が成り立つ状態では、蒸気圧が増加すると、蒸発した可燃性液体のれば空気中の蒸気[[濃度]]も増加するので、[[気液平衡]]が成り立つ状態において、空気中に蒸発している可燃性液体から揮発した蒸気濃度はによって決定される。可燃性液体の種類が異なれば、空中で燃焼を起こすために必要な濃度も変わる。
 
空気中で燃焼できる濃度は物質によって異なっており、[[燃焼範囲]]と呼ばれている。液温が十分に低い場合には蒸気が充分な濃度に達しないため、点火源があっても燃焼が始まることはない。温度が上がり液面上での蒸気濃度が燃焼範囲の下限に達して始めて燃焼が始まる。この温度が引火点である。
引火点は、燃焼が始まるのに十分な燃料が空中にある状態の最低温度と言える。
 
== 引火点の測定 ==
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==引火点の利用例==
{| style="float:right; margin-left: 1em;" class="wikitable"
|+各種燃料の引火点・発火点
!燃料!!引火点!!発火点
|-
|[[エタノール]] (70%)<ref name=eto >[http://www.nafaa.org/ethanol.pdf Ethanol MSDS]</ref>
|16.6{{℃}}
|363{{℃}}
|-
*|[[ガソリン]]
| -43{{℃}}
|246{{℃}}
|-
|[[軽油]]
|>62{{℃}}
|210{{℃}}
|-
*|[[ジェット燃料]]
|>60{{℃}}
|210{{℃}}
|-
|[[ケロシン]]
|>38&ndash;72{{℃}}
|220{{℃}}
|-
|[[植物油]]
|327{{℃}}
|-
*|[[バイオディーゼル燃料]]
|>130{{℃}}
|}
 
引火点が利用されている例として、[[エンジン]]を用いる。
 
[[ガソリンエンジン]]燃料[[点火プラグ]]からの火花によって点火する[[ガソリンエンジン]]向けに作られていである。
この場合、[[ガソリン]]点火される前に、その蒸気が燃焼できる範囲の中でに収まるように空気と混合され、引火点より高い温度まで加熱され、それから、点火プラグで着火する。しかし適切なタイミングよりも前に、エンジンの熱によって発火しては困る。したがって[[ガソリン]]は低い引火点と高い発火点を持つことが要求される。
 
ガソリン燃料は、エンジンの熱によって点火の前に火がついてはいけない。したがって、ガソリンには低い引火点と高い[[発火点]]を持つことが要求される。
 
[[ディーゼル]]燃料は、圧縮比の高い[[ディーゼルエンジン]]向けに作られている。
[[ディーゼルエンジン]]では、[[空気]]は、ディーゼル燃料の[[発火点]]を上回るまで圧縮される。その後、燃料は高圧で吹き付けられ、再び燃料と空気が燃焼し始めない範囲のうちに保たれる。
 
ディーゼルエンジンには、点火源がない。したがって、ディーゼル燃料には高い引火点と低い発火点を持つ事が要求される。
 
*ガソリン
**引火点: >-45 °C
**発火点: 246 °C
 
一方[[ディーゼルエンジン]]には点火源がなく、その代わりに圧縮比が高い。
*ディーゼル燃料
まず[[空気]]が圧縮されて温度がディーゼルエンジンには、点燃料([[軽油]])の[[発点]]を上回る。そこへ高圧の燃料燃焼範囲にるよう噴射され、発火する。したがって、ディーゼル燃料には高い引火点と低い発火点を持つ事が要求される。
**引火点: >62 °C
**発火点: 210 °C
 
==参考文献==
*[[ジェット燃料]]
<references />
**引火点: >50 °C
**発火点: 210 °C
 
{{デフォルトソート:いんかてん}}
[[Category:物質の性質]]
[[Category:燃焼]]
<!-- [[Category:化学]] -->
 
[[af:Flitspunt]]