「高揚力装置」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Hoeksas (会話 | 投稿記録)
m en:Blown flap 8 January 2011 at 17:06.en:Circulation control wing 22 April 2011 at 01:53.から加筆
2011年6月3日 (金) 22:20の版にrvして、削除依頼
1行目:
<!--削除についての議論が終了するまで、下記のメッセージ部分は除去しないでください。もしあなたがこのテンプレートを除去した場合、差し戻されます。またページが保護されることもあります。-->
{{Sakujo/本体|2011年8月30日|利用者:Hoeksasさんによる履歴継承に疑問のつく記事}}
<!-- 削除についての議論が終了するまで、上記部分は削除しないでください。 -->
[[画像:Flap down01.jpg|thumb|right|240px|トリプルスロッテッドフラップを展開して[[大阪国際空港|伊丹空港]]に着陸する[[全日本空輸]]の[[ボーイング747]]。]]
'''高揚力装置'''(こうようりょくそうち)とは、[[飛行機]]の[[揚力]]を増大させるための装置である。必要時に[[翼|主翼]]から展開させるタイプのものが多い。
16 ⟶ 19行目:
;: より大きな迎角を取れば揚力も大きくなるが、失速という問題が生じる。そのため失速を防止する機構を付加する事で、低速時により大きな迎角を取る事を可能にする([[翼型]]や[[翼平面形]]の工夫で大迎角時に失速しにくくなる手法も存在するが、'''高揚力装置'''とは関係無い。あくまで機械的な動作を伴うものが'''高揚力装置'''と呼ばれる)。
 
== フラップ ==
<!--構造とか書くことたくさんあるから分割か-->
[[画像:Undercarriage.b747.arp.jpg|thumb|right|260px|前縁のクリューガーフラップ(エンジンより胴体側)とバリアブルキャンバーフラップ(エンジンの外側)、後縁のトリプルスロッテッドフラップを展開して着陸態勢にある[[ボーイング747]]。]]
23 ⟶ 26行目:
翼の前部([[前縁]])についているものは'''前縁フラップ'''、翼の後部([[後縁]])についているものは'''後縁フラップ'''、と呼ばれる。両方を備える機体の場合は組み合わせて使用することが多い。
 
=== 後縁フラップ ===
後縁フラップは、[[プロペラ機|プロペラ推進]]の小型飛行機から[[ジェット機|ジェット推進]]の大型[[旅客機]]や[[戦闘機]]に至るまで多くの飛行機に装備されている。角度はふつう何段階かに設定でき、離陸時は中程度の、着陸時は最大の角度にすることが多い。
 
30 ⟶ 33行目:
[[操縦士]]が2名乗務する[[民間機]]の場合、通常は[[副操縦士]]がフラップの操作を行う。このため、フラップを操作するレバーは[[旅客機のコックピット|操縦席]]の右席側に取り付けられる。<!-- 軍用機はわからないので追記希望 -->
 
==== 種類 ====
後縁フラップには以下のような種類がある:
; 単純フラップ : 主翼後縁を単に下げキャンバーを増加させるもの。構造は簡単であるが、あまり大きな最大揚力係数は得られない。
39 ⟶ 42行目:
<!--; 吹き出しフラップ : → #境界層制御-->
 
=== 前縁フラップ ===
<!-- ; (固定)スロット : フラップではないが、前縁付近の翼幅方向に数カ所の穴を開けたり、前縁の一部を前方に分離させるなどしてすき間を空けた構造はスロット (slot) と呼ばれる。効果としては次のスラットと同様。ただし、飛行中の抗力が大きい。-->
 
61 ⟶ 64行目:
: クルーガーフラップの改良形で、[[繊維強化プラスチック]]などでできた外板をたわませることでフラップ自身のキャンバーも増加させつつせり出すもの。
 
=== 空戦フラップ ===
[[戦闘機]]においては、戦闘時の旋回性能向上のためにもフラップを利用する。最初はその目的で開発されたものではないフラップを、パイロットが自分で操作していたが、飛行状態に応じて最適なフラップ角を選択する必要があるため、熟練パイロット以外には操作が困難であった。やがて旋回時の使用を前提にした、最適な角度を取る'''空戦フラップ'''が開発されたが、手動操作では空戦時など切迫した時には操作を行う余裕がなかった。
 
67 ⟶ 70行目:
{{main|自動空戦フラップ}}
 
=== ジェットフラップ ===
[[ジェットエンジン]]の推力方向を下に傾けることにより上向きの力を発生させるもの。
 
=== フラップの操作速度 ===
高速でフラップを展開すると、フラップ自体の破損のほか、主翼付け根部分に過大な[[応力]]を生じ危険であるため速度上限(フラップ操作速度)が設けられる。
 
=== フラッペロン ===
フラップと[[エルロン]]を兼ねたもの。代表的な機種として[[コンコルド]]が使用していた。
また、[[F-16]]以降に開発された戦闘機ではフラッペロンが使用されていることが多い。
79 ⟶ 82行目:
<br style="clear:both" />
 
== 境界層制御 ==
=== ブラウン・フラップ ===
{{main|:en:Blown flap}}
ブラウンフラップとは離着陸時の低速時の航空機の揚力を増やす目的でイギリスで考案された高揚力装置である。その行程は[[境界層制御]]とも呼ばれる。1960年代には一般的だったが複雑な整備が必要なので廃れた。現在は類似の構造が軍用機等で散見されるが普及はしていない。更に、初期の概念が現代的な技術で[[乱流制御翼]]としてより効果的な高揚力装置として使用される。
 
従来のブラウンフラップでは少量のタービンエンジンの圧縮空気を抽出したブリードエアを配管で主翼の後部へ送った。特定の角度のフラップの隙間から高エネルギーの空気を境界層に噴射することで[[境界層剥離]]を遅らせることで揚力を増やす。
 
== 境界層制御 ==
{{main|境界層制御}}
(Boundary Layer Control; [[境界層制御]])
101 ⟶ 98行目:
 
; [[アッパーサーフェスブローイング]] (Upper Surface Blowing):エンジンの排気を翼上面に沿って吹き出し、伸ばしたフラップへ気流を付着させることにより揚力を得る方法。エンジンの排気は周囲の空気の速度に比べ速度が高いのでより大きな揚力を得られる。気体が曲面に沿って流れる[[コアンダ効果]]を利用したもの。実用機としては[[An-72 (航空機)|An-72]]で用いられている。また旧西側諸国でも[[YC-14 (航空機)|YC-14]]や[[飛鳥 (航空機)|飛鳥]]など、これを用いた実験機が製作された。
<!--
 
== 乱流の利用 ==
; [[ストレーキ|LEX (ストレーキ)]] (Leading Edge eXtention) :
; [[:en:Vortex generator|ヴォルテックスジェネレータ]] :
英語版では高揚力装置に含めているようだが…あまり自信なし
-->
 
== 関連項目 ==
=== 乱流制御翼 ===
{{main|乱流翼#乱流制御翼}}
'''乱流制御翼''' Circulation Control Wing(CCW)は航空機の主翼の[[揚力係数]]を高める高揚力装置である。CCW技術は60年以上の研究開発の歴史があり、初期の形式はブラウン・フラップと呼ばれていた。<ref>{{cite web |url=http://www.sae.org/technical/papers/2005-01-3192 |title=Circulation Control Wing |accessdate=2007-12-15}}</ref>
 
CCWは高圧の空気を隙間から噴射するように特別に設計された航空機の主翼の前縁と後縁を流れる空気流の速度を増やす事により作動する。主翼は丸められた後縁に沿って空気を噴射することで[[コアンダ効果]]によって揚力を増やす。<ref>{{cite web |url=http://pdf.aiaa.org/preview/CDReadyMFLC06_1187/PV2006_3011.pdf |title=Large Eddy Simulation of a Circulation Control Airfoil. |accessdate=2007-12-18 |last=Slomski |first=J.F. |coauthors= |date=2006-06-05|format=PDF}}</ref>主翼の上面の空気流の速度が増えると同様に通常の翼型によってもたらされる揚力も増える。<ref name="cc">{{cite book |title=FlightWise |last=Carpenter |first=Chris |year=1996 |publisher=Airlife Publishing Ltd |location= UK |}}</ref>
 
== 関連項目 ==
*[[翼]]
*[[飛行機]]
*[[航空事故]]
 
== 脚注 ==
<references />
 
{{DEFAULTSORT:こうようりよくそうち}}