「可読性」の版間の差分

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== 文章 ==
文章の可読性とは、文章を読む者が感じる'''読みやすさ'''に他ならない。人が読みやすいと感じる文章は、理解や記憶が容易で読む速度が速く、しかも連続して長く読み続けられることが、研究によって示されている。
 
読みやすさとは、文章と読者の相互作用の結果である。読者において読みやすさに影響することとして (1) 事前の知識、(2)読むスキル、(3)興味、(4)動機、(5)環境、が挙げられる。文章においては (1)内容、(2)文体、(3)デザイン、(4)構造、が影響する<ref>Gray, W. S. and B. Leary. 1935. ''What makes a book readable''. Chicago: Chicago University Press.</ref>。デザインには、媒体のレイアウト、イラスト、[[書体]]や[[色]]などが含まれる。また、特定の時代や地域において可読性の高い文章が、後世の時代や地域においては可読性の低い文章に感じられる場合も多いことから、可読性の基準は普遍ではなく、時代の変化に応じて移ろってゆくと考えられる。
 
言語の専門家によれば、可読性は式によって生成される得点で表される。その式は、文章を読者の読解レベルに合わせるためによく使われる。可読性の式は一般に100%の正確さは持たないが、ある文章を読むのに必要とされる読解スキルをそれなりに推定するのに役立つ。可読性の式は世界中の様々な言語で数百万の読者の役に立っている。その数式に問題があるとすれば、それが十分に活用されていない点である<ref>Chall, J. S. 1958. ''Readability: An appraisal of research and application''. Columbus, OH:Ohio State University Press.</ref><ref name="Dubay2006">DuBay, W. H. 2006. ''Smart language: Readers, Readability, and the Grading of Text''. Costa Mesa:Impact Information.</ref><ref>Klare, G. R. 1963. ''The measurement of readability''. T. Ames, IA:Iowa State University Press.</ref>。日本語では、漢字の割合が3割から4割の文章が、一般に可読性が高いとされている{{要出典|date=2007年11月}}。
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今日、アメリカでのベストセラー作家のほとんどが、中学1年レベルに合わせて文章を書いている。例えば、[[ジョン・グリシャム]]、[[ダン・ブラウン]]などである。専門家は、法律や医療に関する情報を中学1年レベルに合わせて書くことを推奨している。医療や安全に関する情報を小学5年レベルで書くことを求めている法律も多い<ref>Doak, C. C., L. G. Doak, and J. H. Root. 1996. ''Teaching patients with low literacy skills''. Philadelphia: J. P. Lippincott Company.</ref>。あるレベルの読者を想定して書く場合、自身もそのレベルでないと非常に困難を伴う。方法を知り、訓練し、経験を積む必要がある。[[ジャック・バーザン]]は「簡単な英語は誰の母国語でもない」と書いている。
 
日本では、[[村上春樹]]の書く小説が、可読性の高い日本語の文章として、多くの評論家から指摘されている。
 
可読性の評価は、可読性調査を行ったり、その結果の分析に基づいた可読性判定の利用でなされる。作家、編集者、出版者は、経験や想定される読者像に基づいて可読性の判定を直観的に行うことが多い。例えば、アメリカでの英語の教科書は、ページの20%が空白であるとき最も可読性が高いとされている。