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| 画像解説 =
| 監督 = [[デヴィッド・リンチ]]
| 製作総指揮 = リチャード・ロス
| 製作 = フレッド・カルーソ
| 脚本 = [[ヴィッド・リンチ]]
| 出演者 = [[カイル・マクラクラン]]<br />[[イザベラ・ロッセリーニ]]<br />[[デニス・ホッパー]]
| 音楽 = アンジェロ・バダラメンティ
| 撮影 = フレデリック・エルム
| 編集 = デュウェイン・ダンハム
| 配給 = 松竹富士クラシック
| 公開 = 1986年9月19日 {{flagicon|USA}}<br>1987年5月 {{flagicon|Japan}}
| 上映時間 = 120121
| 製作国 = {{USA}}
| 言語 = 英語
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| imdb_id = 0090756
}}
『'''ブルーベルベット'''』(Blue Velvet)は、[[1986年]]に制作された映画。[[デヴィッド・リンチ]]監督・脚本のサスペンス。タイトルの「ブルーベルベット」本作での重要な[[ガジェット]]であるが、[[ボビー・デイヴィッド・リトン]]の歌う曲の題名り、挿入歌として使われている。
 
==概要==
[[1950年代]]を髣髴とさせる、のどかな田舎町に潜む、欲望と暴力が渦巻く暗部を、伝統的なミステリーの手法に則って、暴き出しつつ、美しい芝生と、その下で蠢く昆虫、という導入部に象徴される、善と悪の葛藤が描かれる。
 
不法侵入や覗き見、性的虐待といった倒錯的行為が、物語の重要な役割を果たしており、特に、性的虐待の描写については、公開と同時に、論争を巻き起こしたが、結果的には、興行的成功を収める事となった。
 
大幅な予算の削減と引き替えに、ファイナル・カットの権利を得て、その才能を存分に発揮した本作が、成功を収めた事によって、デイヴィッド・リンチは、ジャンルを問わず、複数の題材を盛り込むという、以後の作風を確立させた。
 
本作では、アンジェロ・バダラメンティが初めて、音楽に起用された。以後、バダラメンティが紡ぎ出す、1950年代を髣髴とさせる音楽は、リンチの作品に欠かせない要素となった。また、ポップ・ミュージックやロック・ミュージックが、大胆に取り入れられるようになったのも、本作からで、[[ボビー・ヴィントン]]の『ブルー・ベルベット』や、[[ロイ・オービソン]]の『イン・ドリームス』などが、本作では使用されている。特に、ヴィントンの『ブルー・ベルベット』は、リンチが、本作を発想するきっかけとなった。
 
取り上げられた題材の多くが、世界的な成功を収めた次作『[[ツイン・ピークス]]』に引き続き、盛り込まれており、リンチにとっては、本作が、新たな転換点となった。
 
== ストーリー ==
{{ネタバレ}}
舞台は[[ノースカロライナ州]]郊外の閑静な街[[ランバートン]]。元々都会の[[大学]]に通っていたジェフリーは父親の急病により帰郷する。彼は父を見舞った帰りに野原で切り取られた人間の片[[耳]]を発見した。耳を父親の知り合いであるウィリアムズ[[刑事]]に届け出たジェフリーは、ウィリアムズの娘サンディにその耳が、街のアパートに住む[[歌手]]ドロシーに関係しているという話を聞かされ興味を持つ。サンディと協力してドロシーの[[アパート]]の部屋に忍び込むジェフリー。彼は静かな街の裏で蠢く官能と倒錯の世界へ否応なく巻き込まれていくことになる…。
 
== 世界観 ストーリー==
父親の入院を期に、ジェフリー・ボーモントは、大学を休学して、生まれ故郷である田舎町、ランバートンに帰郷した。
ストーリーもさることながら、独特の世界観もこの作品の持つ大きな魅力である。[[1980年代]]後半の映画であるが、街の様子や[[自動車|車]]や[[ファッション]]は[[1950年代]]のテイストに統一されており、古きよき[[アメリカ合衆国|アメリカ]]を懐かしむことのできる作品である。
 
そんなある日、父親を見舞った帰りに、野原を通りかかったジェフリーは、そこで、切断された人間の片耳を発見する。
 
問題の片耳を、父親の友人である、ジョン・ウィリアムズ刑事の元に届けたジェフリーは、それが縁で、ウィリアムズ刑事の娘、サンディと知り合う。ウィリアムズ刑事の話を盗み聞きしたサンディによると、今回の事件には、ドロシー・ヴァレンズなるクラブ歌手が、関係しているらしい。
 
好奇心を覚えたジェフリーは、事件解決の手がかりを得るため、サンディの協力で、ドロシーが暮らす、ディープ・リヴァー・アパートの710号室に、無断で侵入する。クローゼットに身を潜めたジェフリーが、そこで垣間見たのは、ドロシーが、謎の人物、フランク・ブースと共に繰り広げる、倒錯的な性行為の一部始終であった。
 
この事をきっかけに、ジェフリーは徐々に、隠されていた世界へと、引きずり込まれていく。
 
==主な登場人物==
*ジェフリー・ボーモント - [[カイル・マクラクラン]]
:この世は不思議な所、と考える大学生。
:大学進学を期に、生まれ故郷であるランバートンを離れていたが、父親の急病で、一時的に帰郷する。
:好奇心が旺盛で、人生には、知識と経験を得るチャンスがある、と考えており、父親が経営するボーモント金物店を手伝いながら、野原で発見した片耳の謎を、追うようになる。
:好きなビールは、ハイネケン。
 
*ドロシー・ヴァレンズ - [[イザベラ・ロッセリーニ]]
:七号線沿いのスロー・クラブに出演する、ブルー・レディーの異名を持つ歌手。
:片耳が発見された野原に程近い、リンカーン通りに建つアパート、ディープ・リヴァー・アパートの710号室に住んでおり、自宅にいる時でさえ、厚い化粧とかつらをしている。
:フランク・ブースによって、ドンという夫と、ドニーという幼い息子を人質に取られ、倒錯的な性行為を強要されているが、一方で、その性行為に、マゾヒスティックな快感を覚え、泥沼から抜け出せずにいる。
 
*フランク・ブース - [[デニス・ホッパー]]
:極端に短気で、事あるごとに、“ファック”と吐き捨てる、暴力的な男性。
:暗闇を好み、人に注視される事を嫌う。また、麻薬を使用しており、性的興奮を高めるために、亜硝酸アミルのガスを吸う。さらに、ベルベットに異常な執着を示し、ドロシー・ヴァレンズのガウンから切り取った、青色のベルベットを持ち歩いている。
:家族を人質にして、ドロシーに、サディスティックな性行為を強要する一方で、ドロシーの歌に聞き入る、純粋な一面も持ち合わせている。
:好きなビールは、パブスト・ブルー・リボン。
 
*サンディ・ウィリアムズ - [[ローラ・ダーン]]
:コマドリに象徴される愛と光によって、世界が満たされる事を夢見ている、高校三年生の少女。
:ジェフリー・ボーモントが卒業した高校に通学しており、同じ高校のマイクという少年と、交際している。
:ジェフリーに興味を抱き、野原で発見された片耳の謎を追う彼に、協力するようになる。
:しかしながら、自分が、調査に協力した事によって、ジェフリーが徐々に、事件に深入りしていく事に、責任を感じるようになる。
 
*ジョン・ウィリアムズ - ジョージ・ディッカーソン
:ランバートン警察に勤務する刑事。
:ボーモント家の隣人で、サンディは娘である。
:野原で発見した片耳を持ち込んできたジェフリー・ボーモントに、これ以上、事件に深入りしないよう、忠告する。
:好きなビールは、バドワイザー。
 
*ベン - [[ディーン・ストックウェル]] - ベン
:フランク・ブースの仲間で、彼曰く、“粋なオカマ”。
:なぜか、太った人間ばかりが集まっている自宅には、ドロシー・ヴァレンズの息子、ドニーが監禁されている。
 
{{ネタバレ終了}}
 
==主な受賞歴==
*[[全米映画批評家協会賞]] - 作品賞、監督賞、助演男優賞(デニス・ホッパー)、撮影賞を受賞。
*[[ロサンゼルス映画批評家協会賞]] - 最優秀監督賞、最優秀助演男優賞(デニス・ホッパー)を受賞。
*[[シッチェス・カタロニア国際映画祭]] - 作品賞、撮影賞を受賞。
*[[モントリオール世界映画祭]] - 男優賞(デニス・ホッパー)を受賞。
*[[ボストン映画批評家協会]]賞 - 作品賞、監督賞、助演男優賞(デニス・ホッパー)、撮影賞を受賞。
*[[インディペンデント・スピリット賞]] - 主演女優賞(イザベラ・ロッセリーニ)を受賞。
 
==その他==
本作には、ロイ・オービソンの『イン・ドリームス』が使用されているが、当初は、同じオービソンの楽曲でも、『イン・ドリームス』ではなく、『クライング』が使用される予定となっていた。その『クライング』は後に、『[[マルホランド・ドライブ]]』にて、『ジョランドー』として編曲され、使用されている。
 
==関連商品==
 
===DVD===
*『ブルーベルベット特別編 【オリジナル無修正版】』
:ニュー・リマスターが施された本編と、映像特典が収録されている。発売元は、20世紀フォックス ホーム エンターテインメント ジャパン株式会社。
 
== キャスト =CD===
*『ブルーベルベット オリジナル・サウンドトラック』
* [[カイル・マクラクラン]] - ジェフリー・ボーモント
:アンジェロ・バダラメンティが作曲した楽曲の他に、ロイ・オービソンの『イン・ドリームス』など、他のミュージシャンによる楽曲も、収録されている。発売元は、ダブリューイーエー・ジャパン。
* [[イザベラ・ロッセリーニ]] - ドロシー・ヴァレンス
* [[デニス・ホッパー]] - フランク・ブース
* [[ホープ・ラング]] - ウイリアム夫人
* [[ディーン・ストックウェル]] - ベン
* [[ローラ・ダーン]] - サンディ・ウィリアムス
* [[ブラッド・ドゥーリフ]] - レイモンド
 
== トリビア 参考文献==
『映画作家が自身を語る デイヴィッド・リンチ』 クリス・ロドリー編 広木明子+菊池淳子訳 フィルムアート社 ISBN 4-8459-9991-9
この映画はその全編を通して"fuck"という単語が公開時点の1986年まででは最も多く使われた映画といわれている。デニス・ホッパー演じる狂気の男フランクは、[[文節]]と文節の間、殆ど全てに"fuck"と叫んでいる。
 
{{デヴィッド・リンチ監督作品}}
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{{Link FA|mk}}
 
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[[ca:Vellut blau]]
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