「CMOSイメージセンサ」の版間の差分

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== 弱点 ==
CCDに対してメリットのある反面、低照度状況では素子そのものが不安定になりやすく、撮影した画像にはノイズが多くなる傾向がある。また、画素毎に固定した増幅器が割り当てられるため、各増幅器の特性差により固定パターンのノイズを持つ性質があり、これを補正する回路が必要になる。近年ではPDの高出力化・低雑音化、PDから増幅器への電荷転送効率の向上、PDの受光面積を相対的に拡大するための[[トランジスタ]]の複数画素間での共用化、[[裏面照射型]]の民生化など、様々さまざまな改良により、一般向けカムコーダ他、特定の分野においては[[S/N比]]がCCDイメージセンサーを凌駕するほどに向上してきた。
 
また、電荷化を同時に行えないという構造上、高速に動くものを撮影したときに進行方向に向かって像が歪んだり、ストロボのようなごく短時間の発光があると画像の垂直方向に明暗ができてしまう問題がある。この問題は、一つの素子を複数に分割して同時に読み出し、読み出し速度を向上させることで改善されている。
 
== 用途 ==
CMOSイメージセンサはCCDイメージセンサに比べるとより汎用の半導体製造装置を使いまわすことが流用できることからCCDイメージセンサと比べたときに供給価格が安い。そのため安価なデジタルスチルカメラや[[ビデオカメラ|デジタルビデオカメラ]]の分野で盛んに使用されている。特に[[インターネット電話|ビデオチャット]]などで用いられるいわゆる[[Webカメラ]]はそのほとんどがCMOSを搭載している。また、[[矢野経済研究所]]の調査によると[[携帯電話]]へのカメラ機能搭載が普及したこともあり、2004年にはCCDイメージセンサを出荷個数で抜いたとされる。弱点がまったく改良されていない小型のCMOSが採用された例には[[iPhone]]があるが、撮影した画像が歪むことで話題となった<ref>[http://wiredvision.jp/news/200808/2008080522.html 『iPhone』カメラの欠点を利用して「ゆがんだ写真」を撮る方法]</ref>。
 
大型撮像素子では上記弱点を技術的アプローチによって克服するコストアップも受け入れられやすく、また、CCDに対して消費電力が少ないことから、近年ではデジタル一眼レフカメラに使われる事が多くなっている。[[キヤノン]]は他社での生産に頼ることになるCCDに対し、自社で開発・製造が可能なCMOSを2004年春以降デジタル一眼レフの全機種で採用している。また、[[ニコン]]や[[ソニー]]のデジタル一眼レフでもそれぞれ自社製のCMOSを一部で採用している。