「数 (文法)」の版間の差分

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{{文法カテゴリー}}
[[言語学]]における'''数'''(すう)とは、語を[[語形変化]]させる[[文法#文法カテゴリー|文法カテゴリー]]の一つ。多くの言語では単数と複数に分類され、さらにそれ以上に分類する言語もある
 
[[名詞]]などでは、その語が指示する対象の数量的な相違を表している。例えば、[[英語]]でcatと言えば一匹の猫、catsと言えば何匹もの猫を指している。
 
[[代名詞]]にも数の区別があり、[[日本語]]のように名詞の数を明示しない言語でも代名詞の数は区別するものが多い。ただし西欧語では[[二人称]]複数を二人称単数の[[敬称]]として用いる場合があり、特に現代英語ではこのために二人称代名詞がyouのみで、数の明示的区別は完全になくなっている。
[[動詞]]や[[形容詞]]などでは、その[[主語]]や被修飾語などの名詞が指す対象の数量的な相違を表す。例えば、[[ラテン語]]で、amatは「彼/彼女は愛する」(主語は一人)であるが、amantは「彼ら/彼女らは愛する」(主語は二人以上)である。
 
[[一人称]]代名詞の複数形は、相手を含めない用法(排除形)もあるが、相手(本来なら二人称)を含めて第三者(三人称)と対立させる用法(包括形)もあり、この二つを区別する言語も多い。
 
[[動詞]]や[[形容詞]]などでは、その[[主語]]や被修飾語などの名詞が指す対象の数量的な相違を表す([[一致]])。例えば、[[ラテン語]]で、amatは「彼/彼女は愛する」(主語は一人)であるが、amantは「彼ら/彼女らは愛する」(主語は二人以上)である。
 
数えられる複数の対象からなる集団を表す名詞を[[集合名詞]]といい、名詞と動詞等の数が形式上一致しない場合がある。例えば英語のfamilyなどは、人でなく集団自体を指す場合には単数(複数の集団を指す場合は複数形になる)、集団の構成員全体を指す場合には単数形のままで複数として扱われる。
 
多くの言語では、名詞の単数形が無標、複数形が[[有標]](例えば英語の複数語尾-s)というパターンが一般的であるが、集合名詞に当たる名詞で逆に単数形が有標となる言語もある。
 
このほか、一部の言語では動詞により表される動作・現象が単独(単発)か複数(反復)かによる区別([[相 (言語学)|相]])がある。
 
指示対象の数量が1であるものを'''単数'''、それ以上であるものを'''複数'''と呼んでいる。また言語によっては、単数・複数以外に、2をあらわすのに特別な形式をもつものがあり、これを'''双数'''(あるいは'''両数''')と呼んでいる。双数は主に、目・耳・腕・足など、1対になっているものに用いる。双数を有する言語の代表例は[[アラビア語]]、[[スロベニア語]]または[[ソルブ語]]である。なお、0については、英語や[[スペイン語]]などでは複数形を用い、それぞれ0 hours, 0 horas(0時間)のように言う。また、[[アイスランド語]]や[[リトアニア語]]などのように20以降では1の位を数の目安とするため、21、31などの場合は意味に関わらず名詞は単数形で用いる言語も存在する(アイスランド語:1/21 maður(1人/21人の男)、2/22 menn(2人/22人の男)など)。