「天地開闢 (日本神話)」の版間の差分

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! 男性神 !! 女性神
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| [[ウヒヂニ・スヒヂニ|宇比地邇神]](うひぢにのかみ) || [[ウヒヂニ・スヒヂニ|須比智邇神]](すひぢにのかみ)
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| [[ツヌグイ・イクグイ|角杙神]](つのぐひのかみ) || [[ツヌグイ・イクグイ|活杙神]](いくぐひのかみ)
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| [[オオトノヂ・オオトノベ|意富斗能地神]](おほとのじのかみ) || [[オオトノヂ・オオトノベ|大斗乃弁神]](おほとのべのかみ)
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| [[オモダル・アヤカシコネ|於母陀流神]](おもだるのかみ) || [[オモダル・アヤカシコネ|阿夜訶志古泥神]](あやかしこねのかみ)
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| [[イザナギ|伊邪那岐神]](いざなぎのかみ) || [[イザナミ|伊邪那美神]](いざなみのかみ)
45行目:
 
====根源神たちの登場====
'''本'''によれば、太古、天と地とは分かれておらず、互いに混ざり合って混沌とした状況にあった。しかし、その混沌としたものの中から、清浄なものは上昇して天となり、重く濁ったものは大地となった。そして、その中から、神が生まれるのである。
 
天地の中に葦の芽のようなものが生成された。これが神となる。
53行目:
これらの神々には性別がなかった。
 
'''第1の一書'''によれば、天地の中に生成されたものの形は不明である。しかし、これが神となったことは変わらない。生まれた神々は次の通りである。なお、段落を下げて箇条書きされているのは上の神の別名である。
*[[国常立尊]](くにのとこたちのみこと)
*:国底立尊(くにのそこたちのみこと)
*[[国狭槌尊]](くにのさつちのみこと)
*:国狭立尊(くにのさたちのみこと)
*[[トヨクモノ|豊国主尊]](とよくにむしのみこと)
*:豊組野尊(とよくむののみこと)
*:豊香節野尊(とよかぶののみこと)
67行目:
*:見野尊(みののみこと)
 
'''第2の一書'''によれば、天地の中に葦の芽のようなものが生成された。これが神となったとされる。すなわち、本書と同じ内容であるが、神々の名称が異なる。
*[[ウマシアシカビヒコヂ|可美葦牙彦舅尊]](うましあしかびひこぢのみこと)
*[[国常立尊]](くにのとこたちのみこと)
*[[国狭槌尊]](くにのさつちのみこと)
 
'''第3の一書'''でも生まれた神々の名が異なる。なお、生まれた神は人のような姿をしていたと描写されている。
*[[ウマシアシカビヒコヂ|可美葦牙彦舅尊]](うましあしかびひこぢのみこと)
*[[国常立尊|国底立尊]](くにのそこたちのみこと)
 
'''第4の一書'''によれば、生まれた神々の名は下の通りである。この異伝は『古事記』の記述に類似している。
*[[国常立尊]](くにのとこたちのみこと)
*[[国狭槌尊]](くにのさつちのみこと)
 
これらの二柱の神々の次に[[高天原]]に生まれたのが下の三柱の神々である。
*[[天御中主尊]](あめのみなかぬしのみこと)
*[[高皇産霊尊]](たかみむすひのみこと)
89行目:
 
'''第6の一書'''も本書とほぼ同様に葦の芽のような物体から神が生まれた。ただし、国常立尊は漂う脂のような別の物体から生まれた。
*[[天之常立神|天常立尊]](あまのとこたちのみこと)
*[[ウマシアシカビヒコヂ|可美葦牙彦舅尊]](うましあしかびひこぢのみこと)
*[[国常立尊]](くにのとこたちのみこと)
96行目:
渾沌から天地がわかれ、性別のない神々が生まれたあと、男女の別のある神々が生まれることとなる。これらの神々の血縁関係は本書では記されていないが、一書の中には異伝として記されている。
 
'''本'''によれば、四組八柱の神々が生まれた。四組の神々はそれぞれ男女の対の神々であり、下のリストでは、左側が男性神、右側が女性神となっている。なお、段落を下げて箇条書きされているのは上の神の別名である。
*[[ウヒヂニ・スヒヂニ|埿土煮尊]](うひぢにのみこと)、[[ウヒヂニ・スヒヂニ|沙土煮尊]](すひぢにのみこと)
**埿土根尊(うひぢねのみこと)、沙土根尊(すひぢねのみこと)
*[[オオトノヂ・オオトノベ|大戸之道尊]](おほとのぢのみこと)、[[オオトノヂ・オオトノベ|大苫辺尊]](おほとまべのみこと)
**大戸摩彦尊(おほとまひこのみこと)、大戸摩姫尊(おほとまひめのみこと)
**大富道尊(おほとまぢのみこと)、大富辺尊(おほとまべのみこと)
**大戸之道尊の別名
***大戸之辺尊(おほとのべのみこと)
*[[オモダル・アヤカシコネ|面足尊 ]](おもだるのみこと) 、[[オモダル・アヤカシコネ|惶根尊]] (かしこねのみこと)
**惶根尊の別名
***吾屋惶根尊(あやかしこねのみこと)
112行目:
*[[イザナギ|伊弉諾尊]](いざなぎのみこと)、[[イザナミ|伊弉冉尊]](いざなみのみこと)
 
'''第1の一書'''では伊弉諾尊、伊弉冉尊は[[オモダル・アヤカシコネ|青橿城根尊]]の子とされている。
 
'''第2の一書'''では神々の系図がよりはっきりとしている。
*[[国常立尊]]
*天鏡尊(あまのかがみのみこと)
125行目:
**沫蕩尊の子。
 
天鏡尊、天万尊は[[宋史]]日本伝の引く年代記の他には見えず、また国常立尊・天鏡尊・天万尊・沫蕩尊・伊弉諾尊の並びは当年代記の一部に一致する<ref>坂本・家永・井上・大野『日本書紀(一)』岩波文庫、22ページ注一・二、補注1-二二。</ref>。
さて、'''本書'''によれば、国常立尊・国狭槌尊・豊斟渟尊に以上の四組八柱の神々を加えたものを総称して'''[[神世七代]]'''という。
 
 
さて、'''本'''によれば、国常立尊・国狭槌尊・豊斟渟尊に以上の四組八柱の神々を加えたものを総称して'''[[神世七代]]'''という。
 
'''第1の一書'''によれば、四組八柱の神々の名が異なっている。
*埿土煮尊(うひぢにのみこと)、沙土煮尊(すひぢにのみこと)
*角樴尊(つのくひのみこと)、活樴尊(いくくひのみこと)
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==解説==
自分達の世界がどのようにして生まれたか。このことは古代人にとっても大きな問題であった。『[[古事記]]』、『[[日本書紀]]』の最初の部分は世界誕生のころの物語となっている。しかし、『古事記』と『日本書紀』との間で、物語の内容は相当に異なる。さらに、『日本書紀』の中でも、「本」といわれる部分の他に「一書」と呼ばれる異説の部分がある。このようにして、世界誕生の神話は1つに定まっていない。
 
===中国との関係===