「歌舞伎」の版間の差分

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* [[黒衣]](くろこ) - 表には出ないものの、なくてはならない存在。縁の下の力持ち。ただし「黒子」「くろこ」は共に誤用が定着した慣用で、正しい表記は「[[黒衣]]」読みは「くろご」。黒装束に黒頭巾を着用し、舞台上で役者の介添や小道具を操作する者のことをいう。
* [[黒幕]](くろまく) - 歌舞伎の黒幕は通常夜を表すために用いるが<ref>大辞林(三省堂)</ref>、人形浄瑠璃の黒幕は舞台を操る者をその陰に隠すために用いる。そこから歌舞伎でも、舞台裏から影響力を行使して舞台を操る興行主・金主(投資者)・[[芝居茶屋]]などのことを「黒幕」と呼ぶようになった。そもそも黒という色に悪の意味を絡ませるのは近代になってからの連想で、当時はむしろ[[江戸幕府|御公議]]の「[[幕府]]」「[[江戸幕府#江戸幕府の役職|幕閣]]」や[[大相撲]]の「[[幕内]]」などの語にみられるように、「幕」という語には「中に立ち入り難く、様子が見えにくい」という語感があった。ここから「外部の者には実情がよく分からない」という意味で、今日の「政界の黒幕」のような使われ方がされるようになったと考えられている。
* 二枚目(にまいめ)・三枚目(さんまいめ) - 一座を構成する配役の番付の上で、思慮分別をわきまえた貫禄のある役を務める[[立役]]の[[看板役者]]を「一枚目」、美男で人気が高い若衆役を務める役者を「二枚目」、面白おかしい役を務める[[道化師#日本外方|道外方]]を「三枚目」に掲げていたことが語源。現代でも日常的に用いられる言葉として残っている。
* 幕切れ(まくぎれ)・大詰(おおづめ) - それぞれの場(幕)の終わりに引き幕が閉まることを幕切れ、江戸歌舞伎の一番目の最後の幕を大詰と言った。現在でも「さしもの事件もあっけない幕切れとなった」、「ペナントレースも大詰めを迎えた今週」のように使用される。
* 千両役者(せんりょうやくしゃ) - 名優と呼ばれる歌舞伎役者の収入は1000両を超えたことから、転じて素晴らしく活躍した人の意味。女形では[[芳澤あやめ (初代)|初代芳澤あやめ]]が[[正徳 (日本)|正徳年間]]([[1711年]] - [[1715年]])に、[[立役]]では[[市川團十郎 (2代目)|二代目市川團十郎]]が[[享保]]6年([[1721年]])に、初の年給1000両を得たという。