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'''マルチコア''' (Multiple core, Multi-core) は、1つのプロセッサ・[[パッケージ (電子部品)|パッケージ]]内に複数の[[プロセッサ]]・[[コア]]を封入した技術であり、[[マルチプロセッシング]]の一形態である。
 
外見的には1つのプロセッサでありながら内部的には複数のプロセッサとして認識されるため、主に[[並列コンピューティング|並列処理]]を行わせる環境下においては、プロセッサ・[[チップ]]全体での処理能力を上げ性能向上を果たすために行われる。このプロセッサ・パッケージ内のプロセッサ・コアが2つであれば[[デュアル]]コア (Dual-core)、4つであればクアッドコア (Quad-core)、6つであれば[[ヘキサ]]コア (Hexa-core)、8つではオクタルコア (Octal-core) 又は[[オクタ]]コア (Octa-core)<ref>伝統的に[[インテル]]は前者、[[アドバンスト・マイクロ・デバイセズ|AMD]]は後者で呼び分けている</ref>、オクトコア (Octo-core) と呼ばれる。さらに高性能な専用プロセッサの中には数十個ものコアを持つものがあり、メニーコア (Many-core) と呼ばれる。
 
なお、従来の1つのコアを持つプロセッサはマルチコアに対してシングルコア (Single-core) とも呼ばれる。
[[画像ファイル:Dual Core Generic.png|thumb|200px|シングルダイ・マルチコアの一例の概念図。この場合、プロセッサ・コアと[[キャッシュメモリ|レベル1キャッシュ]]が2つあり、レベル2キャッシュは2つのコアと共有される。]]
 
== 概要 ==
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並列コンピューティングに対応した[[プログラミング (コンピュータ)|プログラミング]]が必要なため、[[ソフトウェア]]の開発は難しくなるが、[[オペレーティングシステム|OS]]や[[ミドルウェア]]などが並列処理の支援を行うことでソフトウェア開発は容易なものとなる場合がある。既にマルチプロセッサ対応しているシングルコア・プロセッサを基にする、マルチコア・プロセッサの製品化は比較的簡単である。
 
性能が要求される[[ワークステーション]]、[[サーバ]]分野はもとより、[[パーソナルコンピュータ]] (PC) においても、高消費電力と廃熱処理(および冷却に伴う騒音対策)などによる制約や、[[クロック周波数]]向上対効果の停滞などにより、この技術へのシフトが進んでいる。
 
マルチコア・プロセッサは消費電力低減と発熱抑制を目的に、各コアごとに動作電圧やクロック・スピードの可変制御を行ったり、休止状態を含む動作状態の制御を行なっている製品もある。コアごとに複数の電圧で給電するシステムが別途必要となるため、単一電圧に比して設計・実装・製造難易度は高い。
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=== 専用プロセッサ ===
* インテルの[[Larrabee]] - GPU 16個
* [[シスコシステムズ]]のQFP - ネットワーク・プロセッサ(パケット処理) - 40個
* [[NVIDIA]]のGTX200 - GPU 240個
* D. E. Shaw ResearchのAnton
* [[シスコシステムズ]]のQFP - ネットワーク・プロセッサ(パケット処理) 40個
* [[:en:D. E. Shaw Research|D. E. Shaw Research]]の[[:en:Anton (computer)|Anton]]
* [[トプスシステムズ]]のTOPSTREAM - 最初からマルチコア向けに開発された日本製プロセッサ、MPEG4およびWirelessLANのベースバント処理チップの実績あり
 
;組み込み系プロセッサ
:もともとコアが小さく、ダイ面積増加によるコスト上昇を抑えられる[[組み込みシステム]]ではマルチコアは以前から一般的に使われている手法である([[iPod]]に搭載されているPortalPlayerのチップは、「[[ARMアーキテクチャ|ARM]]7」のコアを2つ搭載している)。組み込み向けプロセッサではコアを10個程度搭載するものは珍しくなく、32ビットプロセッサ360個を集積するチップも存在する<ref>安藤壽茂、[http://journal.mycom.co.jp/articles/2006/10/21/fpf3/001.html Fall Microprocessor Forum 2006 - 組み込みプロセサ]、[[マイコミジャーナル]]、2006年10月21日 </ref>
 
== 注釈 ==