「竹内関数」の版間の差分

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'''竹内関数'''(たけうちかんすう)'''は、[[プログラミング言語]][[実装|処理系]][[ベンチマーク]]などに使われる、[[再帰]]的定義|再帰的に[[定義]]された[[関数 (数学)|関数]]である。
 
== 概要 ==
三つの[[整数]] ''x'', ''y'', ''z'' に対して、次のように[[再帰]]的に[[定義]]される。
 
<math>{\rm Tarai}(x, y, z) = \begin{cases}
\end{cases}</math>
 
定義からわかるように処理を次々に[[たらいまわ]]にしていくことから、'''[[たらい回し|たらいまわし]]関数'''[['''たらい]]関数''' (''Tarai function'') とも呼ばれる(後述のマッカーシー版との混同を避けるためこの名で呼ばれることのほうが多いが、こちらの定義のほうがオリジナルである。マッカーシー版を特にTak関数として区別する場合もある)。[[日本電信電話公社|電電公社]]研究員(当時)の[[竹内郁雄]]が[[1976年]]に考案した。与える数によって関数の再帰呼び出しの回数が非常に増え、計算量が大きくなるため、コンピュータの[[ベンチマーク|性能測定]]などに用いられる。
 
他のよくベンチマークに使われる関数と比較して、たとえば[[フィボナッチ数]]を何の工夫もなく計算するいわゆるダム(dumb)フィボナッチと比較して、計算量を増やしても、たいして大きな数の計算が必要ない(ワード長の整数演算さえ実装していれば十分)、再帰がたいして深くならない(たいした量のスタックを使えなくても十分)、といった特性があり、関数呼び出し(と戻り)の[[オーバーヘッド]]がものをいう、というベンチマークである。
竹内関数を高速化するには、関数呼び出しのコストを小さくする、というまっとうな手法と、計算を必要になるまでやらない(引数のx, y, zの値が実際に必要なのは、関数の呼び出し時でなくifの評価時で、しかも常に全部は必要としない)か、一度やった計算の結果を再利用するかして、計算量自体を削減する(当然非常に速い。ベンチマークとしては一種のチートと言えなくもない)手法とがあり、後者には次のような手法がある。
 
*; [[メモ化]]
: 一度計算した値を覚えておき、次の呼び出しではその値を使う。
*; [[遅延評価]]
 
: [[クロージャ]]などを利用して、関数呼び出しの計算より前に引数を計算すること([[先行評価]])をしない(ただし、クロージャ生成のコストがかかる)。原則として遅延評価する言語である[[Haskell]]では定義そのままで非常に速い。他にも[[Scala]]など遅延評価に対応した言語においては、簡単に、非常に高速に評価が終わるコードを作成できる。
* [[遅延評価]]
[[クロージャ]]などを利用して、関数呼び出しの計算より前に引数を計算すること([[先行評価]])をしない(ただし、クロージャ生成のコストがかかる)。原則として遅延評価する言語である[[Haskell]]では定義そのままで非常に速い。他にも[[Scala]]など遅延評価に対応した言語においては、簡単に、非常に高速に評価が終わるコードを作成できる。
 
マッカーシー版は、メモ化では同様に速い。しかし、マッカーシー版をHaskellなどでそのままの定義で遅延評価した場合は、高速にならない(遅延評価では計算量が減らない)、という違いがある。
* [http://www.nue.org/nue/#tak-function TAK Function]
* [http://mathworld.wolfram.com/TAKFunction.html Wolfram MathWorld]
* [http://jp.franz.com/base/seminar/2005-11-18/SeminarNov2005-Takeuchi.htm どう転んでもLisp] - スライド10 - 13に作者自身の解説がある
* [http://www.nue.ci.i.u-tokyo.ac.jp 東京大学 竹内郁雄研究室]
 
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