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'''スペイン櫛'''(スペインぐし、escarpidor:飾り櫛の意)とは、十七[[17世紀]]以降の[[スペイン]][[民族衣装]]に用いられる[[鼈甲]]製で華美な装飾を施した装飾用の[[櫛]]のこと。また、それを模したもの。
 
は費用と動物保護の観点から、鼈甲製のものではなくイミテーションが主流となっている
 
== 用途 ==
[[レコンキスタ]]終了後にも[[イベリア半島]]にはイスラーム文化の影響は色濃く残り、十七[[17世紀]]ごろ首都[[マドリッド]]を中心としたスペインの貴族女性はマンティリヤ(Mantilla)と呼ばれる刺繍をふんだんに施した[[レース]]製の白もしくは黒い[[ベール]]をよく用いていた。
 
スペイン櫛は頭にマンティリヤを被るときにそれを支える役割を持った物で、名称こそ櫛とはあるが完全に実用には向かず装飾用に特化している。ベールが顔をぴったりと覆わないようにそれを掲げる役目を持った櫛は巨大で、櫛の棟にあたる部分は円形や半月上になっており、唐草模様のような複雑な模様が透き彫りにされている。材質は鼈甲の板という豪奢な物で、[[シニヨン]]に挿す櫛の歯は重い飾り部分を支えるために長細くなっている。近年は、動きが邪魔になるマンティリヤはシニヨンに挿した小ぶりな櫛に軽く引っ掛けて後ろに流すように身につける場合がほとんどで、スペイン櫛は小型化の一途を辿っている。
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また、祭りの晴れ着、[[フラメンコ]]の舞台衣装などの装飾品としての用途のほかに、ファッションアイテムとしても高く評価されている。特に、隣国[[フランス]]では近世以降定期的にスペイン櫛の流行が繰り返され、フランス産のスペイン櫛がヨーロッパのみならず世界各地に流行を広げた。
 
[[明治時代]]日本でもスペイン櫛が和服に合わせる髪飾りとして人気を得ていたらしい記録が残るが、[[江戸時代]]以降日本では鼈甲製の髪飾りを特に品位が高いものとして愛好しており、また、[[和服]]を着用する際は髪を結う習慣があったため、親和性は高かったものと思われる
 
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