「新聞常用漢字表」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
しまあじ (会話 | 投稿記録)
表記統一、補足など
8行目:
 
== 表外字・表外音訓を使用する場合 ==
新聞常用漢字表の表外字・表外音訓を含む語は『新聞用語集』の「用字用語集」に掲げる言い換え・書き換えを活用し<!-- 2007年版141ページ -->、書き換え・言い換え・表現の工夫が困難な場合、読み仮名をつけて使用することができる<!-- 2007年版144ページ〜 -->とされる。「用字用語集」で、表外字・表外音訓を含む語にルビが付く場合、読み仮名をつけて使う。『新聞用語集 2007年版』は、以下の場合については例外として表外字・表外音訓を使ってよいとする<!-- 2007年版141ページ〜 -->
* 固有名詞や次に示すような特殊な語。
*# 栄典、称号、官職名およびこれに類するもの。
*# 文学作品、美術品、古典芸能関係、国宝・重要文化財などの名称。
*# テレビ・ラジオのドラマ、映画、演劇、歌謡曲などの題名。
*# 学術上の用語その他で言い換え、書き換えが困難なため、新聞用語懇談会で使用を認めたもの<!-- 2007年版141ページ〜 -->
 
== 当用漢字時代 ==
30行目:
 
=== 当用漢字見直しの動き ===
第7期国語審議会は当用漢字表の再検討に着手し、[[1964年]]9月に[[文部省]]は日本新聞協会に対し、新聞界としての意見と資料の提出を求めた。新聞用語懇談会による検討を経て新聞協会は翌年1月、(1)字種の大幅増減は好ましくない、(2)音訓表の合理的改定が望ましい、(3)字体をさらに簡略化することを希望する——という趣旨の意見書を出した。続いて4月には具体的な字種について、稼・溝・肢・塾・哨・甚・仙・腺・曹・槽・棟・洞・覇・唄・泡の15字の追加を希望し、壱・芋・恭・嗣・畝・弐の6字は削除してよいとする参考資料を提出した。国語審議会は12月の最終総会で、第一部会報告として、当用漢字表から31字を削り、47字を追加、1字の字体を修正する試案を発表した。新聞協会の削除候補4字と追加希望11字が採用された形となった<ref name="nijunenshi232">『日本新聞協会二十年史』232ページ </ref>。次の第8期国語審議会では、この試案にとらわれずに当用漢字などの諸問題について審議するとして原則論に終始し、試案は棚上げされた。漢字表の字種については、第11期国語審議会が新たな漢字表を作る方針を打ち出したことを受け、以降の審議会で検討作業が進むことになる。
 
=== 17字の復活と8字の追加 ===
41行目:
 
== 常用漢字の告示から改定まで ==
[[1981年]][[10月1日]]に1945字から成る[[常用漢字]]表が告示された。新規に追加された95字の中には、1954年の「当用漢字補正案」が示した追加候補28字と、1973年に新聞が新たに使用した当用漢字表外字8字が含まれる。補正案の通り「燈」の字体が「灯」に改められ、他の全当用漢字が引き続き収録されたため削除はなかった。新聞用語懇談会は、表外字6字を追加して使用することとした。これは、新聞協会が常用漢字表に追加を希望していた漢字のうち、字数に制限があるなどのため採用されなかったものである<ref name="asahi1981-09-20">片山朝雄「読者と朝日新聞 常用漢字表と本紙の記事 表の趣旨を守るのが大原則 字種と音訓は少し違います」『朝日新聞』1981年9月20日朝刊5面、縮刷版787ページ</ref>。補正案が削除候補とした28字のうち1973年に“復活”しなかった11字について、引き続き使用しないこととした。使用頻度が低い(謁・朕)、同音字で書き換えられる(箇・遵・脹・附・濫)、仮名書きが一般的(虞又)といった理由による<ref name="ISBN4166603663">『新聞と現代日本語』51ページ</ref>。これにより新聞紙上で使用できるとされた漢字の字種は'''1940字'''となる。同年9月に発行された『新聞用語集』ではこの増減を施した漢字表を「'''常用漢字表(新聞用語懇談会が使用することを決めた字種と字音を含む)'''」として掲げた。このほか特例として表外字を含むものの読み仮名なしで使用できる12語(「華僑」「歌舞伎」「小唄」「鍾乳洞」「浄瑠璃」「枢機卿」「関脇」「箏曲」「長唄」「端唄」「琵琶」「弥生(式)」)を掲載した。
; 追加6字
: 亀(キ・かめ) 舷(ゲン) 痕(コン) 挫(ザ) 哨(ショウ) 狙(ソ・ねら-う)
49行目:
: 個(カ)
 
[[1993年]]春、それまで新聞が使ってきた代用表記のうち定着しなかったもの(斑点を「班点」、檀家を「壇家」とする)や、交ぜ書き表記のうち特に読みにくいもの(拉致を「ら致」、拿捕を「だ捕」とする)が廃止となり、以降同様の動きが続く。これらは本来の漢字に読み仮名を付けて表記することになった。これに先行して朝日新聞社は1989年9月、独自の判断で冤・腫・腎・竪・拉の5字を「朝日新聞漢字表」に追加している<!-- <ref name="ISBN4022583894">『新訂増補 朝日新聞の用語の手引』(1989年)24ページ</ref> -->。
 
[[1999年]]になると、常用漢字表が実情に合わなくなってきたという認識から、新聞用語懇談会が常用漢字並みに扱う表外字の選定作業を始める。非公式な打診に対して[[文化庁]]が当面常用漢字表を見直す予定はないと回答したことから、新聞界が各社アンケートや『漢字出現頻度数調査』(文化庁文化部国語課編)を参考に独自に選定をすることとなった。[[2001年]]秋に表外字39字と表外訓12種新たに認めた。併せて「一揆」「元旦」「拉致」など24語を特例として読み仮名なしで使用することとなり、翌春までの間に各社が新漢字表を実施した。
85行目:
: 新聞用語懇談会のものと同じ。
; [[朝日新聞社]]『朝日新聞の用語の手引』(2010年版)「朝日新聞漢字表」
: 追加(改定常用漢字表に18字追加。新聞常用漢字表の追加5字のうち「胚」は朝日新聞漢字表には追加されない。'''強調部'''は新聞常用漢字表の追加字。従来「冤(エン)」が独自に追加されていたが、常用漢字表改定を機に表内字扱いを取りやめた<!-- 朝日新聞2010年12月1日朝刊27面(縮刷版27ページ) -->
:* '''磯(いそ) '''炒(いた-める) 笠(かさ) '''絆(きずな) '''杭(くい) 釘(くぎ) 栗(くり) 捧(ささ-げる) 獅(シ) '''哨(ショウ) 疹(シン) '''蘇(ソ) 竪(たて) 杖(つえ) 辻(つじ) 扮(フン) 牢(ロウ) 禄(ロク)
: 表外字として扱う常用漢字66字(新聞常用漢字表が使わないとした7字を全て含む。「謁」「濫」は引き続き表外字扱い)
124行目:
{{デフォルトソート:しんぶんしようようかんしひよう}}
[[Category:日本の漢字]]
<!-- [[Category:新聞表記]] -->
[[Category:日本の新聞|*しんぶんしようようかんしひよう]]
[[Category:文字の一覧]]