「白血病」の版間の差分

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Jade0416 (会話 | 投稿記録)
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白血病の検査では血液検査と[[骨髄検査]]が主になる。白血病の本体は骨髄にあり、白血病の状態を正確に把握するには骨髄検査が不可欠であるが骨髄検査は患者にとって負担の多い検査であり、患者への負担が少なく頻繁に行える血液検査も重要になる。
 
血液検査([[末梢血]])で芽球を認めれば白血病の可能性は高い。また、末梢血で芽球が認められなくとも、白血球が著増していたり、あるいは赤血球と血小板が著しく減少し非血液疾患の可能性が見つからなければ、骨髄検査が必要になる(白血病では白血球は、著増していることもあれば正常あるいは減少していることもある。10万を超えるような場合以外は白血球数だけでは白血病かどうかはわからない)。骨髄で芽球の割合が著増していたり、極端な過形成<ref group="註">正常な[[骨髄]]([[腸骨]]や[[胸骨]]の)では、造血細胞と脂肪がそれぞれある程度存在する。骨髄内を造血細胞と脂肪がそれぞれ数割づつ占めるのを正形成という。骨髄内に造血細胞がほとんど無く脂肪ばかりなのを低形成。脂肪がなくて造血細胞がぎっしり詰まっているのを過形成という。低形成骨髄の典型が[[再生不良性貧血]]、過形成骨髄の典型が白血病である。</ref>あればやはり白血病の可能性は非常に高い。骨髄細胞の精査で病型を確定する<ref name="木崎p98-99">木崎『白血病・リンパ腫・骨髄腫 : 今日の診断と治療』pp.98-99</ref>。
 
急性白血病細胞のすべてと慢性白血病細胞の多くは白血球の幼若な細胞と類似した形態を取るため、[[芽球]]あるいは芽球様細胞と呼ばれる。血液細胞は大きくは、白血球、赤血球、血小板の3種の分けられるが、3種のなかで白血病細胞(芽球)は白血球の幼若球に形態的には類似し、赤血球や血小板と違って有核であるので、正常な白血球ではないが自動血球計数器で分析する血液検査の血液分画(血液細胞の分類とカウント)の中では白血球の区分に入れられる(高性能な検査機や検査技師が行う目視検査では血液細胞の種類ごとに細かく分類ができる)
 
急性白血病の血液検査ではヘモグロビンや血小板数は低下していることが多く、芽球が認められることが多い。芽球を含めた白血球総数は著明に増加していることが多いが、なかには正常あるいは減少していることもある<ref name="小川p116,119,120">小川 『内科学書』pp.116,119,120</ref>。
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|caption2=急性リンパ性白血病の骨髄。急性白血病細胞は分化能を失って単クローン性の増殖をするので骨髄は一様な細胞で埋め尽くされる
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|caption3=急性骨髄性白血病(AML (AML-M1) の骨髄。急性骨髄性白血病の骨髄も一様な細胞で埋め尽くされる。尚、各写真は見やすいように染色した画像である。染色しない白血球や幼若細胞は無色半透明である。各写真の色の違いは実際の細胞の色の違いではなく、染色の具合によるものである。
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|caption4=慢性骨髄性白血病の骨髄。慢性白血病では細胞の分化能は保たれるので、骨髄では各成熟段階の多様な細胞が見られるが、正常な骨髄に比べ白血球系細胞の密度は濃く、また様々な異変もある。