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[[インド]]などの熱帯アジアを原産とし、地下に肥大した濃黄色の[[球根|根茎]]を持つ。この根茎を水洗して皮を剥き、5~6時間煮た後2週間ほど天日で十分乾燥させて細かく砕き、使用する。[[沖縄県]]では煎じたものを飲料として用いる。県内では缶入りの「うっちん茶」も多くのメーカーから発売されている。
 
==ウコン(秋ウコン)の成分組成==
ウコンには約5%前後の'''精油成分'''(エッセンシャルオイル)、と約5%前後の'''[[ポリフェノール]]'''類('''[[クルクミン]]''')が含まれている。<REF>Govindarajan VS.(1980) "Turmeric--chemistry, technology, and quality." Crit Rev Food Sci Nutr. 1980;12(3):199-301.(PMID 6993103)</REF><br />
* [[クルクミン]]は、ウコンの活性成分であり、別名でC.I. 75300、Natural Yellow 3などの名称がある。(また[[IUPAC]]名では、(1E,6E)-1,7-ビス(4-ヒドロキシ- 3-メトキシフェニル)-1,6- ヘプタジエン-3,5-ジオン;(1E,6E)-1,7-bis (4-hydroxy-3-methoxyphenyl) -1,6-heptadiene-3,5-dione となる。)クルクミンは少なくとも2つの互変異性体(tautomeric form)、ケト・エノール体が存在し、固相時にはケト体を、溶液中ではエノール体をとる。クルクミンはpHによる変色域を持つことが知られている。pH7.4以下の酸性~中性溶液下では黄色を呈す一方、pH8.6以上の塩基性(アルカリ性)溶液下では明るい赤色に変化する。
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上記にあげた、主な有効成分の他にウコン根茎には、ミネラル(鉄分)などの微量元素や、食物繊維、デンプン、カリウム、ビタミンC、および、カロテンなどが含まれている。特に秋ウコンには鉄分が豊富に含まれており、ウコンをそのまま利用する場合に、ミネラルの豊富さが生体に影響を及ぼす場合がときおり報告されている。
 
== ウコン(秋ウコン)の薬効 ==
[[健康食品]]としてウコンが注目され、ウコンを含有する健康食品も多数販売されているが、その安全性・有効性については、国立健康・栄養研究所のデータベースによると、有効性としては、ヒトの消化系・肝臓の症状改善や、参考として試験管内・動物他での作用、効果等が述べられている。利胆([[胆汁]]の分泌を促進)、健胃などの薬効がある。他の薬効成分として、クルクミン・[[ターメロン]](利胆)、[[ジンギベレン]]、d-α-[[フェランドレン]]、[[シネオール]]([[防腐]])などがある。肝機能を増進するといわれ、[[二日酔い]]の抑止効果があるかのような宣伝を行う[[錠剤]]や[[ドリンク剤]]が多数発売されている。
 
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* 湿潤効果や発毛抑制作用があるとされ外用剤として使用される。
 
== ウコン(秋ウコン)の副作用 ==
危険性情報としては、摂取量、摂取期間、また、摂取した対象者は不明であるが、[[薬剤性肝障害]]22例のうちウコンによるものが11例ある等が述べられている。また[[日本肝臓学会]]の診断基準を満たした薬剤性肝障害症例(14施設 84症例)のうち、ウコンによる薬剤性肝障害は25%を占めたとされた。なお医療機関で処方される医薬品漢方薬の中には、ウコンを含有するものは存在しない<REF>水野瑞夫:ウコン.日本薬草全書,新日本法規,pp74-76,2000</REF>。クルクミン大量摂取による肝臓の脂肪変性も報告されている<REF>石田 聡他:健康食品による薬物性肝障害,肝胆膵48(6):747-755,2004</REF>。<br />
 
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ウコンの有効性および安全性は、まだ十分に検討され尽くしていないため、今後もウコンやその成分についての様々な検討が必要であり、その点について研究が進められている状況である。<ref>健康・栄養ニュース第15号P5(独立行政法人 国立健康・栄養研究所)</ref><br />
 
また、以下の場合は、ウコン(秋ウコン)の摂取を控えるべきとされている。特に肝障害患者においては、[[サプリメント]]として市販されている通常量で重篤な状態に陥った例が少なからず報告されている。またウコン(秋ウコン)によって自己免疫性肝炎を併発した可能性のある症例の発表もある<ref>木村 吉秀 「ウコンによる薬物性肝障害により影響を受けた自己免疫性肝炎の1例」 ACTA HEPATOLOGICA JAPONICA 46(1), 26-32, 2005-01-25</ref><ref>中本譲 「う金(ウコン)の人体に及ぼす影響及び副作用についての検討」 日本栄養・食糧学会総会講演要旨集 巻:49th 頁:206</ref>。 
*[[黄疸]]
*[[ヘルペス]]
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*[[尿路結石]]
 
ウコン(秋ウコン)を含有した外用薬によるアレルギー性皮膚炎も報告されている<ref>矢島 純 「Database of side effect cases. New trial of presentation of drug information. Dermatological medicines. A case of allergic contact dermatitis by external-use drug containing curcuma」 診断と治療 巻:84頁:760 特殊号:増刊号</ref>。
 
以上のように、しばしば「ウコン(秋ウコン)は肝臓によい」と言われているものの、肝疾患患者への投与は推奨されておらず、状態を改善させるどころか、死亡例(2人:2004年)<ref>[http://www.mkb-clinic.jp/zatsudan/index.asp?patten_cd=12&page_no=34 ウコン摂取で、肝機能障害、悪化し死亡]</ref><ref>ウコン摂取で肝障害 肝硬変の60代女性、症状悪化し死亡 「産経新聞」2004年10月19日</ref><ref>伊藤 弘康 [http://abs2009.umin.jp/summary/sf3.pdf 臨床医の立場から見た肝臓(肝障害)と健康食品について] 生物試料分析, 32(1) : 66, 2009</ref>を含んだ重篤な副作用の報道・報告があり、安易な内服は慎むべきとされている<ref>小島裕治 「健康食品, 特にウコンによる肝障害の検討」日本消化器病学会雑誌, 101 : 607, 2004</ref>。
 
== 脚注 ==