「Ω-6脂肪酸」の版間の差分

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適正摂取量、必須脂肪酸から一部加工転載
酵素名追加、アラキドン酸カスケード追加
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[[Image:Prostaglandin E1.svg|thumb|400px|アラキドン酸から体内で生成される[[プロスタグランジン]]E<sub>1</sub> (PGE<sub>1</sub>) の構造式]]
[[画像:LeukotrieneA4.png|thumb|400px|thumb|アラキドン酸から体内で生成される[[ロイコトリエン]]A4の構造]]
[[Image:Eicosanoid synthesis.svg|300px|thumb|アラキドン酸を出発点とする物質の合成経路([[アラキドン酸カスケード]])]]
'''ω-6脂肪酸'''(おめが-ろく しぼうさん、ω−6 fatty acids、ω6とも表記、オメガ-スィックス、Omega-6)または、'''''n''−6脂肪酸'''(''n''−6 fatty acids)は、[[不飽和脂肪酸]]の分類の一つで、一般に[[炭素]]-炭素[[二重結合]]がω-6位(脂肪酸のメチル末端から6番目の結合の意味)にあるものを指す。ω-6脂肪酸は、[[必須脂肪酸]]である。
 
ω-6脂肪酸の生物学的役割の大部分は、体内の組織で見られる様々な受容体へ結合するn-6[[エイコサノイド]]への変換の仲介である。ω-6脂肪酸からの多数の生理活性物質の生成反応はアラキドン酸から滝のように流れ落ちる如く生成されることから[[アラキドン酸カスケード]]と呼ばれる。代表的なω-6脂肪酸であるリノール酸から出発して体内で[[リノレオイルCoAデサチュラーゼ]]によりγ-リノレン酸を経てが生成され、さらにアラキドン酸へ変換される。さらに、このアラキドン酸(20:4n-6)から変換されて生成される炎症・アレルギー反応と関連した強い生理活性物質であるω-6[[プロスタグランジン]]、n-6[[ロイコトリエン]]等の[[オータコイド]]類は、[[アテローム性動脈硬化症]]、[[喘息]]、[[関節炎]]、[[血管]]の病気、[[血栓症]]、[[免疫炎症]]の過程、[[腫瘍]]増殖における過度のω-6作用を抑制する調合薬開発の標的となっている<ref name=kinjo/>。n-3脂肪酸との競争的相互作用は、相対的保存、モビリゼーション、n-3とn-6エイコサノイド前駆体の変換と作用である。
 
国際的に脂質を評価しているISSFAL(International Society for the Study of Fatty Acids and Lipids)<ref>[http://www.issfal.org.uk/ ISSFAL] '''(英語)''' (ISSFAL: International Society for the Study of Fatty Acids and Lipids) </ref>は、2004年には、必須脂肪酸としての1日あたりのリノール酸の適正な摂取量は全カロリーの2%としている<ref>Cunnane S, Drevon CA, Harris W, et al. "Recommendations for intakes of polyunsaturated fatty acids in healthy adults" ISSFAL Newsletter 11(2), 2004, pp12-25</ref>。[[日本人の食事摂取基準]](2010年版)では、ω-6脂肪酸について1日9g前後の摂取が適正で、摂取上限は総摂取エネルギーの10%であると言われている<ref>http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4g.pdf</ref>。他方で、日本人のリノール酸摂取量は平均して13~15g/日で過剰にω-6脂肪酸を摂取しており、上記のような過剰な生理活性物質の産生を防ぐために、代表的なω-6脂肪酸であるリノール酸摂取量を7~8g/日に制限すべきとの意見もある<ref name=kinjo/>。
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* [[ω-3脂肪酸]]
* [[ω-9脂肪酸]]
* [[アラキドン酸カスケード]]
 
{{脂肪酸}}