「オショロコマ」の版間の差分

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要出典
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== 生態 ==
産卵期は10-11月である。日本に生息するオショロコマはほとんどが河川残留型であるが、一部の個体は降海し生活する。河川の最上流部に生息することが多いが、知床半島などの流れる距離の短い川では、源流から河口まで生息する。札幌市近郊にある空池では、年中湧き水が出るため、止水域であっても生息している。河川残留型は、背部に白色の斑点、体側に5~10個のパーマークと朱点があるが、北海道のほとんどの個体では朱点が見られない<ref name="salmon13"/>。個体によって、腹部や鰭の赤色が濃くなる。本種の生息地の南限と言われる北海道千走川の支流では、無斑点の個体が生息する。残留型の全長は20cmほどである。河川生活での餌は主に流下する水棲昆虫や河畔樹林からの落下昆虫であるが、[[トビケラ]]や[[カゲロウ]]の様な底性生物の摂食も可能な口骨格構造であり、[[アメマス]]などとの餌の競合に対し柔軟に対応する。従って、アメマスがいる河川では棲み分けをする。{{要出典範囲|また、本種の生息可能限界水温は20℃±と言われている。|date=2012年1月}}そのため、本種はイワナの仲間のなかでも、より寒い地域に特化した種と思われる。しかし、実際個人などで本種を飼育している個体などでは生息可能限界水温を超え、{{要出典範囲|25℃±でも生存しているケースもあり|date=2012年1月}}、本州で生息しているイワナ(ニッコウイワナ、ヤマトイワナなど)と同じとも考えられる。体形は比較的細い体形の他のイワナ属に比べ、本種はずんぐりむっくりしており、一見ヤマメのように見える。
 
降海型は高緯度地域ほど出現し易く、2年から4年の河川生活の後[[スモルト]]化しパーマークが消えると降海する。朱点も淡い淡赤色となる。また、[[イトウ]]の様に冬期は河川遡上し、湖や流速の緩い深み場所で越冬を行う。[[知床半島]]にも降海型個体が居ると考えられる<ref>知床地方で採集した降海期の銀毛オショ口コマについて</ref>。
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日本国内で直ちに種の[[絶滅]]が危惧される状況ではないが、2007年版の環境省レッドリストでは、従来の準絶滅危惧から絶滅危惧II類にカテゴリが上げられた。[[知床半島]]などの生息地では[[外来種|外来魚]]([[ニジマス]]や[[ブラウントラウト]])との競合、アメマスの生息域拡大による源流域まで追いやられる、一部の釣り人による乱獲や源流部の林道工事、河畔林伐採、堰堤の設置等にともなう生息環境破壊により、[[個体群]]が絶滅の危機にあるとみられる。特に、本種はもともとアメマスと同じ川で生息する際、本種がアメマスより上流に、その下流にアメマスが生息するといった棲み分けがあったが、ここ最近アメマスの勢力が広がりつつある。また、本種とアメマスとの交雑種が見つかっている。本種の分布域の北側には、ホッキョクイワナが生息するが、両者の異同には論議がある。まず、言えることは①産卵場所の違いである。本種は河川、ホッキョクイワナは湖沼。②生態や、鰓杷数が本種より亜種のミヤベイワナに近いこと。など明確な違いは限られており、本種との区切りは難しい。しかし、もともと日本国内で生息する本種を含め、イワナ属の魚は明確な河川ごとに特徴があったと言われる。イワナ属はそもそも本種とミヤベイワナの2亜種からなるグループと、アメマス、ニッコウ、ヤマト、ゴギの4型からなるイワナのグループ、その他外来種2種が日本国内で生息していると考えられているが諸説ある。本種を含めホッキョクイワナのグループはイワナのグループに比べ、生息域が広く、より正確な分類が必要なグループであるには違いない。
 
北海道では、河川残留型が多い事から河川間の交流がほとんどなく、河川集団毎の遺伝的多様性に比べ同一河川内集団の遺伝的多様性は低い。つまり、各河川毎に閉ざされた生殖系(繁殖集団)となっているため、増殖を目的とした放流の際は、安易に他の河川からの移植は避けるべきである<ref name="salmon13"/>。近年、本州でも本種が見つかるが、これは釣堀から逃げたり、釣られず残った個体である。{{要出典範囲|また、完全養殖個体のため、極端な遺伝子組み換え(イワナやカワマスなど比較的大型化する魚類との混血、近年養殖事業で盛んに行われている三倍体化など)による大型化など、北海道に生息する本種とは、すでに異なる種のようになっている。これらの個体は前記で述べたように他の魚種の血統や遺伝子操作などにより崩れた物が多いが、近年は北米産の個体を養殖して混血し本種に近い遺伝子を維持しつつ、大型化しているケースもある。そのため、元々北海道にいた個体の養殖というわけではない。そのため、本来ならば本州で産地不明の本種が釣れることは喜ばしいことではなく、生態系を崩す一歩手前の行為であると言える|date=2012年1月}}
 
かつて、放流した[[ベニザケ]]の幼魚に対する害魚として駆除されたことがある<ref name="salmon13">{{PDFlink|[http://salmon.fra.affrc.go.jp/kankobutu/salmon/salmon13_p09-12.pdf オショロコマ p.12]}} さけます資源管理センターニュース</ref>。