「ヴィルトゥオーソ」の版間の差分

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== 概要 ==
ヴィルトゥオーソとは、完璧な演奏技巧によって困難をやすやすと克服することのできる、卓越した演奏能力の持ち主に対する称賛の言葉である。このため、たとえば[[アルフレッド・コルトー]]や[[ヴィルヘルム・ケンプ]]のように、ひとえに音楽性の深みや卓越した解釈をたのみとする演奏家のことは、単に「名演奏家」や「巨匠」と呼んでも、通常は「ヴィルトゥオーソ」とは呼ばない。
 
ヴィルトゥオーソと呼ばれるための最低条件は、機械的な演奏技巧が完成されていることである。しかし[[19世紀]]においては、その発想が極端になり、腕自慢の演奏家がしばしば演奏会でアクロバティックな超絶技巧を誇示して、観客を喜ばせる傾向を持っていた。このため「ヴィルトゥオーソ」という言葉は、使われる文脈によっては、「技巧が先行して音楽的内容に乏しい」「表現が冷たく情感に欠ける」という意味を言外に含んでしまうこともありうる。
 
ヴィルトゥオーソは、またしばしば作曲家を兼ねることがある。ヴィルトゥオーソである作曲家には、[[19世紀]]の[[ニコロ・パガニーニ]]が典型であるように、第一に演奏家であったタイプと、[[バロック音楽]]の[[バッハ]]が典型であるように、演奏衝動と創作衝動に釣り合いがとれたタイプの2つがある。前者は、しばしば作曲においても自らの演奏技巧をひけらかす傾向が認められ、必ずしも作曲家として成功することができたとはいえない。